バブル崩壊は再来するか?今の日経平均がバブルとは言えない、3つの理由

日経平均株価は、10月に入ってから上昇を続け、10月24日に16連騰を記録。過去最大の連騰日数を、さらに更新しました。

上昇金額は、約3週間で+1404.66円、営業日一日平均に直すと88円弱となり、平均金額を見ればそれほど急騰したというイメージではありません。
しかし、日経平均始まって以来の連騰記録に、この上昇はどこまで続くのか?という疑問と不安が沸いてきます。

奇しくも、今年は2017年。
株のアノマリー、アンラッキー7」と呼ばれる、7のつく年です。
年内に、バブル崩壊がくるのでは?株価が暴落してしまうのでは?という不安は消えません。

日経平均の連騰が途切れ、下落を始めたら…それは押し目なのか、それとも反転のサインなのか?果たして、バブル崩壊は起こるのか。

そもそも、今はバブル景気なのか?

普段暮らしていて景気が良くなっていると実感できないことから、バブル景気と感じている人は多くないでしょう。

さらに相場動向をじっくり見てみると、その明確な理由が見えてきます。
今がバブルではない、3つの理由を見ていきましょう。

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1.安倍政権の勝利から、金融政策は続行される

2017年の衆議院総選挙は、自民党が310議席を上回る議席を獲得。
与党が勝利し、安倍政権の続行が決まりました。

これから最長で4年間、今までのように消費者物価指数2%を目指し、長期金利0%が継続され、日銀の超緩和政策が続く可能性が高くなります。

このように緩やかな景気拡大が続けば、現在と同様に株価の上昇も期待できます。
安倍政権発足から数年かけて上昇の拡大を続けてきた日経平均は、今後も緩やかに拡大を続けていく可能性が大いにあるといえるのです。

■日銀ETFの買い入れ

安倍政権の続行により、日銀のETF買い入れも継続する可能性が高いです。

日銀のETF買い入れは、前場でトピックスが前日比マイナスになると後場に実行されることが多いです。
しかし10月に入ってからは、連騰が続いているため、まだ一度も大規模な買い入れが実施されておりません。

現在の買い入れ額は1回739億円でしたが、10月は買い入れがほとんどなかったことから、今後は1回あたりの買い入れ金額が増額されることも、大いに考えられます。
トピックスが下げたときには、積極的な押し目買いもあるかもしれません。

このような日銀の資金投入により、日経平均は下値を切り上げていく可能性が高くなっています。

■海外マネーの流入

2017年夏、海外投資家が続々と日本株を売り始め、日経平均は19000円台前半まで下落。
これは、安倍政権支持率低下のニュースが流れた時期とほぼ一致していて、海外投資家は夏から日本株へのウエイトを減らしていました。

ところが、衆議院の解散総選挙が決まると、日経平均は上昇に転じます。

9月の第4週、海外投資家動向は、現物は売り越したものの、先物は1兆円越えの買い越し。
10月第1週に入ると、現物でも買い越しが増えてきました。
10月2週からは、夏で売った以上の日本株買い戻しが始まり、日経平均は連日の連騰続き。海外の年金基金や投資信託なども、買いに転じたと考えられます。

では、なぜ日本の株が買われているのか?
これには、海外情勢も関係しています。

日・米・欧の三者を比較してみましょう。

【欧州】
ドイツの選挙では、保守党が勝利しメルケル首相が4選目となったものの、党の弱体化から政権維持のために新しい連立の枠組みが求められています。
しかし、連立の立案はスムーズに進んでおらず、年内は厳しいのではとの報道も出ており、メルケル首相は支持率を落としてます。

また、フランスのマクロン大統領も改正労働法の施行強行などにより支持率を落としていて、政権の行方にやや不安があります。
さらにスペインではカタルーニャ問題も解決の糸口が見えないなど、欧州経済は引き続き混乱が続いている状態です。

【米国】
アメリカは、NYダウが連日最高値を更新していて株価の好調は継続している。
だが、トランプ大統領の支持率は依然として低く、回復の兆しを見せない。今後具体的な政策が実行されない限り、トランプ大統領の支持率回復は難しいと思われます。

【日本】
一方、日本は安倍首相の政権続行が決まったことにより、欧米と比較すると政治的に安定したと考えられるのではないでしょうか。
安倍政権がこれまで築いてきた、ゆるやかな景気拡大路線に期待が集まっています。

選挙が終わった今も日経平均は下がらず、海外投資家の資金が日本に集まり続けているのは、こうした世界情勢も大いに関係しているのではないでしょうか。

2.PERの割高感が感じられない

PERとは、株価水準が割安か割高かかを判断する数値であり、これが高くなればなるほど株価が割高となります。

バブル景気なのでは?との話も聞こえてきますが、現在の日経平均のPER(株価収益率)は、15倍とそれほど高くありません。

1989年バブル崩壊のときのPERは50倍前後で推移しており、またITバブルが崩壊した2001年にはPERが100倍を超えるという、見たこともない数字まで上昇していました。

バブルが崩壊したと言われるこれらの時期は、2回とも今のPERと比べればはるかに高い数字をつけていて、その後にバブルが崩壊し株価が下落していきました。

PERの数字だけを見ても、日経平均がバブルと恐れるほどでの数字はないことが分かります。

3.米国の景気動向が安定している

リーマンショックやブラックマンデーのように、海外のバブル崩壊をきっかけに株価が下落する場合も往々にしてあります。

ですが、今の米国の経済環境であれば、暴落が発生して経済が大幅に落ち込むリスクは少ないのではないかと思われます。

米国のバブルが崩壊しない理由は、下記2点です。

・年内の利上げ期待
・トランプ大統領の減税策

どちらも年内いっぱい程度は株価上昇の効果が見込めそうなことからも、急激な株価の下落は考えにくいのです。

まとめ

今後も基本的に日経平均は上昇傾向が続き、調整で一時的に下落することはあっても、暴落と呼ばれるほどの下げは来ないのではないかと思われます。

2018年4月には、日銀の黒田総裁の任期が終了し、異次元緩和政策が変更となる可能性も出てくることから、そのあたりが日経平均の大きな転換ポイントとなるかもしれません。

2017年は経済サイクル的に暴落の年になるのでは?という予想も聞こえていましたが、連騰には過熱感がやや感じられるものの、日経平均全体を見るとバブルとは言えないと思われ、崩壊という大幅な下落が訪れるのは、もう少し先の話になるのではないでしょうか。

だって、今はバブル景気ではないのだから。

 

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