日経平均のPERは本当に割安か?日経平均の適正PERと押し目買いのタイミング

日経平均の適正PER

日経平均が9月から大きく上昇しています。その理由の一つに世界的に出遅れて割安な日本株を外国人投資家が買っているという話があります。
その時に割安な目安として話に出てくるのが日経平均のPER(パー)です。
今回は、本当に日経平均のPERは割安かどうかと日経平均の適正なPERはどのくらいかを考察してみます。

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日経平均のPERは本当に割安なのか?

日経平均のPERは、11月9日で15.15となっており、よく日経平均のことを書いている記事には「まだ15倍なので、割安だ」という言葉が乗っています。

実際に日経平均の15倍前後というPERの値は、割安なのでしょうか?

まずは直近のPERと比べてみましょう。

○日経平均PERチャート
2009年からの日経平均PERチャート
http://nikkeiyosoku.com/nikkeiper/

過去5年の平均PERが15.2程度となっており、15日の日経平均PERは、14.45となっており、過去5年平均と比べても低い水準になっています。

直近の2015年、2016年のチャイナショックと逆オイルショックの時のPERは、チャイナショック前は16台で、逆オイルショック前は15台となっております。

上記を見ると今の日経平均の15前後というのは、割安とまでは言えませんが、中間の値に近いということがわかります。
日経平均PERが15の後半になれば、割高感が出てきて、14の前半になれば、割安感が出てくるというPERの推移になっていると思われます。

日経平均のPERの推移と現在の日経平均の適正PERの考え方

現在の日経平均の適正PERを考えるに当たり2つのことから考えていきたいと思います。

1、過去の日経平均PERとの比較
2、アメリカのPERと成長率の比較

まず、過去との比較する上で、日経平均のPERの適正な値を考えるときに歴史的に推移を知ることが大切です。
過去の水準と比べてどうなっているかを検証しましょう。

まず、おおざっぱに1989年からバブル崩壊からのPERを確認したいと思います。
日経平均のPERではありませんが、TOPIXの年代別のPERが楽天証券の記事にありましたので参考にしたいと思います。

TOPIX予想PER
2011-201615-17倍
2004-201020倍
2001-200325-40倍
200050倍
1996-199960-70倍

参照:楽天証券 日本株の妥当PERは何倍か?

上記を見るとバブル崩壊後のPERは、60代と高く、それから時間がたつと切り下がっていく傾向にあります。

この表からわかることは、年代によって適性のPERの水準がなかり変わってきているということです。

暴落などは、過去の暴落を研究することで共通項などが出てきますが、日経平均にPERでは、今のPERがいつからの年代に属しているかを判定することで過去と比べる意味が出てきます。

では、今のPERは、何年前からの流れの中にあるのでしょうか。

〇日経平均PERチャート(2012年から)
日経平均PERチャート2012年から

上記を見るとアベノミクスが始まった2012年12月から株価と共にPERが上昇し、2013年3月期の決算発表が終わった、2013年5月からPERが大きく下がっています。

これは、アベノミクスで株価が上昇し円安になった影響で、企業利益が増えて、2013年3ヶ月期決算が好決算だったことが、PERに反映されたことで、PERが現状に追い付いてきたといえるでしょう。

今の日経平均は、2012年に始まったアベノミクス相場の流れにいますので、現在のPERを考える上では、アベノミクスの企業利益が反映された2013年5月からの期間で考えるべきでしょう。

2013年5月からのPERを見ていくと何度か企業利益が増えてPERの水準が下がっているところがあります。

〇日経平均PERチャート(決算発表後のPERの低下時期)
日経平均PERの企業利益によるPERの低下時期

日経平均のPERは、2013年5月と2015年5月と2017年5月に企業利益の上昇による日経平均EPSの上昇でPERが低下しています。

この証拠に2015年のチャイナショック前の日経平均2万円台の時のPERが16.6倍ですが、2017年現在の2万2000円では、15倍となっています。
2015年の高値の時より日経平均が上昇しているのにPERは低下しています。

日経平均の適正PERを考えるうえで、2013年、2015年、2017年と企業利益が増え日経平均のEPSが増えて、PERの水準が低下しているのに過去の水準のPERを見て、16倍まで大丈夫だなどと適正PERを考えていいのかどうかというのが重要な点だと思っています。

考えるうえで2015年からの下落時前のPERを細かく見てみましょう。

日付下落原因PER
2015年8月チャイナショック前16.6
2015年12月逆オイルショック15.7
2016年4月日米金融政策15.8

2015年から調整的な下落は、3回ありますが、チャイナショック前で16.6で逆オイルショック前で15.7、日米金融政策が期待はずれだった4月に15.8となっている。

株価下落の幅もあるかもしれないが、直近では、15倍台の後半で下落することが多くなってきているようです。

次はアメリカとのPERと成長率の比較です。

PERは、株価が将来の成長を見込んで買われている場合は、高い水準でも問題はないです。
米アマゾンなどのPERは、289倍となっており、数値だけ見ると激しく割高といえるが、将来の利益を見込んだうえでは、妥当かもしれません。(amazonのPERが妥当かは検討していません)

現在の日経平均にPERが適正かどうかを判断するには、日経平均の将来性を加味したうえで考えるべきでしょう。

IMFの世界経済見通しで日本の成長率は、2017年予想で1.5%、2018年予想は0.5%となっています。
アメリカは、2017年予想を2.2%、2018年予想を2.3%となっていて、日本とは、2017年は約1,3倍で2018年は約5倍ほど差があります。

アメリカでのPERの高値目安が、S&P500でITバブル前が33程度、リーマンショック前も35程度でした。
日本のPERの高値目安はアメリカより明確に低くなります。

2017年と2018年の成長率から日本とアメリカの成長率の割合を出すと日本はアメリカの45%程度です。

アメリカの暴落前のPERが35倍程度ですので、日経平均のPERの高値は、成長率の割合からすると15.75となります。

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日経平均の適正PERまとめ

日経平均のPERを考察してきましたが、3つのわかりました。

1、歴史的にはPERは切り下がってきている
2、現在のPERは、5年平均とほぼ同じ
3、アメリカの成長率と比較すると16倍くらいが上値めど

となります。

現在の日経平均PERの15倍前後は、割安というよりは、適正といった方がいい水準だと考えます。

今後の日経平均は15倍の後半にPERが上がれば、調整のタイミングになる可能性があり、16倍を超えるとバブル崩壊の可能性も考えた方がいいかもしれません。

押し目買いのチャンスとしては、15倍を切った時が一つの目安と言えるでしょう。
株価下落時は、直近の下落時のは13倍台程度になっていますので、13倍台になったときに押し目買いのチャンスがあります。

参考に今の水準でPER16倍は、2万4391.2円、15.75倍は、2万4010.08円となるため、上値めどとしては、2万4000円となります。
PER14倍は、2万1342.3円となりますので、ここを超えて下落したときは、押し目買いのチャンスとなりそうです。

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