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バブル崩壊

バブル景気~バブル崩壊まで

バブル景気とは、株や土地の資産が実際の価値以上の価値を持ち、経済全体が好景気になることをさし、日本のバブル景気は1986年から1991年までの約4年続いたと言われています。バブル崩壊となるまで、国内では地価が以前の約2倍まで上昇するなどしバブル景気に沸いていました。
しかしその後、当時の大蔵省の不動産融資総量規制や日銀の公定歩合引き上げなど、様々な要因からバブル崩壊が起こり日本経済は停滞していきます。

バブル崩壊は、どうやって起こったか

1.バブル景気直前に起きた、円高不況

1980年代前半、日本は円安の影響から輸出産業が大変好調でした。1ドル250円という円安でしたので、海外では低価格で良質な日本産の自動車や家電製品などが人気となり、大幅な貿易黒字となりました。

一方アメリカでは輸出製品が売れず大幅な貿易赤字となり、日米間で激しい貿易摩擦が生じていました。アメリカはこのドル高を是正し貿易摩擦を解消するべく、1985年9月22日に先進5ヵ国の蔵相・中銀総裁をニューヨークのプラザホテルへ集め、協調的なドル下げを実施することで合意しました。

「プラザ合意」と呼ばれる、ドル下げ宣言です。

ドル円は、一週間も経たないうちに1ドル210円台まで下落、一年後には1ドル150円台まで値を下げ円高はよりいっそう進みました。

予想以上の円高ドル安により、日本の輸出業は大打撃を受けてしまいます。

プラザ合意後のドル円チャート
 
2.日銀介入による、バブル景気のスタート

1985年、急激な円高による不況対策として、日本では日銀が公定歩合を5%から2.5%まで引き下げ、積極的な緩和政策を実施します。金利が下がることで企業は借入を行いやすくなり、経営の回復へとつながりました。

金利が低く借入を行いやすいので、企業は自社の設備投資だけでなく株や土地への投資を行い、含み益で資産を増やしていきます。
株や土地を購入する企業が多くいることで、供給よりも需要が高まり土地や株の需要はますます拡大していき、株式市場では株価が上昇、不動産市場では地価の高騰へとつながりました。

こうして企業や個人の持つ資産価値が増大することで、金融機関からの融資も膨らんでいき、ついにバブル景気がスタートしたのです。

 
3.バブル景気の終焉~バブル崩壊

企業や個人が競うように株や土地を購入したことから、株価と地価は天井知らずの上昇を続けていきます。土地は必ず値上がりするという土地神話も誕生し、転売目的で土地の売買に参加する人も多く現れました。
当時の地価は、「東京23区の地価合計=全米の地価合計」となるほど異常な値上がりを見せ、市場はバブル景気に沸きました。

急騰を見せる行き過ぎた株価や地価に、日銀は実態経済とかけ離れていると懸念し、不動産融資総量規制と公定歩合の引き上げに踏み切ります。

公定歩合の引き上げにより金利が大幅に上がったことから、企業や個人は銀行からの借り入れが難しくなり、高値となった株や土地は値を下げてもついに売れず、価格は暴落していきました。

これをバブル崩壊と呼びます。

東京都公示地価基準地の平均価格推移グラフ
 
4.バブル崩壊後の金融破綻

バブル崩壊後、政府は大手の金融機関については破綻させない方針をとっていましたが、金融機関の不祥事が相次いで発覚したこともあり「市場から退場すべき企業は退場させる」と方針転換を行いました。
経営状態の悪い金融機関は政府からの支援を受けられなくなり、市場からの撤退を余儀なくされます。

1995年8月、兵庫銀行が銀行として戦後初の破綻となると、それ以降も多くの金融機関の破綻が起こり、これらの銀行をメインバンクとしていた会社の倒産も相次ぎました。

景気も悪く業績も好転しない中で、他の銀行から新規の融資を受けることは困難だったのです。

1995年 兵庫銀行
1996年 太平洋銀行 阪和銀行 日榮ファイナンス
1997年 山一證券 小川証券 丸荘証券 越後証券 三洋証券 北海道拓殖銀行 京都共栄銀行 徳陽シティ銀行 日産生命保険
1998年 不二証券 松彦証券 みどり銀行 福徳銀行 なにわ銀行 中村証券 日新証券 日本長期信用銀行 日本債権信用銀行
1999年 国民銀行 幸福銀行 東京相和銀行 新潟中央銀行 東邦生命
2000年 第一火災会場保険 協栄生命保険 第百生命 ライフ 千代田生命保険
2001年 石川銀行 東京生命保険 大成火災会場保険
2002年 中部銀行
2003年 足利銀行

日本のバブル崩壊はいつ起こったか

日経平均株価は、1989年末に日経平均40,000円弱の最高値をつけると、これをピークに日銀の政策などの影響を受け下がり続けました。1990年9月末には20,000円近くまで下がり、ピーク時の半値まで価格とを落とし大暴落しました。少なくともこの時点で、株価バブルはすでに崩壊していたことになります。

バブル崩壊時の日経平均株価チャート

1991年に入ると、株価同様に地価の下落も始まります。地価は1993年に最大の下落率となると、バブル崩壊後3年でその価格は半分以下まで下がり、2005年まで14年連続で下がり続けました。

バブル崩壊がいつから起こったのか諸説ありますが、株価で判断すると下落が始まった1990年にはバブルの崩壊が始まったといえるでしょう。