ユリノミクス、内部留保課税で株価は上がるか?

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内部留保比較、日本VS米国

投資家にとって、企業の「内部留保」は今後の配当や業績にも関係していくるので、気になるところです。

日本の内部留保は、昨今も増え続けています。
2016年度末の内部留保を例にとると、過去最高額の406兆円となり、初めて400兆円を超えました。過去10年間でその額は、1.6倍まで増えています。

過去には、麻生太郎財務相からも、企業の内部留保が増えているのに賃金の上昇が見られないこと対して、「法人税を下げているのに、企業はまだお金を貯めるのか」と強い批判が出たこともありました。

内部留保とは
毎年の純利益から配当に回した残りの額の累積をいう。
利益剰余金とも呼ばれ、設備投資やM&A(合併・買収)の原資となる。
(データ出所)日経サイトより

内部留保の数字だけ見ると、こんなに増えたのか!と思ってしまいがちですが、投資先進国の米国企業と比較すると、そんなに多くもないという現実が見えてきます。

米商務省が発表している内部留保比率は、2016年末で23.4%。一方、日本企業はの内部留保率は、2016年度末で24.7%となっていて、さほど差がありません。
米国企業を例にとれば、日本企業の「内部留保」の比率は適正ともいえるのです。

米国との違いは、その内訳です。
総資産に占める現預金の保有比率が、3.6%である米国企業に対し、日本企業は12.8%と約3倍もの現預金を保有。
国の内部留保は、設備やソフトウェア、土地など固定資産として保有しているケースが多く見られますが、日本は内部留保の半分強を現金で保有していて、現金保有の比率が高くなっています。

ユリノミクス、内部保留課税の問題点

今の低金利時代、現金保有がいかに増えないか、投資家のみなさんはよく理解されていると思います。

ユリノミクスと称し、この「内部留保に課税を」という政策を打ち出している党があります。
小池百合子都知事が立ち上げた、希望の党です。
希望の党は、「税率10%への消費増税を凍結する」という方針を掲げる一方で「大企業の内部留保に課税する」政策を打ち出しました。

小池代表は「企業の代表者は、課税されるぐらいなら配当や設備投資を増やそうと考えるのではないか」と発言していますが、課税方針がとられたとして、果たして企業が設備投資や配当へ向かうのでしょうか。

内部留保課税が実施された場合でも、設備投資へ舵を切る企業は多くないのではないか。そのまま現金保有を続け、納税を行うのではないか。という評論家の話もあります。

そうなれば、経済効果は法人税の引き上げと同じです。

またこのユリノミクスの内部留保課税、いくつかの問題点もあげられています。

1.二重課税の問題

内部保留課税を行うと、法人税を支払ってからその利益に課税を行うことになるため、税の原則「公平・中立・簡素」を損なう可能性が高いと言われています。
確かに、わかりにくく簡素とは言えなそうです。

2.国とのちぐはぐな政策方針

現在政府が促進しているのは、“減税”による企業の設備投資であり、ユリノミクスが打ち出している内部留保に課税する“増税”策とは、真逆になります。

法人税を引き下げ、外国企業を呼ぼうという政策にも反対する形となり、まったくもってちぐはぐな政策となってしまうのです。

株価は上がるのか?

ユリノミクスが支持され、内部留保課税が実施された場合、日経平均株価は上がるのでしょうか?

日経平均株価は、上がらないでしょう。

なぜなら、内部留保課税の実施だけでは、単なる法人税の増税と同義となることが懸念されますし、今後の景気拡大策も明示されていないからです。

安倍首相は、党首討論会の中で「(内部留保課税は)安定財源にはならない」との批判もしており、長期的な目で見ると株価の継続的な上昇には結びつかないと考えられます。

ユリノミクスの内部保留課税が実施だけでは、景気の拡大には程遠いのです。

 

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