ビットコインバブルと世界株式市場の崩壊

当初のビットコインは、実体を持たず強固なセキュリティを擁する「暗号通貨」としての側面とともに、今後の台頭の可能性が語られることが多かった。

それが、2017年12月現在になると、状況は大きく様変わりした。日々の経済ニュース欄では、ビットコインで誰が数億ドル儲かったとか、突如の急落で25%減価したとか、その投機的な側面ばかりが注目されるようになった。

今のところ、ほとんどの非・投機的な投資家は、この騒ぎからは距離を置いているはずだ。ここまでボラティリティの高い資産に手は出せない、というわけだ。

しかし、今後もポジションさえ持たなければ安心していられるかというと、そうは限らない。ビットコイン暴落が世界株式市場の崩壊を招く可能性が、今まことしやかに語られつつあるからだ。

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ビットコイン先物の向こうに透けるバブルの影

2017年12月、ビットコイン先物取引が開始された。ビットコインはこれで、正式な投資手段としての地位を築くのに、さらに一歩近づいたといえる。

こうした状況と同期して、金融界では、ビットコイン先物取り引きへ参加する新たなヘッジファンドや銀行も増えている。

しかし、これが大規模なバブル崩壊の引き金になる可能性が、次第に取沙汰されるようになった。もっと具体的に言えば、ビットコイン相場の瓦解が世界株式市場に調整をもたらす可能性がある、という意味だ。

高まるビットコインと「他の資産」との関わり

ビットコイン先物では、すでに大きな投機的ポジションをとる大手銀行やヘッジファンドも存在する。これらは、もしビットコイン価格が急激な変動を起こした場合に損失を被りかねない。

仮にビットコインで大きな損失が発生した場合は、他の株式や債権といった資産を精算せざるを得なくなる。そうなると、ビットコイン以外の資産価値にまで大きな下落が生じかねない。

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そんなシナリオを恐れる投資家が、今ではもう少なくない。それほどまでにビットコインは市場で存在感を高めている。

大手ヘッジファンドを吹き飛ばす、かもしれないビットコイン

市場では、ビットコインの行く末としてのごく悲観的な予想図も多く目にする。例えば米のあるヘッジファンド運営会社は、いま1万4千ドルのビットコインが、2018年には2万ドルまで急騰、そして一気に2000ドルまで急落する、と予言する。

とくに、高いリターンを追い求める宿命を持つ大手ヘッジファンドのいくつかにとって、こうしたビットコインの急騰・急落は、大きなファンド資産の毀損、もしくはファンド閉鎖を意味することになる。しかも、ヘッジファンドの動きは内情が見えにくく、相次ぐ売りがパニックを呼び起こす可能性もある。

ヘッジファンドの一つや二つ、破綻してもどうということはない、と思う向きもいるだろう。しかし、2011年に経営破綻した米大手のMFグローバルのケースを思い起こせば、その楽観も吹き飛ぶはずだ。

MFグローバルの破綻は、その後4週間にわたって、10%もの米金融市場下落をもたらしたのだ。

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市場規模は2800億ドル、多いか?少ないか?

とはいえ、ビットコインだけを見ると、市場規模は約2800億ドル(32兆円弱)とみられる。これは、金融市場全体から見れば、大きな額を占めるとはいえない。

たとえば、米NYSE(ニューヨーク証券取引所)の時価総額は20兆ドル程度と、ビットコインの市場規模の70倍ほどにあたる。NYSEより一段小さい米NASDAQでも時価総額は9兆ドル程度だ。

つまり、ビットコインが急落しても、これらの証券所を崩壊させるほどの影響は考えにくい、ということだ。

しかも、いまビットコインが十分の一まで減価しても、2017年のはじめまでにポジションをとったほとんどの投資家は、まだ利益が見込めるはずだ。

こうなると、ビットコインのポジションを取ったヘッジファンドや銀行が、ボラティリティの高まるビットコインの値動きを前に、どれほどの危機感にあおられるかが、世界株式市場への影響を見積もる鍵となる。まだ、ヘッジファンドの大勢にとっては、ビットコインの乱高下は教諭心をあおるものにはなっていないように見える。

日本の個人投資家が鍵握る現物ビットコイン

さて、今のところ、ビットコインの乱高下の鍵を握っているのは、個人投資家、とくに「日本の」個人投資家だ、という声がある。事実、ビットコイン現物の取引通貨として日本円が最も多い時期が続いていたのだ。

そして、2017年12月に起こったビットコイン急落劇は、日本の個人投資家によるビットコイン取引が急速にしぼんだことにある、とも言われる。

ここまでで多大な損害を出した個人投資家も、現れてはいるだろう。しかし、相場全体への影響という点では、まだまだ恐るるには足らない。

ビットコイン先物が引き出す警戒心

それよりも心配すべきは、冒頭に紹介したビットコイン先物の行く末だ。

より大きなリターンを求める機関投資家や投機筋が、ビットコイン先物に大きな資金を投入し始めたら、株式市場の暴落リスクがじわりと高まったと考えて良いだろう。

米先物取引所大手のCMEも、12月17日にビットコイン先物取引を開始している。CMEは、ビットコインの過剰な値動きを警戒し、日中には30%の値幅制限、また35%もの当初証拠金率を設定するという対策を講じてはいるものの、多くのファンドが投機的な動きに出た場合、こうした制限がビットコイン市場の瓦解を防ぐ、という保証はない。

世界市場へのリスクは限定的、ただし「今のところは」

ビットコインの激しい値動き、あるいはその利幅の可能性が、次第に従来の投資家「以外」の人々にまで噂されるようになってきている。この様子を見て「靴磨きの少年までが株の話をしていた」という、1929年世界恐慌の逸話を思い出した人も多いだろう。

ビットコインという資産だけに限定すれば、投資家を脅かす大暴落の影は、日に日に濃くなっていると言える。

しかしその一方で、ビットコインが株式市場全体を崩壊させる「くさび」になるかというと、まだその心配はしなくてもよさそうだ。

市場規模がそこまで大きくはなく、しかも今のところ、個人投資家のポジションに対して、大口の銀行やヘッジファンドのポジションが著しく大きいとは言えないからだ。

ビットコインとオルトコインをとりまく、様々なリスク

だからこそ、今のうちに押さえておきたいのは、ヘッジファンドがビットコインに対し大規模な投機的動きを見せた時、リスクは大きく上昇する、ということだ。しかも、株式市場を突き崩す「くさび」になりえる仮想通貨は、いまやビットコインだけではない。

ビットコインのほかにも、一年で数百倍まで価値が膨らんだ日本初の仮想通貨「モナコイン」や、「イーサリアム」「リップル」など、日に日に増え続ける仮想通貨はいまや1000種類をゆうに超える。これらは、全部ひっくるめて「オルトコイン」(:代替通貨/次なる通貨)と呼ばれている。

今では、オルトコインで信じられないような得をした人の話や、大損をした人の話が、ほとんど毎日、ニュースを賑わしている。

オルトコインを取り巻く悪材料となり得るのは、大口投機筋の登場だけではない。

他にも、暗号通貨ならではのハッキングリスクや、国や韓国などでの仮想通貨取引所閉鎖や破綻、そしてなにより、登場して間もない仮想通貨という技術の先の見えなさが、ビットコインを含むオルトコインの未来予想図に薄い影を落としている。

ビットコインに「近づかない」は正解なのか?

そんなビットコインに近づかない、というのも投資家の取るべき策の一つだろう。しかし、策はもう一つある。それは、相手の懐に飛び込む - つまり、より仮想通貨を知り、自分でポジションを持つことだ。

いずれにせよ株式市場に影響を与えかねないビットコインなら、近づかず知らぬ存ぜぬで通すよりも、距離を縮め正体を見極めるほうが、結局は自分の身を守ることにつながるかもしれない。

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