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外国人投資家の買い動向、日経平均押し上げへの影響

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なぜ、外国人投資家の売買動向は重要なのか

外国人投資家の動向が注目される理由、それは「日本株(現物)は7割が外国人によって、売買されているから」です。

国内市場は、外国人が売れば下落、外国人が買えば上昇という傾向が、20年以上続いています。

多くの現物株が外国人投資家によって売買されているので、彼らのマネー流入によって、日経平均も上下をすることが少なくありません。
ニュースなどでよく「外国人投資家の売買動向が~」と聞くのは、個人投資家含め市場関係者がその動向に注目しているためです。

よって、今後の相場を予想するためには、外国人の売買動向を観察しながら、これからの日経がどういう動きをするのか、先んじた予測をすることも大切になってきます。

  1. 外国人が毎週連続で買い越している時  →  強気
  2. 外国人が毎週連続で売り越している時  →  弱気
  3. 外国人が1週間ごとに買い越したり売り越したり変わる場合 → 中立(判断できない)

売り越し、または買い越しが、2~3週ほど連続して起きると、トレンド形成の判断目安となります。

では、外国人投資家の動向は、どのように知ることができるのでしょうか?
動向を知るには、2つの方法があります。

1つは、確度は低いけど早く分かる方法 → 外資系証券が発表する、注文動向

もう1つは、確度は高いけど翌週に知る方法 → 東証が発表する、部門別売買動向

外資系証券が発表する、注文動向

各外資系証券から、毎日大まかな注文動向が発表されています。
ただし、この数字は、証券会社からヒアリングした非公式の株数を公表したもので、確度(信頼度)は低めとなっています。

確度が低い理由:
・動向を発表しているのは、一部の証券会社のみ
・発表するのは、注文株数のみ。売買代金はわからない
・注文株数はわかるが、実際に約定した株数はわからない
・すべての外国人の注文が含まれているわけではない

これらの理由から、確度は低めとなっています。
注文動向のデータ自体は、投資サイトなどで毎日更新されていますので、チェックしてみてください。

外資系証券会社発表 外国人注文株数
発表 毎日
確度 低い
銘柄 現物のみ

東証が発表する投資部門別売買動向

東証からは、週に一度、前週の海外投資家の売買代金動向が発表されます。
外国人投資家が、前週にいくら東証の株を売買したかという金額になり、注目されるのは差し引きの合計金額です。

外国人が売り越していれば、相場全体の方向性は下落傾向。
外国人が買い越していれば、相場全体の方向性は上昇傾向。
ということになります。
ただし、前週の売買した数字となりますので、これを受けて今週の株価はどういう動きをしたかを加味し、今後の市場の動きをを予想することが大切です。

売り代金 - 買い代金 = 差し引き 売り越し → 相場は、下落傾向

買い代金 - 売り代金 = 差し引き 買い越し → 相場は、上昇傾向

部門別売買動向のデータは、発表されると日経やブルームバーグなど、主要なニュース媒体で必ず取り上げられます。
数字をいち早く知りたい方は、日本取引所グループのサイトで確認可能なので、ご覧ください。

東証発表 投資部門別 海外投資家売買動向
発表 翌週木曜(第4営業日)の夕方
確度 高い
銘柄 現物と先物の合計

東証の投資部門別売買動向は、翌週の第4営業日の大引け後に発表されます。
(2017/10/16~20の注文動向は、10/26(木)に発表)

日経平均と外国人売買動向の比較

「本当に、外国人の売り買いと日経株価の相関関係はあるのか?影響は?」と疑問に感じる方もいるでしょう。

日経平均株価と、外国人の売買代金動向を比較してみます。
東証からの売買動向は週一の発表なので、週ごとに比較をしていきます。


東証
外国人売買代金 差し引き(百万円)
外資証券会社
注文株数
差し引き(万株)
日経平均 終値
現物 先物 合計 現物
8月
第1週
-295 -1,107 -1,402 -890 19,952.33 +7.51
第2週 -2,746 -2,480 -5,226 940 19,729.74 +222.59
第3週 -2,057 -3,268 -5,325 820 19,470.41 +259.33
第4週 -1,529 -1,780 -3,309 -350 19,452.61 +17.80
第5週 -613 1,542 928 -980 19,691.47 -238.86
9月
第1週
-2,948 -1,059 -4,008 -202 19,274.82 +416.65
第2週 -4,172 12,446 8,273 820 19,909.50 -634.68
第3週 -611 9,177 8,566 2,320 20,296.45 -386.95
第4週 2,017 -1,483 534 1110 20,356.28 -59.83
10月
第1週
6,575 4,572 11,148 0 20,690.71 -334.43

外国人売買代金(オレンジ)のグラフを見ると、外国人が買い越している週は上昇傾向、売り越している週は下落傾向が強いことがわかります。

一方、注文株数(グレー)のグラフに注目すると、9月第2週と第3週以外は、日経平均株価との相関がさほど見られません。
やはり、確度が高いのは、東証が発表している外国人売買代金となるようです。

このように、外国人の売買動向を無視して、日本の相場は語れないというわけです。
2017年10月に入ってからの日経平均の上昇についても、このように外国人投資家の大幅な買い越しがあっての高値更新だったといえそうですね。

ちなみに、2017年10月第1週(10/2~10/6)の注文動向を見てみると、

現物株式 売買状況(委託内訳)
国内法人 売り越し -638
国内個人 売り越し -3751
海外投資家 買い越し 6575

海外勢の買いだけでも、国内の売りを吸収していることがわかり、実際日経平均も上昇していました。

このように、市場が上昇・下落どちらへ向かっているのかを見定めるためにも、外国人注文動向は注意深く見守る必要があります。

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■注文動向のデータは、日本取引所グループサイトで公開されています。

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