日本の上場銘柄で、配当が毎年上昇してきた「連続増配」銘柄のうち、その上位だけで配当利回りを比較したランキングデータが、公開になりました。(2017年版)
国内株のまとまった配当関連情報は、まだまだ乏しい状況ですが、より抜きん出た銘柄をスクリーニングするのに、非常に強力なランキングとなっています。
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国内株の「連続増配」情報は充実していない
25年を基準とした、長期にわたる連続増配銘柄をさす「配当貴族」という言葉が、日本でもよく聞かれるようになり、2000年代にはS&P社による「S&P/JPX配当貴族指数」も始まっています。
しかし、そのわりには、日本の株式投資における配当関連の情報は、充実しているとは言い難い状況です。
とくに、毎年毎年配当金が減少せず維持向上されている「連続増配銘柄」についてのまとまった情報を得るには、非常に限られた方法しかありません。
高配当株専用の分析ツール「配当サーチ」
https://haito.nikkeiyosoku.com/?b171012
連続増配 – 銘柄をはかる強力なものさし
長期にわたる連続増配は、その銘柄の実力を担保する指標にもなります。
そもそも配当は、企業が安定的な利益を出せる体質になっていないと、容易には出せません。言ってみれば、連続増配銘柄とは
・配当を出せるだけの資金があり
・連続増配できるだけの成長性があり
・しかもそれを長期間にわたり保っている
という、きわめて高く評価されるべき銘柄と言えます。
なのに、国内株について手に入る情報は、配当利回りや額といった面のみに限定されています。おそらく、我が国でスチュワードシップ(株主が企業の監視や方針決定に自覚的に携わること)が長らく欠如していたことが、原因の一つでしょう。
日本の連続増配株の配当ランキング
そこで、2017年現時点での、連続増配している国内上位銘柄だけで作った高配当利回りランキングを作成しました。
→ 日本の連続増配銘柄 配当利回りランキング
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ランキングの作成ルール
このランキングは、次のようなルールで作成されています。
・現時点まで、10年以上連続増配を達成
・国内株のみで構成
・直近の株価での配当利回り順にソート
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「日本の配当貴族」銘柄と呼ぶにふさわしい銘柄も
日本の株式投資では、キャピタルゲイン、つまり株価差益を狙った投資方法が注目されがちです。
もう一方の、インカムゲイン、つまり配当を軸にすえた投資方法は、様々な理由から主流になりにくい状況です。
とはいえ、このランキング表の1位(10月12日時点)を見ると、KDDI(9433)は予想配当利回り3.0%、しかも、なんと16年もの連続増配実績を持っています。あるいは11位のSPK(7466)まで下ると、配当利回りは2.1%となりますが、それでも連続増配実績はなんと20年と、驚異的なものがあります。
連続増配日本一の銘柄は、なんと・・・
あるいは、連続増配日本一の銘柄として上がることの多い花王(4452)を見てみましょう。この配当利回りランキングでは1.6%で20位に甘んじていますが、増配年数はなんと28年と、他の追随を許しません。
いわゆる「配当貴族」銘柄とは、米国株で25年以上の連続増配がつづく銘柄をいい、その数は非常に限られていますが、ますが、花王は、年数だけで言えば、その仲間に入ることができてしまいます。
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使い方
このランキングは、配当狙いの投資に活用するのはもちろんのこと、ぬきんでた地力を持つ国内銘柄をスクリーニングするのに、非常に役立ちます。
歴史ある企業も目立ちますが、中でもカカクコムなどは、浮沈の激しくならざるを得ないネット企業でありながら、12年もの連続増配をつづけているという、極めて優れた(異色な)銘柄です。
このように、人によっては、普段とは大きく違った確度で国内株を俯瞰する、いいとっかかりになるはずです。