NYダウとは

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S&P ダウ・ジョーンズ・インデックス社が算出・公表している、アメリカの代表的な株価指数が、NYダウです。

ダウ工業株30種平均、あるいはニューヨークダウ、ダウ平均、などとも呼ばれます。投資に興味をお持ちの方であれば、知らない人はいないでしょう。

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しかし、NYダウがどのような特徴を持ち、どんな材料で変動しているのか、理解している人は意外と多くありません。この記事では、NYダウのなりたち、そして実際の投資でどう活用・予測すればよいかを説明します。

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NYダウとは(主な使われかた)

NYダウは、アメリカの様々な業種を代表する企業の銘柄を選出し、その株価の平均値をリアルタイムで公表する、非常に有名な株価指数です。

なお、通常「NYダウ」というと、正確には「ダウ工業株30種平均」を指すことがほとんどです。

他にダウ平均として「ダウ輸送株20種平均」、「ダウ工業株15種平均」および「ダウ総合65種平均」というものもありますが、これらが米経済全体の指数として引用されることは、めったにありません。

NY証券取引所の平均値から世界経済の指標へ

NYダウはそもそも、ニューヨーク証券取引所の株価動向を示す指標として発表されていました。

しかし、次第にそれは米経済全体の状況の指標となり、さらに現在では、世界経済を先行する指標として用いられるようになっています。

ETF保有者には、ダウ株価が資産額そのもの

なお、多くの投資家にとっては、NYダウは単に市場の平均値を示す指数にとどまらず、NYダウと連動するインデックスファンドやETFといったものの存在により、直接資産を投入し取引する金融商品としても受け取られています。

こうしたETFなどを保有している人にとっては、NYダウの値幅率がそのまま自分の資産の値幅率になります。

NYダウ採用銘柄から米経済の今がわかる

NYダウを算出するための採用銘柄は、時代とともに大きく入れ替えられるため、NYダウの採用銘柄をリストして調べるだけで、米経済をリードする有力30銘柄を知ることもできます。

資産総額にして世界全体の4割を占めるとも言われる米国株は、米国内のみならず、その他の全ての国の投資家にとって、投資の対象となっています。ゆえに、NYダウおよび採用銘柄の変動は、世界経済に極めて大きな影響を及ぼすのです。

このように、NYダウは米国を代表する株価指数であり、世界経済の指標としても極めて重要な役割を果たしているほか、それに準ずる様々な用途でも使われています。

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NYダウの位置づけと成り立ち

NYダウが、このような重要な位置を占めるようになった理由は、株価指数としての有用性はもちろんのこと、その歴史の深さにもあります。

現在の形と近いNYダウが世に出たのは、一般的には1896年とされています。それからすでに120年以上、NYダウは採用銘柄を入れ替えながら、世界株式市場の第一線で注目され続けています。

そんなNYダウを生み出したのは、19世紀末に創業された、アメリカの経済新聞社でした。

ダウの生まれた日

1882年、ニューヨークの証券ジャーナリストであるチャールズ・ダウが、仲間であるエドワード・ジョーンズらとともに、ひとつの経済新聞の出版社を、ニューヨーク証券取引所の近所に設立しました。

創立者たちの名を取り、その新聞社は「ダウ・ジョーンズ」と名付けられました。

ダウ・ジョーンズ社の重要な功績は、2つあります。一つは、米の最有力経済誌の一つである「ウォール・ストリート・ジャーナル」を創刊したこと。もう一つは、米のみならず世界経済の指標として用いられる株価指数、通称「NYダウ」を発表したことです。

1896年のNYダウ出現当初、NYダウは、ニューヨーク株式の指針として活用されました。正式には、社名と採用銘柄から「ダウ・ジョーンズ工業平均株価」と呼ばれていました。

なお、ここでいう「工業」という言葉は、鉄道と公共事業以外の全部、といった意味合いで使われています。今でいう「産業」とかいう意味合いに近いでしょう。

つまり、(NY)ダウ工業株30種平均、という名称は「(ニューヨークの)ダウ・ジョーンズ社による米国産業界銘柄の株価を平均した数値」といった意味になります。

NYダウと日経平均株価

最高値を更新し続けるNYダウのリード具合は、日経平均株価の比ではありません

ダウの動きは、その後の日経平均の動きを占うものとして毎日話題になりますが、逆に、日経平均が上がったからダウも上がるだろう、といった話題が出ることは(おそらく)ありません。

これは、世界経済の動きを最も早く映し出す指数が、NYダウだからです。全世界経済の中枢でありハブであるニューヨーク市場に比べると、日本の市場は従属的と言わざるをえず、NYダウの動きの「結果」として日経平均株価が動くケースは、非常に多々見受けられます。

NYダウの変動と取引時間

NYダウ株価は、NYダウの採用銘柄の値動きに合わせて変動します。NYダウの採用銘柄は全て、ニューヨーク証券取引所で取引されるものであるため、ニューヨーク証券取引所が開いているときだけ、NYダウも変動する、ということになります。

なお、ニューヨーク証券取引所の取引時間は、次のようになっています。

  • 曜日: 月~金曜日(米祝祭日除く)
  • 時間: 米国東部時間 9:30-16:00
    ※日本時間 23:30-6:00、夏時間は22:30-5:00

NYダウの株価算出と株価推移

NYダウは「ダウ工業株30種平均」の名の通り、米市場で取引される30銘柄の株価平均を用いて算出されています。

採用銘柄は頻繁に組み替えられる

NYダウ株価を算出するための銘柄は、時代に応じて組み換えが行われます。

例えば最近の有名なところでは、2015年からiPhoneやMacで知られるアップル社 (AAPL) がNYダウ採用銘柄に組み入れられました。2015年になってようやく、アップル社の株が、米経済の指標とするにふさわしいものと認められた、とも言えます。

逆に言うと、その時代の経済をうつしとるものではない、と判断された銘柄は、どんどんNYダウ採用銘柄から外されていきます。

2017年9月現在、NYダウ発祥の1896年から今まで採用銘柄に名前が残っているのは、かのトーマス・エジソン企業のゼネラル・エレクトリック社 (GE) だけです。

NYダウ採用30銘柄のリスト

2017年9月現在、NYダウ採用工業株の30銘柄は、下記のようになっています。

No. シンボル 名称 採用年
1 AAPL アップル 2015年
2 AXP アメリカン・エキスプレス 1982年
3 BA ボーイング 1987年
4 CAT キャタピラー 1991年
5 CSCO シスコシステムズ 2009年
6 CVX シェブロン 2008年
7 DIS ウォルト・ディズニー・カンパニー 1991年
8 DWDP ダウ・デュポン 2017年
9 GE ゼネラル・エレクトリック 1896年
10 GS ゴールドマン・サックス 2013年
11 HD ホームデポ 1999年
12 IBM アイ・ビー・エム 1979年
13 INTC インテル 1999年
14 JNJ ジョンソン・エンド・ジョンソン 1997年
15 JPM JPモルガン・チェース 1991年
16 KO ザ コカ・コーラ カンパニー 1987年
17 MCD マクドナルド 1985年
18 MMM スリーエム 1976年
19 MRK メルク 1979年
20 MSFT マイクロソフト 1999年
21 NKE ナイキ 2013年
22 PFE ファイザー 2004年
23 PG プロクター・アンド・ギャンブル (P&G) 1932年
24 TRV トラベラーズ 2009年
25 UNH ユナイテッド・ヘルス 2012年
26 UTX ユナイテッド・テクノロジーズ 1939年
27 V ビザ 2013年
28 VZ ベライゾン・コミュニケーションズ 2004年
29 WMT ウォルマート・ストアーズ 1997年
30 XOM エクソンモービル 1928年

これを見ると、19世紀末(1896年)発祥で120年以上の歴史があるにもかかわらず、2000年以降に組み入れられた銘柄が、すでに10種類、つまり1/3を超えています。

また、1900年以前に組み入れられた銘柄は、さきのゼネラル・エレクトリック社の一社のみです。しかも、このGE社も、一時はダウ採用から外されています。

このようにして見ると、NYダウがどれほど「今の経済指数」として有効性を持ったものであるか、イメージがわきます。

米国、ひいては世界経済を牽引する株価指数として機能させるために、NYダウ採用銘柄はダイナミックに変わり続けているのです。

NYダウ株価の推移

ダイナミックに採用銘柄が見直され、世界経済のバロメーターとして揺るぎない地位を築いたNYダウの「すごさ」は、その株価推移を一見すればわかります。

下記は、1970年頃から通算で見たNYダウ株価の時系列チャートです。

2000年以降のITバブル崩壊や同時多発テロと関連する経済危機、また2008年-09年のサブプライム・ローン経済危機で、極めて大きな株価暴落に襲われていますが、その後いずれも立ち直り、さらにその前の高値を遥かに超える株価に届いています。

なお、これまでにNYダウを襲った暴落のうち最も規模の大きいものが、1987年10月のブラックマンデー、そして2008-09年のサブプライム・ローン危機です。これらの大暴落は世界中に波及し、それ以降深刻な世界経済危機へとつながっています。

しかし、こうして長期チャートで見ると、その下落率を補って余りあるNYダウの勢いは、(少なくとも現在までは)疑う余地がありません。

NYダウを日経平均チャートと比較すると…

日経平均の時系列チャートと比較してみると、NYダウの勢いが、さらに際立ちます。

上図の赤い線が日経平均株価、薄い青がNYダウです。
※2軸チャート

日経平均株価が、1990年代のバブル最高値からバブル崩壊でとんでもない暴落を起こして以降、いまだ立ち直ったとは言えない状況であるのに対し、NYダウは天井知らずとすら思える右肩上がりのチャートを描いています。

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NYダウに投資する方法

NYダウを投資対象として見るならば、上記の時系列チャートの通り、大きな魅力をはらんでいます。

NYダウを活用した投資法として最も有名なのは、ダウ構成銘柄のうち配当率の高いものから順に10銘柄を長期保有する、といういわゆる「ダウの犬」(Dogs of the Dow)投資法でしょう。これは、採用銘柄の配当金(インカムゲイン)に注目した歴史ある投資法です。

一方、上記時系列チャートからうかがい知れるのは、長期保有による値上がり差益(キャピタルゲイン)の大きさです。

NYダウ構成銘柄を複数保有するという方法もなくはありませんが、やはり手を出しやすいのがETFでしょう。

NYダウ連動ETF

NYダウは、経済指標を概観するための「市場平均」としての役割はもちろんですが、それに加えて、多くの個人投資家にとっては、NYダウ株価は、直接資産を投入し取引する金融商品の価格でもあります。

この金融商品とは、インデックスファンド(NYダウと連動する株価の動きを目指して運用される投資信託)を、個別銘柄のようにして取引できるETF(Exchange-Traded Fund:市場取引できる投資信託、といった意)のことです。

インデックスファンドやETFは株価指数算出に用いられる個別銘柄の平均になるため、急激な高騰や暴落は比較的起きにくいものの、市場で得られている平均的な利益を得ることが目的で運用されています。

市場平均、といっても、NYダウを中長期的に見た際のトレンドの勢いは、下手な個別株を凌駕するものと言えます。

このNYダウと連動するETFに投資すれば、手軽にNYダウでのキャピタルゲインを狙うことができます。これは、インカムゲインを狙う「ダウの犬」投資法とは、全く別のものになります。

NYダウ連動ETFとしては、NYダウ・ジョーンズ工業株30(1546)NYダウ・インデックス上場投信(1679)があり、あるいはNN NYダウ・ベア・ドルヘッジETF(2041)といった、NYダウと逆相関の値動きを示すETFも存在します。

長期投資としては通常のETF、また暴落時の短期投資として逆相関ETFを狙うのを頭においておくことで、米国株まわりの投資の方針を立てやすくなるはずです。

いまNYダウを変動させる材料とは?

NYダウが、米経済の勢いを最もダイナミックに反映する株価指数であり、連動ETFや投資信託へ投資することで、わたしたちでも利益を得られるものだ、ということがわかりました。

とはいえ、株価は常にランダムに動いており、下落が続いたり、大暴落が起きたり、というのが短期的・中期的に発生する可能性は、NYダウといえどもけして避けられません。

長期投資・積立投資で大きなリスクを避けられるとはいえ、NYダウの変動要因となる経済イベントを理解しておくことで、ポジション時の株価変動による動揺や、不要なロスを抑制することができます。

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NYダウ変動を占う経済イベント

現在のところ、NYダウにまつわる経済イベントとしては、下記のようなものが材料となるでしょう。

  1. トランプ相場(ダウ上げ)
  2. 税制改革(法人税緩和で業績改善期待→ダウ上げ)
  3. テロ、地政学的リスク(北朝鮮情勢緊迫化など→リスクオフで株売り、ダウ下げ)
  4. ほか米国政治経済イベント:
    1. 巨人企業(Apple、Google..)新製品や新サービス立ち上げ(業績期待→ダウ上げ)
    2. 米景況指数数(GDP、雇用統計、物価指数など)発表(改善→上げ、悪化→下げ)
    3. FRB(政策金利)利上げ(ドル流通引き締めでドル高、株下げ→ダウ下げ)

トランプ相場とNYダウ推移

このところのダウ上げ要因としては、2016年のトランプ就任にまつわるトランプ相場、また2017年秋の米税制改革が比較的大きなものと言えます。

トランプ相場とは、トランプ新政権の経済政策に期待する買い先行が招いた堅調相場です。2016年末の米大統領選からトランプ就任ん直後まではNYダウも高騰、最大上げ幅は1000ドルに近づきました。さらに翌年二月までを見ると、合計上げ幅は2700ドル弱にも及びます。

米税制改革のインパクト

その後トランプ政権の迷走によって「トランプ相場」はひとときなりを潜めていましたが、先頃の米税制改革は投資家たちにとって大きな福音となりました。ダウは急伸、またそれに牽引されて日本国内株も上昇を見せました。

今後の米政権が相場にもたらすもの

大胆な政策は、様々なかたちで経済を刺激し、パフォーマンスを上向かせることがあります。

一見波乱に満ちたトランプ政権ですが、そこにはやはり「大胆な方向転換を行う」という見立てから経済効果に期待が持たれている部分があり、その(良くも悪くも)大胆な行動の可能性が払拭されることがない限りにおいて、(その良し悪しはともかく)米国株価上昇への期待は続くでしょう。

またそれによって、NYダウ続伸の可能性も続くと言えます。

NYダウ大暴落の予兆がある?

一方、続伸するNYダウにはそろそろ暴落が訪れる、との見立ても、市場では強まっています。

こと直近の大暴落としての2008年サブプライム・ローン危機から、今年で10年が経過しており、もういつ暴落が起こってもおかしくない、というテクニカル派も多数見られます。

恐怖指数VIX・PER(株価収益率)と株価暴落

暴落予想に用いられる指数としては、VIX(恐怖指数)、そしてPER(株価収益率)があります。

VIX(Volatility Index、「恐怖指数」とも)は、相場が不安定になると上昇する指数です。暴落相場ではVIXが高まりますが、これが30を超えると暴落が近いと言われています。

また、PER(Price Earnings Rate、株価を年収益or配当で割った数字)が20倍を超えると暴落が起きるとも言われていますが、現在はすでに20倍ほどで推移しています。

過信は禁物、しっかりとした投資方針を持つこと

暴落の日付を予言できる人間は存在しないでしょう。そのため、NYダウの勢いを過信するのは禁物です。とはいえ、NYダウの過去の暴落の歴史を振り返れば、常軌を逸した下げ幅に動じず長期投資を続ければ、過去のどの暴落でも、けっきょく暴落前まで戻し、さらに差益を増大させることができています。

肝心なのはやはり、相場に振り回されず、自分の基準を定めて投資を行うことです。そうすれば、日本株よりも堅調な展開を続けてきたNYダウで、たとえ暴落が起ころうとも、その先でリターンを得ることができるでしょう。

2017年のNYダウ予測

2017年のNYダウは、大枠では続伸を続けています。

トランプの任期中は、上述の経済効果への期待が続き、さらなるNYダウ高値更新が起こると予想するのは難しくありません。
2017年は高値圏から24,000ドルほどが見える展開が考えられます。

ただ、暴落が今年中に来る可能性も、否定はできません。そうなると、10,000ドル前半まで下げる展開も考えられなくはありません。

大筋としては、上昇トレンドとしてNYダウにポジションをとり、市場が連続高値更新に熱狂しだした頃に売り抜ける、というのが王道と言えるでしょう。

地政学リスクなどリスク材料は複数あれど、いずれもNYダウの暴落までつながる展開は少々考えにくく、慎重さは求められても、過度な警戒は必要ない、という見通しです。

 

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