FX初心者マニュアル-誰でもわかるFXの始め方

「FXを始めたい!でもどこから手を付けていいか…」という投資初心者の方に、FXの基礎知識と、低リスクで利益を得るためのキーポイントをかんたんに説明するのが、この「FX初心者マニュアル」です。

FXとは、他の国のお金(外貨)を「安く買って高く売る」ことで利益を得る、といった、外貨取引の手法です。

端的に言うと、「1ドルが90円(ドルが安い)のときにドルを買い」、そのあと「1ドルが110円(ドルが高い)のときにドルを売る」と、「差額20円が儲かる」というのが、FXの仕組みの基本です。

FXを始めたい、でも損をしそうで怖い・・・という投資初心者の方が、安心してFXトレードを始められるよう、この記事を作成しました。

FX口座の開き方から、FXのリスク低減、FX取引での利益の出し方まで、初心者の方でも理解できるように、基礎知識をわかりやすく解説します。

初心者でもわかる「FXとは何か?」

FXとは、「Foreign Exchange」の略称です。日本語では「外国為替証拠金取引」というのが正式名称です。

「外国?為替?証拠金…?」などと、FX初心者には難しい言葉が並んでいますが、その仕組みは、冒頭で示したとおり、外国のお金を売買すること、これだけです。

外国のお金、つまり外貨には、アメリカのドル、ヨーロッパのユーロ、イギリスのポンド、あるいはトルコのリラやブラジルのレアルなど、様々な種類があります。そのどれかを、あなたが自分の銀行口座やお財布の中に持っている日本円で買うことから、FXの取引が始まります。

為替レート

外国のお金をいくらで買えるのかを、「為替レート」と言います。
言ってみれば、外貨の「値段」です。

為替レートは、FX初心者の方でもテレビのニュースや新聞で見たことがあると思います。例えば「今日のドル円レートは110円です」といったものが、その為替レートです。

「ドル円レートは110円」とは、つまり「いま、1ドルは、110円で買えますよ」という意味です。

この場合、

2ドルなら110円×2で220円、
10ドルなら110円×10で1,100円、
1万ドルなら110円×10,000で110万円で買える、

ということになります。
(本当はスプレッドと呼ばれる売買手数料がかかりますが、ここでは初心者の方にもわかりやすいよう、単純化して説明します)

売買益を得る(為替差益)

為替レートは常に変動しており、高いときもあれば安いときもあります。

例えば、今日のドル円レートが111円だったとしても、明日は112円になっているかもしれない、ということです。

そのため、このレートの変動を利用して、利益を狙うことができます。冒頭で示したように、安いときに買って、高いときに売れば、その差額が手に入るのです。(為替差益

FX相場はネット上にある

為替差益を狙う世界中のトレーダーによって、米ドルや日本円は、常に世界中で売買されています。

トレーダーが売買を行っている場所のことを、「市場」あるいは「相場」などと呼びます。

場所といっても、市場のような実際の空間に人が集まって取引をしているわけではありません。現在では、ほとんどすべてのFX取引がインターネット上で電子的に行われています。この点では、初心者の方でも、ベテランの方でも、同様です。

FX口座

この、ネット上にある「FX相場」にあなたが参加する方法は、FX口座をひらくことです。

FX口座とは、自分がFXのお金を売買したり、出し入れしたりするためのものです。貯金に使っている銀行口座と似たようなものです。

ただし、FXの場合は、銀行ではなく、FX業者に口座を開いてもらうことになります。FX業者は、SBI、GMO、外為どっとコム、ヒロセ通商など、初心者の方でもご存知の有名どころを含めたくさん存在しています。

なお、FX口座をひらくのにお金はかかりません。
銀行口座を開くときに料金がかからないのと同じです。

資金

FXで外貨、例えば米ドルを買うには、資金が必要です。

資金とは、あなたが今持っている円(日本円)のことです。これを、FX口座に入金しておけば、その口座の残高を使って、米ドルを買うことができるようになります。

FXというと、特に初心者の方には、多額の取引資金が必要、というイメージがあるかもしれません。しかし現在なら、なんと100円もあれば取引ができてしまいます。

例えばSBI FXなどは、外貨を1通貨(例えば、米ドル1通貨=1ドル)からトレードができます。仮に1ドルの買いレートが100円なら、100円あればドルを買ってFXトレードを始められる、ということです。

取引と通貨

FX取引、というと、何か特別なことをしなければならないように感じますが、実際は、スマホ(あるいはパソコン)で買いたい通貨を指定し、金額を入れてボタンを押すだけで済んでしまいます。

通貨は様々なものを選ぶことができますが、初心者かベテランかを問わず、ほとんどのFXトレーダーが選んでいるのは米ドルです。

したがって、まずFXを始めたいという人は、まず米ドルを選ぶのがよいでしょう。

経験や知識がたまってきたら、豪ドルやユーロ、あるいはマイナーなトルコリラや南アフリカランドといった通貨を選んでもよいかもしれません。しかし、FXといえばやはりなんといっても、「世界の基軸通貨」と呼ばれる米ドルが第一と言えます。

FXの魅力

数ある投資法のうちでも、FX投資を楽しいものにしている魅力は、おおむね次の3つです。

  1. 少ない資金で大きな利益を出せる(レバレッジ)
  2. 景気が悪くても利益を出せる(売りから入る)
  3. 毎日金利を貯められる(スワップポイント)

①少ない資金で大きな利益を出せる(レバレッジ)

FXでは、自分の持ち出すお金を担保(証拠金)にして、より大きなお金をFX業者から借り、そのお金のぶんだけの外貨を買うことができます。
この仕組みをレバレッジといいます。

例えば、ドル円為替レート(=1ドルの値段)が100円のとき、あなたのFX口座に1万円を入れたら、レバレッジの仕組みを使わずに買えるドルは、100ドルまでですね。

しかし、このときレバレッジの仕組みを使うと、口座に入っている1万円の25倍、つまり25万円分のドルを買えるようになります。(レバレッジ25倍)
25万円分ということは、1ドル100円で換算すると、2500ドル買えることになります。

利益も25倍、損失も25倍

買えるドルが増えるということは、利益もそのぶんだけ大きくなります。

単純に、レバレッジ25倍だと、儲け額も25倍になるのです。
これが、FXの魅力的な点の一つです。

ただし、損が出たときの損失額も25倍になることは、よく覚えておく必要があります。そのため、初心者の方に限らず、お金に余裕がないときはレバレッジを安易に大きくしてはいけないというのが、FXにおける常識です。

レバレッジについて詳しく知りたい方は、こちらの記事も読んでみてください。
FX初心者のためのレバレッジ・ロスカット・追証ガイド

②景気が悪くても利益を出せる(売りから入る)

これからFXを始めようという初心者トレーダーの多くは、「ドルが安いときに買い、ドルが高いときに売る」ことで利益を出そうとするでしょう。

とすると、ドルがどんどん高くなっていくとき(=強気相場)なら、誰でも儲けが出せそうですが、ドルがどんどん安くなるとき(=弱気相場)では、誰も儲けられないように思えます。

しかし、そんなときでも、FXなら利益を出すことができます。

その秘密は、「売りから入る」というFXならではの取引方法です。

売りから入る=ドルを借りてきてまず売る

「売りから入る」という取引の流れをかんたんに言うと、

1. FX業者からドルを借り、
2. 借りたドルを高いレートで売って、
3. レートが下落したら買い戻し、
4. 買い戻したドルをFX業者に返して、
5. 残ったお金を収益とする、

というものになります。

例えば、ドル円が110円のときに、1ドルを借りてそれを売り払うと、手元に110円が手に入ります。

しかし、あなたには、借りた1ドルをいずれFX業者に返さなければいけません。

なので、レートが下がるまで待ち、ドル円が100円のときに買い戻して、その1ドルをFX業者に返します。

このとき、110円で売ったものを、100円で買い戻したわけですから、差額の10円が手元に残ります。

なんだか不思議に感じるかもしれませんが、これが「売りから入る」取引のおおまかな流れです。

景気が悪いときを狙って儲ける

このように、売りから入る取引がうまくいけば、ドル円レートが下落していく期間でも、利益を得られるようになります。

なお、ドル円が下落するときというのは、だいたいが、世界の景気が悪くなっているときです。

景気が悪いと安全通貨である円をみんなが欲しがって、円が値上がりしドルが値下がり(=円高・ドル安)します。つまり、1ドルあたりの単価が下がっていくわけです。

このように、景気が悪いと、ドル円レートが値下がりしていくことが増え、買いから入るトレードでは利益が出しにくくなります。しかし、「売りから入る」トレードをマスターすれば、こうした時期でも利益を出せます。これもFXの大きな魅力の一つと言えるでしょう。

③毎日金利を貯められる(スワップポイント)

もう一つのFXの魅力が、一度外貨を買ってしまえば、以降はただ持っているだけで毎日金利が入ってくる、という点です。

この金利のことを、FXではスワップポイントと呼びます。

普通預金金利と比べると、1000倍以上にも

例えばSBI FXで豪ドルを1万通貨買うと、それを保有している間、毎日あなたの口座に35円が入金されます。これがスワップポイントです。(SBI FX公式サイト参照、2018円12月12日調べ、以下同)

これが一年となると、仮にスワップポイントが変わらない場合、35円×365日=1万2775円が年間の収入となります。
1万豪ドルは現在80万円程度ですから、この仮計算した値では年利は約1.6%となります。

さて、初心者の方なら、「日本で銀行に円を預けても利息がもらえるのでは?」と思うかもしれません。
しかし、今の日本は超低金利です。例えば現在のゆうちょ銀行なら、普通預金金利はなんと0.001%です。

これに比べると、豪ドルのFXスワップポイントは、なんとゆうちょ銀行普通預金の1600倍ということになります。これも、FXの大きな魅力と言えます。

スワップポイントについて詳しく知りたい方は、こちらの記事も読んでみてください。
FXで「スワップポイント」狙いのラクラク投資は可能か

FXの必須知識

さて、FXには、覚えておかなければならないいくつかの「きまり」があります。

といっても、覚えておかなければいけない必須の知識はそれほど多くはありません。初心者が悩みがちないくつかの「きまり」について説明します。

取引コスト(スプレッド)

FXでは、取引をするたびに、一方的に出ていくコストが2つ存在します。
1つは「取引手数料」で、もう1つは「スプレッド」です。

取引手数料

まず取引手数料について説明します。

こちらは単純に、売ったり買ったりするたびに、FX業者に決められたお金を支払わなければいけない仕組みのことです。

といっても、ちかごろは、FXで通貨を売買する際に、とくに手数料を払わなくてもいいFX業者が多くなってきました。(※まだ売買手数料が必要な業者もあります)

スプレッド

つづいてスプレッドについて説明します。

初心者の方の場合、この「スプレッド」という言葉を初めて聞くという方が多いと思います。

これは、一言でいうと「通貨の売値と買値の差」のことをいいます。

例えば、Yahoo!ファイナンスや外為オンラインといったFX業者のサイトでドル円レートを調べると、「Bid(売値)」と「買値(Ask)」という見出しで、レートが2つ乗っていることがあります。

スプレッドは売買の差額

例えば

米ドル円
Bid(売値) 110.091
Ask(買値) 110.094

といった具合です。

これによれば、あなたが1ドルを買って(110.094円)、直後に売った(110.091円)場合、110.094円払って110.091円戻ってくることになります。

つまり、ただ1ドルを買ってすぐ売るだけで、差額の0.003円が手元から減ってしまうことになります。

この例でいう、0.003円の差額が、すなわちスプレッドです。

スプレッドはFX業者の収入になる

あなたの手元から出ていったスプレッドがどこに行くかというと、FX業者のふところに入ります。

つまり、FX業者は、通貨取引のなかだちをする代わりに、スプレッドを設定して差額を徴収することで、事実上の手数料収入を得ているのです。

なお、スプレッドはFX業者が独自に決めているため、業者によって金額の幅は変わってきます。

スプレッドの小さい業者を探す

「ただ買って売るだけでちょっぴり損するなんて、なんだかもったいないな・・・」と思うかもしれませんが、スプレッドがなければFX業者も存在できず、私達トレーダーも取引できなくなってしまうので、スプレッドの存在はやむを得ないものです。

とはいえ、私達トレーダーにしてみれば、スプレッドはコストにほかならず、できるだけ少なく済ませたいものです。

そこで、業者ごとのスプレッドを調べて比べ、できるだけ安いところにすると、取引コストを小さく抑えることができます。

有名どころであれば、法外なスプレッドを取っているような業者は少ないはずですが、初心者の方が口座をつくる際は、事前にドル円スプレッドだけでも調べておいてもいいかもしれません。

スプレッドについて詳しく知りたい方は、こちらの記事も読んでみてください。
初心者でも効率よく利益を出す!「スプレッド」マルトク知識

通貨単位

FXでは、FX業者ごとに「通貨単位」というものが決まっています。
FXでは、その通貨単位きざみの数量でないと、売買取引ができません。

通貨単位刻みで取引をする

例えば、ある業者におけるドル円FXの通貨単位が1000通貨だったとします。
この場合は、1000刻みの数量でないと売買できません。つまり、最小でも1000ドルからで、その次が2000ドル、3000ドル…と1000ドル刻みで売ったり買ったりできることになります。

あるいは1万通貨なら1万ドル刻み、100通貨なら100刻みとなります。業者によっては通貨単位が1通貨というところもあり、こういうところなら1ドルでも2ドルでも取引できます。

通貨単位が大きい=運用金額が大きくなる

取引単位が大きいほど、当然、取り扱わなければならない金額も大きくなります。

例えばドル円が1万通貨単位の業者では1万ドルからで、1ドル110円なら110万円のお金を動かすことになります。

もちろん、先に述べたレバレッジという方法を使えば、たとえば10倍レバレッジで11万円(11万×10倍=110万円)の資金で1万ドルを動かすこともできます。しかしそれでも、動いているお金が大きな額であることは変わりません。

初心者なら通貨単位の小さい業者で始めてもよい

したがって、初心者ならまずは、通貨単位が1000通貨か100通貨などと少ない業者でFXを始めるのがよいでしょう。

FX口座はいくつ作ってもほとんどの場合無料なので、例えば100通貨単位の取引で慣れてきてから、より大きな通貨単位だが求めるサービスがあるFX業者に口座を作り、そちらで運用してみる、といったこともできます。

初心者でもOK!FXをはじめよう

このように、大きな魅力を持ったFXトレードですが、初心者の方が思うよりずっとかんたんに始められ、少額な資金から始められることから、実際にFXを始める人は増加傾向にあると言われます。

そして、増加するFXトレーダーの要望に応えるかたちで、国内FX業者のサービスもどんどん進化してきています。

そのため、FXの魅力は日に日に増してきているといってもよいでしょう。

ただし、もちろん、FXを含むすべての投資は、リスクもはらんでいます。

そうしたリスクをよく知り、うまく対策する(=リスクを回避する)ことで、あなたもFXで利益を出せるようになるはずです。

よりくわしい初心者向け記事はこちら

以下に紹介する各記事では、FX取引に必要な基礎知識と、利益を出すためにどのような手段があるのか、どんなリスクがあってどんな考え方が必要なのかを、この記事よりもさらに掘り下げつつ、初心者にもわかるように簡単に説明しています。

初めてFXトレードを行う人にも、いくらか経験をつけてきて基礎知識をおさらいしたい人も、折りに触れ読んでみるとよいでしょう。

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