10月25日 7-9月期の四半期決算が発表
本日の日経平均は200円超の下げとなっております。
その中でソフトバンクグループは、日経平均の銘柄中で上昇寄与度で1位となっております。
以前買収したアメリカの携帯会社のスプリントの決算が好感触だったためソフトバンクも上昇しております。
こちらを詳しく見ていきましょう。
米スプリント決算でスプリント株が28%上昇
アメリカのスプリントが、7月25日四半期の決算を発表しました。
収益に占める割合が大きい後払い契約が17万3000人増と市場予想の7万2200人増を大きく上回ったことが好感されて、スプリント株価がニューヨーク市場で28%高で取引が終わりました。
アメリカの携帯電話の契約は、前払いのプリペイド形式と後払いのポストペイド形式の2種類があります。
前払い=旅行者や学生、定職のない居住者など
後払い=アメリカ居住者向け
アメリカでは、前払いのプリペイド形式がとても多いですが、クレジット審査が通らない人たちが使っているケースも多いので、毎月の収益としては、不安定になっています。
後払いは、クレジット審査がありますので、定職があるアメリカ居住者向けですので、安定した毎月の収益に結びついいやすく、携帯会社の利益になりやすい契約形態です。
この利益になりやすい後払い契約者が増えることが今後の携帯会社の安定した収益につながるのです。
スプリントは、この後払い契約が市場予想の7万2200人増を大きく上回ったことで、今後の利益が改善されると思われ、株価が上昇したものと思われます。
○スプリントの2016年4月~6月四半期決算と1月~3月四半期決算比較
決算 | 前四半期 | 前四半期比 | |
---|---|---|---|
後払い契約 | 17万3千人増 | 5万6千人増 | 309% |
売上 | 80億1200万ドル | 80億7100万ドル | 99% |
営業利益 | 3億6100万ドル | 800万ドル | 4513% |
税引き後純利益 | −3億200万ドル | −5億5400万ドル | 55% |
税引き後純利益が赤字ですが、卸売り関連契約の終了の費用が1億ドルほど計上されていますので、割り引いて考える必要があります。
前四半期を比べると数値的には改善しており、立て直してきているのではないかと思われます。
スプリント決算で株価上昇を受け、ソフトバンクグループも本日株価上昇
英半導体大手のアーム・ホールディングスの巨額買収は、長期的には、ソフトバンクの収益に利すると思われるが、短期的には、買収費用の有利子負債の大きさから株価上昇が限定的と言われている。
昨日の下落幅を取り戻しています。
しかし株価は、上昇基調とはいかなく、ほとんど変わらない額で推移しました。
ソフトバンクグループの孫正義社長は、英国を訪問して、メイ英首相と会談して、アーム社の人員を5年で倍増させることや本社をそのままケンブリッジに置き続けることなどを話し、好感触を得たと言っていました。
その時に一緒にいたアーム・ホールディングスの会長が、かつて日本板硝子の社長を務めたスチュアート・チェンバース会長でした。
スチュアート・チェンバース会長は、かつて英国のピルキントンでCEOを務め、日本板硝子の買収時に活躍し、その後、買収した会社の日本板硝子の社長を務めた人ですので、もしかするとその時に孫社長とのパイプもできていたのかもしれません。
中長期的には、スプリントの経営も2017年には黒字化する予想ですし、アーム社の買収もシナジー効果を発揮する場面が出てきそうですので、今後のソフトバンクの株価は面白い展開になりそうな予感です。