スイングトレードとは、二日~二週間という短期間に取引を行い、その売買差益で利益を得ようとする投資方法です。
とくに、個人投資家の多数を占める兼業投資家、つまり会社員など本業が別にある投資家の場合は、スイングトレードを行っている割合が多くなります。
この記事では、スイングトレードとはどんな投資方法で、どんなことに気をつけるべきか、どんな人に向いているのか、などを解説し、今すぐスイングトレードを始められる知識を身につけることができます。
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スイングトレードは一般的な投資家にぴったり
一般的な個人投資家で最も多いのが、このスイングトレードではないでしょうか。
というのも、株式市場が開いており活発に株価が動く日中に、ずっと値動きをチェックしておく必要がないからです。
例えば、(2日以上の期間で取引を行うスイングトレードとは異なり、)1日の間に取引を済ませるデイトレードや、少しでも値段が上がったらその瞬間に売ってしまうスカルピングといった手法だと、市場が開いている日中に、板情報に張り付いていなければなりません。
市場が開いている時間というのは、平日の朝九時から十一時半まで(前場)、そして十二時半から十五時まで(後場)となっていますが、おそらく一般的な個人投資家のほとんど、つまり会社員の方々は、この時間には本業で忙しいはずです。
こうした個人投資家には、デイトレードやスカルピングは向いていないのです。
一方、スイングトレードであれば、日中ひんぱんに板情報に張り付いている必要はありません。
また、株価の動きに張り付いている必要がないということは、細かい時間単位での値動きに一喜一憂する必要がなくなるということでもあります。それよりも大きな株価の動きをとらえていればスイングトレードはできるため、心理的負担もデイトレやスカルピングよりずうっと軽くなります。
つまり、短期投資という中で言うなら、一般的な個人投資家が比較的無理なく取り組める投資手法がスイングトレードだというわけです。
スイングトレードで大切な二つのこと
スイングトレードで利益を出すには、次の二つが重要と言えます。
- 株価チャートから上昇銘柄・下降銘柄を読み取る力・経験
- 利益確定と損切りをてきぱき実行する力
チャートを読み取る力
短期間で売買を済ませるスイングトレードでは、例えば企業の業績分析や成長性といった、中長期的な銘柄評価があまり役立たないと言われています。(こうした分析はファンダメンタル分析といいます)
それよりも、チャートの動きやそれまでの株価動向データをもとに、どの銘柄がいつ買い時(売り時)かを、すばやく判断する力が必要です。こうした分析のことをテクニカル分析と呼びます。
といっても、ただチャートを眺めているだけでは、テクニカル分析が上手くなったりはしません。まずは自分が目をつけた銘柄が実際に上昇もしくは下降するか、予測を立ててみましょう。最初は外れても、経験が溜まると予測精度が高まり、「チャートを読み取る力」が身についていきます。
これが身につけば、スイングトレードはある意味かんたんです。
チャートに明確なトレンドが出たとき、それが上昇なら買い、下降なら空売りするのです。
トレンドを見るには様々なチャート分析手法がありますが、例えば25日移動平均線が右肩上がりなら上昇だから買い、右肩下がりなら下落だから売り、とおおよそでとらえてもよいでしょう。慣れてきて連動銘柄(他の銘柄と同じような値動きをすること)が見えてきたら、その中で遅れて動きそうなものを狙うのも手です。
利益確定と損切りをてきぱき行う力
もうひとつ、スイングトレードで重要なのが、欲張りすぎずに利益確定し、過ちを引きずらず損切りする、つまり、てきぱきと取引を進める決断力です。
スイングトレードでは、あなたが最も期待する複数の銘柄を保有し、期待した利益が出たら確定(売り)、期待が外れたら損切り(売り)、を淡々とこなしていくことが、最も効率的に資金を運用するために重要なこととなります。
例えば
「これ以上利益が出たら利益確定だ」
「これ以下まで損が出たら損切りだ」
と、自分が行動する基準をしっかり定めておくのが、スイングトレードでうまくいくためのひとつの方法でしょう。例えば「20%以上の利益で確定、-10%なら損切り」などときっちり決めて運用するのもよいかもしれません。
そうせずに、例えば
「この銘柄は、もっともっと上がるはずだ。保有しておこう。」
「損が出ているが、この銘柄ならしばらく待てば戻るはずだ。売りは待とう。」
などと、自分のカンを信頼しすぎたり、銘柄に過度に期待したりすると、銘柄を手放せずに損を出す可能性があります。いわば「保有リスク」 を高めてしまうケースです。
スイングトレードにおける売買行為は、おおまかに利益確定と損切りに分けられます。しかし、値動きが横ばいに推移し大きく振れないときなど、こうした保有リスクは高まります。
仮に値動きがはっきりしなかったとしても、二日間なり一週間なり、適切な期間を設定して、そこできっぱり判断し、たとえば値動きのない銘柄は他に乗り換えるといった決断を下すのが、スイングトレードで利益を出していくコツになります。
スイングトレードとはいわば「保有銘柄を利益の出る銘柄へどんどん入れ替えていく」という手法です。迷わず損切りや値動きのない銘柄の見限りができるようになったら、はじめてスイングトレードの経験値がついてきたと言えるかもしれません。
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ポイントを押さえれば利益を出せるスイングトレード
会社員など一般的な個人投資家に向いているといわれるスイングトレードですが、余った時間を利用してのんびり運用できるかというと、そういうわけではありません。
むしろ、チャートを見て値動きを分析し、値動きに対する自分なりの判断力や相場観を養うことや、利益確定もしくは損切りの判断をスピーディにこなして銘柄を入れ替えていくことも必要で、それなりの労力を費やさなければスイングトレードで利益は出せない、とも言えるでしょう。
それでも、板情報に張り付いている必要があるデイトレードやスカルピングに比べると、スイングトレードは一般的な投資家に向いており、ポイントさえ押さえれば、誰にでも利益を出せる投資法なのは確かです。
なお、スイングトレードを進めるには、条件付き注文(指値/逆指値注文)といって、指定した株価以上もしくは以下になったら取引を行う注文で、しっかりと利益を取っていく必要があります。スイングトレードには、この両方ができる証券会社を選ぶよう気をつけて下さい。