【アノマリー】「10月株安」は本当? /日経平均株価で検証してみた

10月には株価が下がる、という「10月株安」もしくは「10月効果」と呼ばれるアノマリーがあります。

主に米株式市場の歴史が起源となった格言のようなものですが、はたして国内株には当てはまるのでしょうか?今世紀に入ってからの日経平均株価データで、実際に調査してみました。

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いまだ判断材料とされる「10月株安」アノマリー

アノマリーというのは「曜日や月などによって、株価が上がったり、あるいは下がったりする」という、投資にまつわる格言のようなものです。

夏枯れ相場彼岸底といった「こういうタイミングでは下げる」というアノマリーもあれば、節分天井とか月初め効果(TOM効果)といった「こういうときは上げる」というアノマリーもあります。

すべてのアノマリーに、必ずしも統計的な根拠があるかというと、そういうわけではありません。むしろ、何らかの逸話が元になっているものも多くあります。
とはいえ、投資家の肌感覚で納得がいくようなアノマリーは、いまでも、多くの投資家の判断材料として役立てられています。

こうしたアノマリーの中でも特によく知られるものの一つが、10月効果(オクトーバー・エフェクト/10月株安)です。

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10月効果/10月株安とは

10月効果は、10月には株価が大幅に下げる、というアノマリーです。
いまでもまことしやかに語られる、多くの投資家に知られるアノマリーと言えます。

起源は世界恐慌とブラックマンデー

10月効果は、歴史上きわめて大きな金融危機が10月に起きていたことが起源となっています。その大きな金融危機とは、「ウォール街大暴落(世界恐慌)」と「ブラックマンデー」の二つです。

1929年10月に起きたウォール街大暴落(世界恐慌)は、世界史で勉強した記憶がある方も多いでしょう。
1928年にアメリカの株価は急激に上昇し始め、その後1929年9月にピークを迎えたあと、同年10月に最初の大暴落を起こしました。
このウォール街大暴落からまもなく、1930年ころには世界恐慌が始まります。NYダウは1932年7月まで下落、41.2という史上最安値をつけました。これは最高値から89%もの下落率となっていました。

もう一つの10月大暴落が、1987年10月のブラックマンデーです。
こちらと関連して起こった世界不況は、世界恐慌よりはずっと短かったものの、1日あたりの下落率が22.6%(NYダウ 1987年10月19日)というのは、単日では10%前後であったウォール街大暴落時の下落幅を、遥かに超える値でした。

サブプライムローン:もう一つ加わった10月効果の「根拠」

20世紀にはすでに存在していた10月効果アノマリーですが、21世紀に入って、もう一つの「根拠」が加わりました。サブプライム・ローン金融危機(リーマン・ショック)です。

さきの2つとは異なり、こちらの金融危機を自分で経験、あるいは「目撃」した人は多いでしょう。主に米国の低所得者層向け住宅ローンにまつわる金融危機に端を発したこの世界金融不安では、2007年10月に米株価下落が始まり、翌2008年10月6日頃からNYダウが大暴落を始めます。

日経平均株価も例外ではなく、2007年9月には16785円だった株価が同年10月から下がり出し、やはり2008年10月6日ころから大暴落開始、同年10月27日には7162円をつけました。前年9月と比べると、なんと-57%もの下落幅となります。

サブプライム・ローン危機では、下落トレンドの開始(2007年10月)と、大暴落の発生(2008年10月)という、二つの節目が10月に起こっているのが特徴的です。

史実だけではない、10月株安説の根拠

こうした史実のほかにも、10月株安アノマリーを支えるのが、企業の一般的な決算サイクルです。

日本では、1期が4月から始まる企業が多く、10月は上半期決算月にあたります。また、欧米では1月始まりが多いものの、9月が3Q決算、10月は売り一巡直後の4Q頭となります。

こうした決算まわりの月では、利確意図での売りの圧力が大きくなりやすく、それを受けて株安となりやすいのです。こうした決算サイクルも、10月効果/10月株安アノマリーを支持するもうひとつの根拠となっています。

日経平均株価で「10月株安」を検証してみよう

では、10月株安は日経平均株価にも一般的にあてはまるものなのでしょうか?2000年に入ってからの月次データを元に、10月が本当に株安になるのか、確かめてみました。

1. 先月比の下落幅を調べる

まずは素直に、前月と比較した場合の平均下落幅を、各月で比べてみました。
その結果が次の図です。

これによれば、一年12ヶ月のなかで下げ幅平均が最も大きいのは、5月(平均 -848.4円)となっており、10月(-640.9円)の下落幅は、下から数えて5番目にすぎません。

ということは、日経平均に限っては、10月株安はただの迷信なのでしょうか?

調査2. 二ヶ月前と比べた下落幅を調べる

ここで一つ気になったのは、実は9月も「彼岸底」として知られる株安時期であるということです。
一般に、9月にはすでに下落が始まっているとすれば、9月と10月を比べても、下げ幅はさして差はないのでは、とも考えられます。

それよりも、下落が始まるより前である8月と10月と比べた方が、10月株安を確かめるための優位なデータが出るかもしれません。

ということで、今度は「二ヶ月前と比べた場合」の年間12ヶ月の各下落幅を比べてみました。
その結果が次の表です。

このように、下げ幅は-1,485円、さらに下落率は唯10%超えの -11.5% と、二ヶ月前と比較での下げ幅平均は、10月が最も大きいことがわかりました。

「10月株安」は9月の「彼岸底」から地続きの現象か

今回の検証結果(2000年以降の日経平均株価)によれば、10月効果は、その前月である九月の株安(彼岸底)と連続したものと見るのがよさそうです。

おそらくは、「八月株高」と言うように、8月は株高に振れ、そこから9月に比較的大きく急落、さらに戻りきらずに10月も下落、といった流れが、一般的なのではないかと考えられます。

株安というからには、10月は買いの時期とも言われます。10月に買い、1-2月に売り、というのも一般的です。
今後の日経平均株価は、月次や年次でのAI予想を見ることもできます。→こちらから

 

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