個人投資とは/投資の必要性 – 「ウォール街のランダム・ウォーカー」入門(第一章前半)

現在は、多くの人が個人で株式投資にチャレンジし、成果を出しています。
しかし、なかなか成果が出せない個人投資家も少なくありません。
そういう人の多くが、次のような思い込みを持っています。

「投資は結局プロがやるもの、個人ではうまくいかないのでは?」
「難しい理論を知らないと、株式投資で成果を出せなそう…」
「個人投資はハイリスクで、ギャンブルのようなものだ」

しかし、事実は全くの逆です。

株式投資とは、

プロじゃなくても、
難しい理論を使わなくても、
確実に資産(=お金)を増やすことができるもの、

つまり、誰にでも成果が出せるものなのです。

それをわかりやすく説明するのが、名著「ウォール街のランダム・ウォーカー」(バートン・マルキール著)です。

本記事ではまず、とくに重要な第一章の内容、つまり「個人投資とは何か」「投資の必要性」について解説します。

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個人投資家が成果を上げるための実践的アドバイス本

本書は、「個人投資家がプロ以上の成果を出す」ための、投資チャンスや投資戦略についての実践的アドバイスを記した、いわば株式投資ガイドブックです。

40年以上のロングセラー、だけど中身は最先端

本書は、1973年発売の初版から以後、時代の変化に合わせ改版が出され、内容を刷新してきました。

現在はすでに第12版(日本語翻訳版は第11版が最新、2017年5月時点)を数え、内容も最新のトピックが十分に織り込まれています。

もっとわかりやすく学ぶ!

本の内容は、初心者からベテランまで「すべての個人投資家に役立つ」ものなのですが、難点は「長い」こと、そして「わかりづらい」ことです。

原著はアメリカで出版されたものであり、いかにうまく翻訳しても普通の日本人にはどうしても読みにくくなってしまいます。

そこで本記事では、本書の内容をできるだけかんたんに、誰にでもわかるように、説明しようと思います。まずは、本書の冒頭に書かれた「投資とは何か」「個人投資とは何か」について見てみましょう。

「個人投資」=「安定的に利益を得る手段」

株式投資は、方法次第ではかなり堅実にリターンを得られるものです。

むしろ、リターンの確度が低いものは「投資と呼べない」と、本書は言います。

「投資」と「投機」の違い

安定したリターンが得られる「投資」に対し、リターンが安定せずギャンブル性の高いものは「投機」と呼ばれます。

どちらも株取引であることは同じですが、リターンの安定性と、目的(儲け)のとらえかたという2点で、投資と投機は全く異なっています。

名称内容
投資・数年~数十年間の持続的な利益を期待する
・リターンが確実
投機・二~三週間や一日で大儲けを狙う
・リターンの確実さは低い

「個人投資」=「ゆっくり確実にお金持ちになる」方法

このうち、本書がガイドしているのは「投資」のほうです。
いちかばちかの大儲けを狙う「投機」ではなく、長期にわたって確実なリターンを稼ぎ続けられるのが、投資の特長であり、本質なのです。

しかも本書は、プロや機関投資家ではなく、あなたのような個人投資家をターゲットに、投資(個人投資)の手引きをしてくれています。

つまり本書は、「あなた(=個人投資家)が、ゆっくり、しかし確実にお金持ちになる方法」を教えてくれる本なのです。

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ランダムに動く株価で、確実にお金を増やすには

プロでも個人でも、株価が明日上がるか下がるかを正確に予測することは、絶対にできません。なぜなら、株価とは必ず「ランダム」に動き続けるものだからです。

そんな、「ランダムに、うろうろと歩く」株価のようすから、本書は「ランダム・ウォーカー」と名づけられています。

値動きがランダムなために、株取引=ギャンブル(=投機)と思っている人は、たくさんいます。しかし、適切な方法さえとれば、その株運用は、確実に儲けを出せる「投資」となります。

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投資の必要性/「緩やかなインフレ」との関係

本書は、すべての人に役立つ本です。

なぜなら、私たちすべての人には「将来に向けお金を増やしていく必要性」があるからです。

緩やかなインフレで上がり続ける「モノの値段」

経済は、長期的には、緩やかなインフレ傾向、つまりモノが値上がりしていく傾向にあります。

仮に毎年3.0%ずつ値上がりするとすれば、今1,000万円で買えるマンションが、30年後には2,356万円出さないと買えなくなる、ということになります。
(1000万円×103%×103%×…=2356万円)

あなたがマンションを買おうとして1000万円貯めているとします。

今買える1,000万円のマンションがあっても、上記のペースでインフレが続いた場合、30年後には2,356万円、つまり2倍以上のお金を出さないと、同じクオリティのマンションを買えなくなります。

これがインフレによる「モノの値上がり」のイメージです。

インフレ傾向に沿って確実にお金を増やす方法=投資

インフレ傾向が穏やかに続くなか、私たちは、少しずつでいいから確実に、将来に向けてお金を増やしていく方法を見つけなければいけません。

そして、その有効な方法として、誰にでもできるのが「投資」なのです。

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第一章前半まとめ:あなたが「ゆっくり確実にお金持ちになる」方法

私たちには、自分の資産を、少しずつでいいから確実に、将来へ向けて増やしていく必要があります。
なぜなら、社会全体が常に、緩やかなインフレを続けているからです。

そのために最適な方法が、株式投資です。

株価というものは必ずランダムに値動きするため、誰にも未来の株価を予測することはできません。しかしそれでも、確実に利益を出すための方法はあります。

それを理解しないまま株取引を行うのは、ギャンブル性の高い「投機」にほかなりません。一方、投資」を行うことさえできれば、プロか個人投資家かには全く関係なく、資産をゆっくりと確実に増やすことができるのです。

「ゆっくり確実にお金持ちになる方法」の第一歩

ここまで読んでくれた方は、もう「ウォール街のランダム・ウォーカー」の導入部を理解し、本書で語られる「ゆっくり確実にお金持ちになる」方法へと一歩踏み込んだ、と言えます。

次の記事では、本書の冒頭に続いて説明される「株価予想の基本的な方法二つ(「ファンダメンタル価値」理論と「砂上の楼閣」理論)」を、誰にでもわかるように説明します。

 

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