5日のドル円は、米長期金利の高値圏推移を支えにドル買いが強まり、108.01まで上昇しなお強含み。今後もドル円は堅調地合い継続か。
なお前回配信のドル円有料レポートでは米長期金利の再上昇がドル高につながるとした円安予想 (↑) を掲載し、こちらが的中しています。
パウエル発言に安心感 年内110円の声も
パウエルFRB議長は昨日4日、米の経済会合で講演を行い、「ワクチン接種拡大や財政支援によって、雇用や物価が進展する」との見解を示しました。
さらに、市場が警戒していた米長期金利の上昇抑制については言及せず、市場では安心感から米長期金利が1.55%まで上伸、これを支えにドル買いが一段と強まりました。
ドル円は2020年7月以来の108円台で上昇一服となりましたが、強含みの地合いは継続。さらにアナリストからは「米長期金利が今年中に2.0%到達で、ドル円は110円を達成する」との見方も出ており、ドル円の上値余地が一段と拡大している状況です。
こうしたなか今夜には米・2月雇用統計の発表が控えており、こちらの結果次第では、ドル円レートが108円も上放れて一段高とな可能性があります。
テクニカル的にも上昇モメンタム強い
先月2月末以降、200日移動平均線や一目転換線といった重要節目を上抜けたドル円チャートは、テクニカル的にも上昇トレンドが鮮明化。昨日4日もボリンジャー雲上限を上放れる展開を示しており、上昇モメンタムの強さが示されています。
このところの上昇局面で、すでにこの上の水準には特段の上値抵抗帯(レジスタンス)が存在しない状況。来週にかけても、米経済指標やコロナワクチン拡大といった報道に反応しつつ、次の心理的節目となる109円を目指す展開がつづきそうです。
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ドル円予想トピックス サマリー
【ドル高/円安材料】
・米長期金利が再上昇 (↑)
・FRBが米景気回復傾向を正当化 (↑)
・米ワクチン接種の拡大 (↑)
・一部では4月FOMCでの利上げ観測も (↑)
・上値抵抗帯解消でテクニカル的に地合いの強さ (↑)
【ドル安/円高材料】
・米FRBによる米長期金利高抑制の思惑 (↓)
・米インフレ見通しによる高債務懸念 (↓)
・米の低金利政策長期化観測の確認 (↓)