米国株式市場は、長期的に見て高いパフォーマンスを示していることから投資対象として高い人気があります。また、新NISAから米国株の購入が可能になったことでも注目される要因となっているようです。
実際、米国株投資をする際に気になるのが日本株との違いです。日本株は通常100株単位での購入が基本となっていますが、米国株は1株単位で購入可能です。
本記事では米国株投資を始めるときに気になる、購入方法や取引手数料、海外投資のリスク、注意点など紹介します。
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このページの目次
米国株と日本株の取引の違い
米国株と日本株の取引にはいくつかの重要な違いがあります。
日本株 | 米国株 | |
---|---|---|
取引単位 | 100株〜 | 1株〜 |
取引時間(日本時間) | 9:00〜11:30 12:30〜15:30 | 冬時間:23:30〜6:00 夏時間:22:30〜5:00 |
値幅制限 | あり(ストップ高・ストップ安) | なし |
配当と株主還元 | 年1〜2回、株主優待制度あり | 年4回、株主優待はない |
税制 | 20.315% | 売却益:なし 配当・分配金:10% |
取引単位
日本株は100株単位での売買が基本となっていますが、米国株は1株から購入可能です。そのため、少額から分散投資がしやすいのが特徴です。
取引時間
米国株の立会時間は日本時間(夏時間)で22:30〜翌朝5:00となります。最近はネット証券での取引が主流のため、リアルタイムに売買が可能です。日本の祝日も取引が可能なことと、米国の祝日があることにも注意したいところです。
値幅制限
米国株式市場には、日本のような個別銘柄に対する値幅制限(ストップ高・ストップ安)は存在しません。
米国市場では流動性を重視し、どのような状況でも売買の機械を提供することを目的としているためです。しかし、市場全体の急激な変動に対してはサーキットブレーカー制度という取引を一時停止する仕組みがあります。
サーキットブレーカーではS&P500指数が前日終値から一定の割合(7%、13%、20%)で急落した場合に取引を一定時間停止します。
配当と株主還元
米国企業は通常、年に4回(四半期ごと)に配当金を支払います。これは投資家が定期的に配当を受け取ることができ、安定したキャッシュフローを得ることを意味しています。
一方、日本企業は通常、年に1回もしくは2回配当金を支払いますが、米国企業と比較すると頻度が少ないです。
株主還元は、日本企業では配当よりも株主優待制度を通じた還元が一般的ですが、米国企業は自社株買いを積極的に行っています。自社株買いは市場に出回る株式数が減少するため、EPS(1株あたり利益)やROE(自己資本利益率)を高める効果があります。これにより企業価値の向上が期待されます。
税制
米国株の配当には「二重課税」が適用されます。これは米国内で10%課税された後、日本でも20.315%課税されるため、実質的な手取り額が減少します。ただし、外国税額控除を利用することで一部の税負担を軽減することが可能です。
外国税額控除は日本国内と米国での二重課税に対する控除のため、NISAでは国内の課税がないため適用できないことは注意しましょう。
米国株の購入方法
米国株はネット証券会社を通じて購入可能です。
以下の画面は、楽天証券ですが他の証券会社も同じ流れとなりますので参考にしてみてください。
証券会社にログインして、「外国株式」もしくは「米国株」のページへ移動します。
ティッカーシンボル(アップルはAAPLなど)や会社名で検索します。
購入はドル建てで行われ、為替レートに基づいて円換算されます。口座区分より、特別(一般)口座で購入するか、NISA成長投資枠を利用するか選択可能です。
日本円から米ドルへの為替取引を行い、米ドルを保有することでドル資金から購入することも可能。
米国株の取引手数料
NISA取引では手数料はかかりません。NISA以外の米国株取引手数料は証券会社によって異なります。
以下は主要ネット証券会社の米国株手数料です。
証券会社 | 米国株手数料(率) | 上限手数料 | 最低手数料 0米ドルになる 約定代金 |
---|---|---|---|
SBI証券 | 0.495% | 22米ドル | 2.02米ドル |
楽天証券 | 2.22米ドル | ||
マネックス証券 | 1.1010米ドル | ||
松井証券 | 2.22米ドル | ||
auカブコム証券 | 2.22米ドル | ||
moomoo証券 | 0.132% | 22米ドル | 12.5米ドル |
手数料の小数点の処理は証券会社によって異なりますが、基本は 約定代金 × 手数料率 = 手数料となっています。
手数料の上限が決まっていて、最低手数料になる約定代金未満であれば取引手数料が無料となります。
手数料引用元:SBI証券、楽天証券、マネックス証券、松井証券、auカブコム証券、moomoo証券
米国株の為替リスク
米国株は米ドルで取引されるため、円とドルの為替相場の変動が投資結果に影響を与えます。円安時には利益が増える可能性がありますが、円高時には損失が発生することもあることに注意する必要があります。
為替リスクを軽減するために、為替ヘッジを利用しリスクを回避することも可能です。
米国株の配当
米国株は年4回(四半期ごと)に配当を支払う企業が多いです。また、50年以上の連続増配企業も多く存在しています。
配当はドル建てで支払われ、円換算されます。再投資することで、複利効果を得ることができます。
連続増配年数 ランキング/米国株
https://nikkeiyosoku.com/stock_us/ranking_inc/
米国株の人気銘柄
配当利回り、株価は8/28時点、円換算は144.61円/ドルで計算。手数料などは考慮していません。
アップル(AAPL)
PC、携帯情報端末などを設計、生産、販売。
マイクロソフト(MSFT)
PC向けOS「Windows」とビジネス向けソフトウェア「Office」で圧倒的シェアを誇る。
アマゾン(AMZN)
米国をはじめ世界各国にECサイト(アマゾン・ドット・コム)を展開。
コカ・コーラ(KO)
世界約200カ国でノンアルコール飲料を製造・事業展開。
ジョンソン・エンド・ジョンソン(JNJ)
世界各地で医薬品や医療機器などの開発・生産・販売。
エクソンモービル(XOM)
石油メジャーの一角で、米石油王ジョン・ロックフェラーが設立したスタンダード・オイル社が前身。
テスラ(TSLA)
シリコンバレーのエンジニアが設立したEV(電気自動車)メーカー。
エヌビディア(NVDA)
画像処理用のGPU(グラフィックス・プロセッシング・ユニット)を開発し、主にゲーム向けやデータセンター向けとして製造・販売。
マクドナルド(MCD)
ファストフードチェーン「マクドナルド」を展開。
まとめ
本記事では米国株投資を始めるときに気になる、購入方法や取引手数料、海外投資のリスク、注意点など紹介しました。
米国株投資はよく知る有名企業に少ない資金で投資ができるというメリットがあります。リスクを十分に理解し、適切な対策を講じることで、米国株投資の魅力を最大限に活かすことができるでしょう。
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