元FRB議長のグリーンスパン氏が、現在は債券バブルであり、債券バブル崩壊で全金融商品に影響が出るだろうとインタビューで語りました。
現在は、債券バブル!9月以降にバブル崩壊か?
元FRB議長のアラン・グリーンスパン氏は、インタビューで現在は株式市場の行き過ぎを心配している人がいるが、実際にバブルが発生しているのは債券市場であり、その破裂は、すべての人に悪影響を及ぼすと答えています。
では、グリーンスパン氏が言っている債券バブルとはどういうことでしょうか?
債券が買われすぎていて、金利が下がっている状態のことです。
アメリカの10年国債利回りも2.2%近くになっていますので、歴史的な低水準が続いています。
〇米10年国債利回りチャート
http://nikkeiyosoku.com/dgs10/
世界の国債が超低金利なので、安全な国債の中で比較的利回りの良いアメリカの国債が買われすぎていて、低利回りになっている状態です。
グリーンスパン氏は、「実質長期金利はあまりにも低すぎて、持続不可能だ」と述べています。
米FRBのバランスシート縮小とEUのECBのテーパリンクが始まろうとしていますので、資産買い入れで持っている債券を再投資せずに償還していくこととなり、債券が大量に売られることになります。
そうすると債券価格が下がり、金利が上昇する事態になります。
その場合、大量に債券を保有している他のファンドなども売りに走る可能性があり、利回りが大きく上昇することになります。
VIX指数のオプションのコールとプットの比率を出すVIX Put/Call Ratioが、今現在、2015年のチャイナショック前の水準になっています。
〇VIX Put/Call Rati0 chart
8月2日は、0.24となっており、2015年8月の0.28と同じ水準です。
債券バブル崩壊による株価暴落が近い可能性があります。
FRBのバランスシート縮小は9月に行われるのか?
債券バブルの崩壊のきっかけとなる可能性があるのがFRBのバランスシートの縮小です。
少し前までは、9月にバランスシート縮小が行われるのではないかと思われていましたが、イエレンFRB議長の議会証言や7月FOMC(米連邦公開市場委員会)の声明文、近頃の低調な米指標などから、9月のバランスシート縮小に懐疑的な見方が出ています。
実際に9月の利上げに確率は14%程度しか見込まれていません。12月の利上げ確率も45%程度しか織り込まれていません。
9月にバランスシート縮小が行われるとすると金曜日の4日に発表される米雇用統計が強い数字で、次回の9月に発表される数字もよくないとバランスシート縮小に踏み切れない可能性があります。
9月のバランスシート縮小は、現時点での米指標をみるとかの可能性は低いのではと考えます。
9月にバランスシートを縮小する場合は、米FRB高官から何らかしらのメッセージが出てくるものと思われますが、最近の連銀総裁の講演でも弱気なコメントが多いので、9月にバランスシート縮小はないのではないかと思われます。
そうなると債券バブルの寿命はもう少し延びて、年末から来年にかけてバブル崩壊になると思われます。
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