NYダウとナスダック(NASDAQ)の違いとは?

NYダウ

アメリカの株価の報道でよく出てくるNYダウ(ダウ平均)とナスダック(NASDAQ)ですが、実際にどのような違いがあるのでしょうか?

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NYダウ(ダウ平均)

NYダウとは、アメリカの代表的な業種の銘柄を選出し、平均株価をリアルタイムで公表する株価平均型株価指数である。日本の日経平均株価に近いインデックスです。

〇NYダウリアルタイムチャート

以前はダウ・ジョーンズ社により公表されていたが、2010年からCMEグループに譲渡され、ダウ・ジョーンズ・インデックス社の公表に移行、2012年7月にS&P ダウ・ジョーンズ・インデックス社の算出に移行しました。ダウ平均株価には、代表的なものに「ダウ工業株30種平均」があるが、その他にも「ダウ輸送株20種平均」、「ダウ公共株15種平均」の3種類と、これらをあわせた「ダウ総合65種平均」があります。通常、NYダウとして伝えられる指標は、「ダウ工業株30種平均」です。まとめると、NYダウとは、米国の代表的な企業をまとめた株価指標の名称です。

このダウ工業株30種平均は、工業と言ってもサービス業や他の業種も含まれます。ダウ・ジョーンズ社による株価指数は、すでに1884年以降Dow Jones Average(ダウ平均)の名称で公表されていたが、当時のアメリカの産業構造を反映し、鉄道事業者が中心の構成でした。その後、19世紀末に従来のダウ平均(現在の輸送株20種平均)と分離する形で、1896年に農業、鉱工業などの12銘柄により、Dow Jones Industrial Average(ダウ工業株平均)の算出が新たにスタートした。ダウ工業平均は、1928年に、30銘柄となり現在も30種で算出されています。近年は、米国の産業構造の転換を反映し、情報通信業や医療などのサービス業を取り込みながら、工業平均とはいえサービス業色が高まりつつあります。銘柄構成企業は、以前はすべてニューヨーク証券取引所(NYSE)上場企業であったが、1999年11月に初めてNASDAQ上場企業から選択され(インテルとマイクロソフト)、2017年9月現在、アップル、シスコシステムズ、インテル、マイクロソフトなど4社がNASDAQ上場企業となっています。

NYダウは、日本時間の朝6:00に引けますので、経済的な繋がりの深い日本の株価は多大な影響を受けます。その理由は主に2つあります。1つ目は、日本の産業構造にあります。現在の日本経済が、自動車などを中心としたアメリカへの輸出産業を中心として構成されているからです。2つ目の理由は、日本の株式市場参加者に占める外国人投資家の占有率にあります。現在、日本の株式市場の取引の7割、株式保有の3割が外国人投資家によるものです。こうした、外国人投資家がNYダウが上がれば、日本株も買い、反対に下がれば、その損失を穴埋めのために日本株を売る場合が多いからです。

このように、NYダウと日本の株価は密接な関係があるのです。

ナスダック(NASDAQ)

ナスダックとは、全米証券業協会(NASD)によって1971年から開始されたコンピューターネットワークによる証券市場システムの名称です。
NYダウがアメリカの代表的な企業の株価指標だったのに対し、ナスダックの本来の意味は、証券市場システムの名称だったのです。

ナスダックには、中小企業やベンチャー企業を中心に現在5500以上の銘柄が上場しています。

〇ナスダック100リアルタイムチャート

ナスダックには、公開されている銘柄すべてを平均して算出しているナスダック総合指数があります。このナスダック総合指数は、NYダウ工業指数やS&Pと並び、米国の3大指数として知られています。

ナスダック総合指数も、日本の株価と大きな関わりを持っています。社会や産業がIT化していく中で、グローバルな情報関連企業が多数上場しているナスダック総合指数は、日本の経済や株価にも多大な影響力を持っています。20世紀末から始まったITバブルのとその崩壊の際のナスダック総合指数の動きは、日経平均への相関がNYダウより高かったことは有名です。今後、グローバルなIT企業の影響力が高ままれば高まる程、ナスダック総合指数が日本経済や日本の株価に与える影響は高まってくることが予想されます。

最後に上記2つと同じように有名なアメリカインデックス指数のS&P500のチャートも載せておきます。

〇S&P500リアルタイムチャート

 

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