エアバッグのリコールで民事再生法の適用が開始されたとのタカタが、20日は成行で約941万株、指値で109万株の売り残を出しました。
タカタは民事再生法適用の報があった16日より東証で取扱停止措置がとられており、昨日19日に売買が解禁されたところ売り注文が殺到したものの、約定は5万株に届かず、19日大引けには成行で875万株、指値で107万株もの売り残が発生していました。
タカタ終値324円、2日連続のストップ安
20日の終値は324円、前日比にして80円安の19.8%下落、これで2日連続のストップ安となりました。
世界シェア20%から史上最大級のリコールへ
2017年初頭には550円を超えていたタカタ株は、1933年に前「高田工業」としての創業当時は織物製造から救命具製造販売などの事業で実績を積みました。
シートベルトの製造・販売は1960年に開始、当時国内初の二点式シートベルトではずみをつけ、2011年にはエアバッグ市場で世界シェア20%を占めるまでに成長していました。
しかしこのたび発生した世界規模のリコールは史上最大級に及ぶと見られており、負債総額は1兆円を超えるとの見通しもあります。
2000年前半からの問題の経緯
原因となったエアバッグの不具合は、2000年ころから製造されたものと考えられており、2000年代前半には、問題につながる兆候も見つかっていたといいますが、隠蔽が行われていた可能性が示唆されています。
問題とは、具体的には、エアバッグの部品が破裂し運転者に著しい危険を与える可能性がみつかっていたといいます。事実同様の事故による被害者が発生し、2010年代なかばには米議会にタカタの重役が呼ばれる事態となりましたが、この時点でエアバッグ製造工程の欠陥を全面的に認めリコールに踏み切ることはありませんでした。
しかし2015年には一転して全米でリコールを認め、さらに本年2017年には不具合隠蔽も認めて和解金10億ドル(1000億円以上)の支払いにも合意、タカタは詐欺罪で訴えられるまでに事態が進展しました。
格付#Cへ格下げ、国内外で悲観的報道続く
20日現在では、タカタは再検索について自動車メーカーや金融機関など関係者と協議のうえで最終的な結論を出すと報じられていますが、細かな事項については明らかではありません。
JCR(日本格付研究所)のリリースによれば、タカタは6月19日で「#C」に格下げとなっています。
米CNNでは「もう道程も終わりに差し掛かっている」とまで報道されるなど、極めて悲観的な見通しです。今後も換金目的の売り注文は殺到が続くものと見られます。