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ETF(上場投資信託)とは/投資初心者のためのメリット・デメリット

ETFとは、上場投資信託(Exchange-Traded Fund)のことです。

通常の投資信託は、証券会社や銀行で購入できますが、上場投資信託は、市場(Exchange)に上場した(-Traded)投資信託(Fund)であるため、Exchange-Traded Fund、略してETFと呼ばれています。

ETFの最大の特長は、その名のとおり、投資信託と同じ側面を持ちながら証券取引所に上場しており、個別銘柄の株式と同じように取引できる点です。

投資信託と個別株の両者が持つ様々なメリットを兼ね備えたETFは、日本では1995年に初めて上場された、比較的歴史の新しい金融商品でもあります。
とくに個人投資家にとってのETFのメリットと注意点を、本記事でまとめます。

ETFとは/ETFのメリット

ETFは、通常の投資信託と同じように、日経平均株価やTOPIXといった指標(株価指数)と連動して値動きするような銘柄を組み入れて作られています。

そのため、個別銘柄の株式投資のように、投資する銘柄会社をあなた自身が選ぶ必要はありません

ETFは中長期投資向きの分散投資型商品

こうした特長から、ETFを購入するだけで、その構成銘柄すべてに分散投資したのと同じ効果が得られます。例えば、225と名の付くETF商品は日経平均225社を組み入れたものであり、その225社全てに分散投資したケースと同じリターン安定化、リスク分散化といった効果があるのです。

ただ、そのぶん、短期で大きなリターンを狙えるような、幅の大きな値動きは期待できません。IPO銘柄や新規銘柄のようなハイリスク・ハイリターン資産とは異なり、ETFはより中長期的投資に向いたものと言えます。

運用コストが投資信託より安い

投資信託であれば、販売会社(窓口となる証券会社など)に、信託報酬と呼ばれる運用コストを支払う必要があります。しかしETFなら、投資信託よりも手数料を節約でき、信託報酬を安く済ませることができます。

投資信託の運用コスト(信託報酬)は年率で0.4%から2.5%程度とされますが、これがETFなら0.1%から1.0%程度で済ませられます。
この運用コストの負担の低さも、中長期的な運用により向いている点と言えるでしょう。

資産は様々、国際分散投資もかんたん

ETFは、日経平均やTOPIX以外にも、様々な指数や価格に連動する商品が存在します。

例えば債券やREIT(不動産投資信託)、コモディティ(金や穀物、原油などの先物取引)のETFも存在し、またそれぞれに国内だけでなく海外の資産で構成されるETFもあります。

といっても、国内で流通するETFであれば、取引も国内株式口座だけで済ませられ、わざわざ海外株式口座を用意する必要はありません。そのため、こうした様々なETFを合わせて購入すれば、国内と海外をまたいだ分散投資もかんたんに実現できます。

上場しているからいつでも時価で取引

ETFは、証券所に上場しているために、立会時間(証券所の取引時間)中であれば、いつでも時価で売買ができます。この点も、投資信託とは大きく異なる点です。

投資信託だと、価格が決まるのは立会時間終了後の一日一度だけで、自分がいくらの価格で売買できるのかを前もって知ることはできません。しかしETFなら、個別株同様、パソコンやスマホで現在価格を確認しつつ、指値でも成行でもスムーズに取引注文ができます。

投資信託なのに信用売りもできる

ETFは、投資信託でありながら上場しているため、通常の株式と同じように、信用売り(空売り)もできます。これにより、下落傾向にあるタイミングでも、利益を狙うことができます。

ETFのデメリット

投資信託と個別株の両方のいいところを合わせたようなETFですが、投資信託とまったく同じように扱えるわけではありません。

ETFが持つ、いくつかのデメリットについても知っておきましょう。

ETFは積立(ドル・コスト平均法)が使えない

ETFだと、投資信託の大きな長所であるドル・コスト平均法を用いた積立投資が、できなくなります

投資信託だと、一万円や二万円といった決まった金額で、毎月資産を買い増していくことができます。

しかし、ETFだと、株価×売買単位ごとにしか購入できません。例えば、購入するETFが一株単価17,000円なら、一度に買える額は17,000円か34,000円、51,000円…と、任意株数を単価刻みで買うことしかできなくなり、銀行自動引き落としでの定額積立が不可能になります。

ETFだと少額投資ができない

一株単価ごとでしか買えず積立ができないということは、投資信託のような少額投資ができないということでもあります。

投資信託なら、例えば一万円から1円刻みで積立額を決めていくことができますが、ETFだとこのようなきめの細かい投資運用ができません。資金がある程度以上ある投資家ならさして問題にはならないかもしれませんが、資金が比較的小さな個人投資家だと、投資への心理的障壁は、投資信託よりETFの方が若干上がってしまうかもしれません。

ETFは複利運用が(自動では)できない

ETFは、組入銘柄の配当にあたる分配金がもらえることがあります。
これ自体は、個別株を運用する場合と比較してメリットになるのですが、投資信託と比べた場合だと、複利運用に自動的に回せないというデメリットと考えることもできます。

投資信託の場合は、分配金(配当)を自動的に再投資し、複利運用に回すシステムがあります。しかし、ETFだと、分配金を自分で任意に再投資する必要があるのです。

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投資初心者に大きなメリットのあるETF

いくつかのデメリットは考えられるものの、リスクの低い投資信託でありながら、取引自由度の高い上場銘柄でもあるというメリットはやはり大きく、投資初心者向けの金融商品であることは間違いないでしょう。

ETF商品ごとの運用成績の差は、個別銘柄に比べると比較的小さいと言えます。そのため、日経225、あるいはTOPIXなど、おおよその種類が決まったら、あとは運用コストの安いものを選ぶのも手でしょう。
ただ、個別株のように時価に応じて比較的アクティブに売買を行うのであれば、売買高が大きい銘柄を選んだほうが、売りたい時に売り、買いたい時に買えるようになるはずです。

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