ビットコインやブロックチェーンといった言葉が話題となってからすでに久しく、フィンテックへの認識も以前より浸透してきた感があります。
そうしたフィンテック技術が社会で存在感を強めるにつれ、あらためて注目をあびるようになったのが、フィンテック関連銘柄です。なかでも配当利回りの高い銘柄をピックアップし、本記事で解説します。
このページの目次
フィンテックとは?関連領域おさらい
フィンテックとは、ファイナンス(Finance : 金融)とテクノロジー(Technology : 技術)をかけ合わせた新語です。
投資家であれば、フィンテックと聞いてTHEOやWealthNavi(ウェルスナビ)といった投資ロボアドバイザーを思い浮かべる方も多いでしょう。
このところ注目を集めるものとしては、やはりビットコインに代表される仮想通貨システムです。仮想通貨を実現する仕組みであるブロックチェーンとともに、こうした仮想通貨が一気に社会に知られるようになりました。
また一般的には、スマホ端末とアプリを使ったモバイル決済やクレジットカード管理、あるいはクラウド家計管理や自動振込といったものが、フィンテックの例としてよく知られています。
高配当なフィンテック関連の注目3銘柄
これらフィンテック関連の銘柄を、配当利回りを軸にピックアップしてみがのが、次の表です。
証券コード | 商号 | 予想配当利回り | 予想PER | 売上変化率 | 利益変化率 |
---|---|---|---|---|---|
2428 | ウェルネット | 4.14% | 42.57 | 3.31% | -36.71% |
8316 | 三井住友フィナンシャルグループ | 3.64% | 9.86 | -0.65% | -10.83% |
8306 | 株式会社三菱UFJフィナンシャル・グループ | 2.48% | 10.72 | 0.34% | 2.54% |
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ウェルネット(2428):高配当も18年は減益見通し
まず、4.14%と優れた配当利回りの銘柄が、ウェルネット(2428)です。
ウェルネットは、2017年8月に「支払秘書」なるフィンテック新規サービスをリリースしました。スマホアプリや銀行口座からチャージした電子マネーで各種支払ができるというもので、提携銀行は三井住友、広島銀行など(17年9月時点)をはじめ、1-2年内に大きく提携行が増える目算とのこと。
フィンテック対応ニーズを持ちながら自前でシステム開発まで至るのが難しい地銀は多いといい、そうしたニーズをくみ手数料方式でフィンテック導入に踏み込める、という、銀行側にとってのフィンテック導入のしやすさが売りです。
配当利回りの高さ、また最低購入価格120,900円と比較的手を出しやすいのが魅力です。ただ来期見通しとしては増収減益、また予想PERは42.57と割高です。
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三井住友FG(8316):減収減益見通しもPERは適正圏
つづいて3.64%の配当利回り予想となる三井住友ファイナンシャルグループ(SMFG、8316)です。
SMFGは、国内仮想通貨取引所元締めのひとつであるbitFlyerへの出資を行っており、仮想通貨やブロックチェーンといった領域での取り組みを加速しています。
SMFGはベンチャーと競合で人工知能による為替予測の開発も進めており、16年には自前のベンチャー支援プログラムにも着手しています。
来期見通しとしては減収減益予想ながら、予想PERは9.86と適正圏といえます。ただこのところの株高傾向から調整局面を迎えた際、金融関連銘柄としてどのような動きを見せるかが気になるところです。また大型株として最低購入代金は40万円を超えます。
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三菱UFJ・FG(8306):増収増益見込みの手頃銘柄
同じ金融セクターでも、三菱UFJファイナンシャルグループ(MUFG、8306)はぐっと手頃な銘柄と言えるかもしれません。
2.48%と配当利回り予想は際立ったものではありませんが、最低購入代金が7万円台と、かなり手を出しやすい銘柄と言えるでしょう。
MUFGは独自の仮想通貨である「MUFGコイン」を開発、先日開催された家電見本市の草分け「CEATEC JAPAN 2017」(10月)でデモ公開を行いました。
MUFGコインはすでに三菱東京UFJ銀行行員に対して実証実験的に導入がされています。ブロックチェーン技術を活用したリアルタイム取引が可能で、独自開発ならではの手数料の安い仮想通貨技術実現が見込まれるのが強みです。
来期予想は増収増益見込み、予想PERも10.72と適正圏です。最低購入代金の手頃さもあいまって、選択肢としてはおすすめしやすい銘柄です。
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期待要素で仕分けるフィンテック注目銘柄
今回紹介したフィンテック関連銘柄では、仮想通貨まわりで独自技術を持ちえる事業に強みを見いだせます。
独自開発は大きな開発リソース(人員、資金、技術力・・・)を必要とする一方、協業他社と組むことで発生しうるスピード感や柔軟性のなさを気にする必要がなくなることが多いものです。MUFGなどは見本市で注目を集めるなど期待要素は多く、注目の銘柄といえるでしょう。
国内株の配当(インカムゲイン)を期待する場合には、このほか連続増配年数もキーとなります。20年といった単位で増配を続ける国内銘柄の最新リストを、こちらで確認できます。
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