「次の大暴落」過去から知る/株価と世界恐慌史

日本株相場では、歴史的な好調が続いています。しかし、株価が上がっていても、景気がいいとは限りません。過去には、不況なのに株価が上がる、という事例を、探せばかんたんに見つけられます。

現在の日経平均株価は、「割高」とする報道もあれば「まだまだ割高とは言えない」と強気の報道もあります。

いずれにせよ必ず頭において置かなければいけないのは「株価と景気は連動していない」という事実です。本記事では、世界恐慌の発生するメカニズムをふりかえり、これからの大暴落の可能性について考えます。

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1929年世界恐慌 – 株高騰の影で進んだ景気後退

まずは、史上もっとも有名といえる、1929年の世界恐慌を振り返ってみましょう。

このころの世界情勢は、第一次世界大戦を経て、戦勝国と敗戦国ではっきりと明暗が分かれていた時期でした。戦勝国の米国は、様々な要因から、空前の経済大国へと急成長していました。

様々な要因とは、戦争に勝ったこと、本土で戦争せずに済んだこと、欧州経済が立ち直っておらず輸出が絶好調だったこと、さらには勝利した欧諸国からの戦時国債償還が始まっていたことなどです。

一般家庭にまで流れ込んだ大量の資金

これらによる大量の資金はウォール街に流れ込み、ウォール街は企業に低利率で貸し付けました。企業はその資金によって、フォードならTモデルフォードを、GEは洗濯機・冷蔵庫・ラジオを、それぞれ一般家庭に普及させました。日本で大量生産・大量消費が起きた1960年より、30年以上前のことです。

これが賃金上昇、消費加速、さらには、一般家庭における株などリスク資産への投資・投機熱の上昇へとつながりました。

後退する景気、知らずに上がる株価

しかしこのころ、アメリカの実体経済はすでに不況へと転じていました。1929年代の後半にはすでに欧州経済が復興しており、米輸出はピークアウト、売れ残り在庫が増え、収益はマイナスへ転じ、経済成長率も減速していました。

このように、実体経済の支えがないにもかかわらず、一方の株価は高騰していました。何も知らない一般庶民が、連日続く高値更新に任せて、株を買い続けていたのです。当時は相場やマクロ経済に縁がなかった「主婦層や靴磨きの少年」までが株価の話をしていたといいます。

証券会社だけが知っていた、迫る大暴落

大口投資家や証券会社だけは、株価と景気の釣り合いが取れていないこと、危機が迫っていることに気づいていたと言われています。

その証拠に、世界恐慌の引き金となる1929年の上半期には、NY株価は2度大幅下落を見せています。これは、大口投資家が危機を察していちはやく売り抜けた痕跡だと言われています。

しかしその他の多くの人々は危機が迫るのに気づいていませんでした。ときの米大統領フーヴァーが「アメリカは貧困を克服した」と宣言した1929年、まもなくの9月に株価は下落トレンドへ、そして10月24日の「暗黒の金曜日(ブラックフライデー」を迎えました。

ブラックフライデー、下がった株価は「七分の一」

支えきれなくなりピークアウトした株価は、七分の一まで下がりました。
市場の損失は300億ドルと、当時米連邦政府の国家予算10年分にあたるといわれています。

破産者が続出、銀行は資金枯渇、企業は倒産もしくは人員整理、失業率は25%ほどにのぼったといいます。

国内の惨状をうけたアメリカは、海外に投資していた資金を引き上げます。すると、アメリカの資金に頼っていた諸国も空前の不況へと突入、第二次世界大戦の遠因となったと考えられています。これが、世界恐慌です。

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直近の世界不況、チャイナショック

1929年と現在(2017年)では状況が違う、と考えるかもしれません。しかし、直近に起きた2015年の世界恐慌「チャイナショック」でも似たような状況が見られていました。

実体経済の伸びを伴わない投資過熱で4兆円を「ロスト」

2015年、それまで世界中の資金が流入していた上海総合指数株価では、7月を境に時価総額4兆ドルが「消え去った」といいます。

このころの中国経済も、生産能力への過剰な投資、中産階級に寄る不動産や株式への歯止めのきかない投資、さらには家計債務膨張など、実体経済の後退を意に介さない投機熱の高まりが起きていました。

しかし、それらが実体経済の伸びという支えを完全に失うと、上述のような大暴落が起きています。

2017年は暴落の条件そろった?

さて、ここで2017年の状況に立ち戻りましょう。

日本、および米では、中央銀行(日本銀行、あるいはFRB)による資産の大量購入、つまり量的緩和が行われ、景気改善が演出されています。

国債を売ってあまり出した余剰資産は、リスク資産として株式市場に流れ込み、これによって、日本でも、米国でも、異例の株高トレンドが生まれています。

しかし、実体経済には、つねに景気の伸びに対する懸念がただよっていいます。

突然来る株価ピークアウト、どう備えるか

このまま株価が上昇し続けることはありえず、いずれピークアウトしたとたんに実体経済の支えを失い、一気に下落、しかもそれが世界諸国へ派生し、あっというまに世界恐慌へ・・・というシナリオも、ありえないことではありません。

というよりも、機関投資家や、あるいは、リーマン・ショックやチャイナショック、1989年のバブルを経験したベテラン投資家は、こうした、株価と景気が「連動しない」状況から地続きの大暴落を、つねに頭に置いて行動しているはずです。

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