コロナ禍が長期化するなか、2020年の豪ドル円はどのような動きを示しているのでしょうか?また、今後はどのように動いてゆくのでしょうか?
主要な通貨セットである米ドル円の2020年の動きと比較しつつ、豪ドル円の特長を解説します。
このページの目次
コロナ後「ほぼ真逆」に動いたドル円と豪ドル円
最初に下記が2020年のドル円と豪ドル円の日足チャートとなります。
ドル円と豪ドル円
(2019年10月~2020年9月、日足、Trading View)
2020年は、豪ドル円とドル円とも、コロナショックでの急落から回復途上、という流れで一致していますが、注目する期間を、コロナショックの前・最中・後の3つに分けると、両者の動きの違いが見えてきます。
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①コロナショック前
コロナショック前のドル円は、110円台から暴落前高値112円付近まで円安に振れたタイミングで急落を迎えています。
一方の豪ドル円は、75~76円のレンジからじり安推移が続いていたところで急落を迎えています。
②コロナショック時
続いてコロナショック時は、値幅こそ違うものの、ドル円と豪ドル円のいずれも、急速な円高が進んでいます。
ただし、底打ちしたタイミングはそれぞれ異なっており、ドル円が3月9日に底打ち反発したのに対して、豪ドル円は3月19日に底打ち反発しており、約10日間の差が見られます。
③コロナショック後
今度はコロナショック後を見てみます。
ドル円は暴落直後の3月23日には111円を回復したもののすぐに108円台まで上値を縮小、その後はじり安推移が年後半に至るまで継続しています。
一方の豪ドル円は、コロナショック底打ちのあとは堅調推移が継続、8月には2020年高値を更新ののち、9月に入ってようやく上昇一服となっています。
コロナショック後は、ドル円が軟調推移となっているのに対し、豪ドル円はほぼ一貫して堅調推移と、両者の違いが鮮明となっています。
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資源国通貨豪ドルの独特の値動き
コロナショック後に顕著となった豪ドルとドル円の違いは、どういった理由によるものなのでしょうか?
それは、資源国通貨である豪ドルの性質によるところが大きそうです。
銅価格に大きな影響を受けた2020年の豪ドル円
ドル円も豪ドル円も、安全通貨である日本円と、よりリスクが大きいとみられることの多い通貨(米ドル・豪ドル)の組み合わせで、この点は共通しています。
しかし、この三つの通貨の中でも豪ドルが特別なのが、銅や金と言った商品市場の影響を強く受ける資源国通貨であるという点です。
なかでも最も豪ドルに影響を与えているといわれる、銅価格の2020年の値動きは、次のようになっています。
銅価格は、コロナショック時に急落したものの、底打ち後はほぼ一本調子で堅調展開が続き、7月にはすでにコロナ前高値を更新、その後も上値切り上げの展開が続いています。
この、コロナ後の銅価格上昇が、資源国通貨である豪ドルの上昇につながったと見られています。
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日本円に相関の強い資源などはなし
なお、対する日本円の方は、豪ドルにおける銅価格ほどに、日本円の騰落に影響を与えるような商品などは存在しません。よく「株高円安」もしくは「株安円高」の相関関係が指摘される日経平均株価に関しても、2020年は「株高円高」の局面がよくみられており、豪ドルと銅価格ほどの相関はないことがわかります。
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豪ドル円予想と資源価格の強い関係
これまで見てきたように、2020年の豪ドル円は、ドル円と比較すると真逆ともいえる動きを示しており、その原因として、コロナショック後の銅価格の上昇が大きく影響していると考えられます。
米ドルや日本円、あるいはユーロといった主要通貨は、特定の資源(商品)に影響されることはまれですが、一方の豪ドルのような資源国通貨は、銅価格のような商品価格に大きな影響を受けることがあります。
通貨がその国の経済構造に大きく依存する以上、銅価格や鉄鉱石価格などに影響を受けやすい豪ドルの性質も、今後は変わることがないと考えられます。豪ドル円の動きを分析・予想する際は、銅のようなオーストラリアの主要資源の値動きも参考にすることで、よりイメージがしやすくなるでしょう。
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