【投資の森 編集部】
今年の最高値更新の背景
2024年7月、日経平均が史上最高値をつけたことが、市場の話題となった。
とはいえこちらは米株、とくにハイテク銘柄の急伸が支えとなったもので、日本株式市場に独自の材料があったものとはいえない。事実、8月に米株が調整に入ると日本株もそれに追従、さらに9月にはダウやS&Pといった主要な米株式指数が反発し史上最高値を更新したにもかかわらず、日本株は低迷を続けることになる。
とはいえ株式投資は主にキャピタルゲイン、つまり株価の値上がりによって得られる利益を狙うものであり、ファンダメンタルズの健全な日本株に関して言えば、いったんの値下がりはすなわち、今後の反発局面を視野に入れた絶好の買い場と考えることができる。
2025年上半期の日本株浮揚をみすえた期待銘柄とは? 有料版レポート閲覧はこちら
あと一ヶ月でやってくる2025年の日本株相場に関して言えば、こうした「ファンダメンタルズの健全な」銘柄を仕込んでいくことが有効な戦略になってくる。というのも、総選挙ののち自民・石破政権が発足したことによって、本邦では来年から、景気浮揚のための対策が各方面から矢継ぎ早に繰り出される可能性が高いからだ。
来年上半期に吹く「強い追い風」とは?
衆議院選挙での過半数割れにより、来年夏の参議院選挙で議席回復を狙う与党自民党はもちろん、これをチャンスと政権奪取を狙う野党勢力も、支持拡大のため魅力的な経済対策を打ち出す必要に迫られている状況だ。つまり、物価上昇を上回る賃上げ幅の実現や、半導体・蓄電池・AIなど成長分野への投資などによって、本邦の株式市場には「強い追い風」が吹くことになるのである。
こうした状況はもちろん、永続的なものではない。とはいえ少なくとも、参議院選挙のある来年夏頃までは、日本の株式市場が上昇基調となる可能性は高い。
内外の買い要因到来に供えて
このような反発局面入りの意識される場面においては、なにも底値を狙う必要はない。先に述べた「ファンダメンタルズの健全な銘柄」を押さえたうえで、そのなかから確実な反発サインが出たものを買い仕込んでおく、というのが王道だろう。
もう一つ加えて言えば、トランプ政権の始まる米国でも当面は、新政権による経済対策が株式市場を押し上げるとの観測がコンセンサス化しつつあり、今年7月のような日本株の「連れ高」現象も、相場浮揚のもう一つの支えとして機能するだろう。
2024年末まで、といった短期目線で言えば、見通しがつきにくいのは確かだが、2025年上半期までスパンを広げるなら、日本株の上昇余地は拡大している状況である。同様の根拠から2025年の「強気相場入り」を予見するアナリスト見解も増えてきている。
内的要因としても外的要因としても大きな上げ材料の並んでいるのが「今」の状況であり、近く訪れるであろう絶好の買い仕込みチャンスに向けて、銘柄物色や資金確保といった供えは万全にしておきたいところだ。