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今はやりの「ラップ口座」を初心者用にまとめました

ラップ口座

「ラップ口座」は、証券会社に口座を開いている人なら最近必ず聞いたことがあると思います。
最近の証券会社が最も押していると言ってもいいものです。
今回は、ラップ口座を初心者にもわかるように全体的に解説します。

ラップ口座とは

個人投資家の間でここ数年急速に普及が進んでいるのが「ラップ口座」と呼ばれる資産運用形態です。当初は富裕層限定のものでしたが、最近ではかなり一般的な資産の運用方法として進化しているようなのです。

ラップ口座の「ラップ」とは皆さんもよくご存知の通り「包む」という意味です。ラップ口座とは資産を証券会社や信託銀行がグルッと包むようにして包括的に運用する仕組みのことで、基本的にどのような運用方法・内容になるかは預け入れ先の運用主体次第ということになります。ラップ口座は資産の持ち主である投資家が一つ一つの金融商品の売買に頭を悩ませる必要が無く、ほとんどプロに丸投げすることが出来てしまうという点が魅力となり、その口座開設数や預け入れ資産高を伸ばしていると考えられます。

ラップ口座のメリット

前述した通り、ラップ口座最大のメリットは投資の全てを運用会社に一任することが出来るという点です。

運用会社はたくさんの顧客から集めて資金を様々な金融商品に投資します。
個人の資産では不可能な程に分散投資することができますし、それらを売買する手間もカットすることができるわけです。

バリバリの個人投資家やトレーダーであれば物足りないと感じるかもしれませんが、一般的な人が退職金など、まとまった金額を運用しようと考えた場合一つの有力な選択肢となるのは間違いありません。

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ラップ口座のデメリット

・ラップ口座 手数料

手軽で素人でも高度な資産運用が可能となるなラップ口座ですが、手数料などのコスト面ではデメリットも多くなります。

ラップ口座では一つ一つの売買に手数料は必要無くなるのですが、一方で投資顧問料や運用管理手数料などは必要となります。これらのコストは基本的に運用資産高に応じて金額が上下します。

もし「リスクの低い運用方針でお願いします」と運用会社に申し出た場合、債券中心の運用であればコスト負けしてしまうことも十分ありえるのです。

逆にハイリスク・ハイリターンを望む運用を依頼しても元本割れのリスクは高くなります。

ラップ口座は確かにプロに運用を依頼する分、信頼性は低くはありませんが、コストやリスクを考えると必ずしも「絶対に儲かる」と断言できる運用形態ではないのです。

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ラップ口座比較

・大和証券

大和証券のラップ口座は「ダイワファンドラップ」という商品が設定されています。俳優の渡辺謙さん出演のテレビCMでもお馴染みですよね。ダイワファンドラップは「マイ運用スタイル型」と「ベスト運用スタイル型」の二種類から投資家が好みに応じて選べるようになっています。マイ運用スタイル型は運用スタイルのイメージを中心に、ベスト運用スタイル型は資産配分の組み合わせイメージからそれぞれ選択する仕組みです。

ダイワファンドラップは最低300万円から口座開設可能となっており必要となる手数料や費用は「ファンドラップ・フィー」として決められています。ファンドラップ・フィーは投資顧問料と取引管理手数料の合計のことで、5000万円以下の部分は年率1.512%、5000万円超から1億円以下の部分は1.242%、1億円超から3億円以下の部分は0.972%、3億円超から5億円以下の部分は0.702%、5億円超の部分については0.432%となっています。

・野村證券

業界最大手の証券会社、野村證券のファンドラップは「野村ファンドラップ」という商品名となっています。

野村ファンドラップには積極的な収益を目指す「プレミア・プログラム」と安定性重視の「バリュー・プログラム」の二種類が設定されています。それぞれの口座開設最低金額はプレミア・プログラムが1000万円から。バリュー・プログラムは500万円からとなっています。

野村ファンドラップを利用するためのコストは、固定報酬制の場合運用資産の0.4104%が上限となり、実績報酬併用制では運用資産の0.2052%+運用益の積み上げ分の10.8%が上限となります。

また、ファンドラップ手数料は最大で運用資産の0.296%となります。その他、投資信託の場合は運用管理費用として最大で資産の0.35%±0.7%、信託財産保留額などの費用が発生する可能性があります。

・SMBC日興証券

SMBC日興証券のファンドラップは「日興ファンドラップ(一任型)」という商品名になっています。最低口座開設金額は300万円からで、専用の投資信託を利用して運用が行われます。

日興ファンドラップに必要なコストは、日興ファンドラップ手数料と日興ファンドラップ投資一任報酬の合計金額になります。

日興ファンドラップ手数料は

5000万円以下の部分は年率0.972%
5000万円超から1億円以下の部分は0.756%
1億円超から3億円以下の部分は0.540%
3億円超から5億円以下の部分は0.324%
5億円超から10億円以下の部分については0.216%
10億円超の部分は0.108%

となっています。

日興ファンドラップ投資一任報酬は

5000万円以下の部分は年率0.324%
5000万円超から1億円以下の部分は0.270%
1億円超から3億円以下の部分は0.216%
3億円超から5億円以下の部分は0.162%
5億円超から10億円以下の部分については0.135%
10億円超の部分については0.108%

となっています。

・楽天証券

楽天証券のラップ証券のラップ口座は「楽ラップ」という商品名になっています。

楽ラップ最大の特徴は運用スタイルの選択アドバイスを人間ではなく、ロボットが行ってくれるという点。いかにもネット専業証券の楽天らしいアイディアと言えるでしょう。

楽天ラップの口座開設最低金額は10万円からとかなり低めに設定されています。
必要となるコストは固定報酬型が投資顧問料+運用管理手数料+ファンド費用、成功報酬併用型が投資顧問料+運用管理手数料+成功報酬+ファンド費用となっています。

固定報酬型に掛かる投資顧問料と運用管理手数料の合計は、

1000万円以下の部分が0.702%
1000万円超から5000万円以下の部分が0.648%
5000万円超から1億円以下の部分が0.594%
1億円超の部分が0.540%

となっています。

また、成功報酬型の投資顧問料と運用管理手数料の合計は

1000万円以下の部分が0.594%
1000万円超から5000万円以下の部分が0.540%
5000万円超から1億円以下の部分が0.486%
1億円超の部分が0.432%

となっています。

成功報酬の金額は運用益の積み上げ分の5.4%となっています。

・三井住友信託銀行

三井住友信託銀行のラップ口座サービスは「三井住友信託ファンドラップ」という商品名になっています。

分散投資効果を狙ったポートフォリオ構築に主眼が置かれており、リスク許容度を厳しく設定しながら堅実な運用を目指すことを方針として打ち出しています。三井住友信託ファンドラップは300万円から利用可能となっています。

三井住友信託ファンドラップに必要なコストは、

固定報酬型の場合資産の1.512%が上限、成功報酬型の場合は資産の1.0044%の固定報酬+運用成果の16.2%が上限となっています。

また、間接的なコストとして投資信託の信託報酬が最低1.2636%必要となる他、別途成功報酬が必要となる場合もあるとのことです。

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ラップ口座まとめ

ラップ口座は確かに便利な金融商品であることは間違いありません。退職金や遺産相続など、まとまったお金をポンと手に入れたしまった人が、どうやって運用していこうか迷った際には一つの選択肢として考慮に入れる必要はあると言えるでしょう。

ただ、基本的にラップ口座はコストが割高になる場合が多く、昨今の低金利・マイナス金利環境では債券運用のパフォーマンスが期待しにくい状況でもあることからなかなか運用成績は厳しい状況になると見られています。

ラップ口座はかなり大きな金額を用意できる人が、どうしても運用方法が見つからない、という場合にのみ利用すべきと考えた方が無難と言えます。

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