最近、インフラファンドの配当利回りページが人気です。連日日経平均が年初来高値を更新しているため、出遅れた個人投資家が割安感のなくなってきた銘柄を避け、高配当銘柄を物色しているのでしょうか?はっきりした理由はわかりませんが、この2〜3ヶ月でインフラファンド配当ランキングのページへのアクセスが右肩上がりで増えています。
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インフラファンドを買ってみた結果、どれだけ儲かった?
以前3月にインフラファンドについて調査しプログにまとめましたが、この記事をもとに私もインフラファンドを5月から仕込んでいました。
結果はまあまあです。この記事を書いているのは11月11日ですが、9月から日本株の殆どが上がっていますので、大したことないかもしれません。しかし、他の株が大きく評価損を出す中、インフラファンドは殆どマイナスになった期間がありませんでした。これは驚きです。5月から少しづつ買い足し、現在はタカラインフラ300、カナディアン・インフラ300、日本再生エネルギー500を保有していますが、累計でマイナスになったのは6ヶ月中で1ヶ月もなかったと思います。
もちろん、インフラファンドも有価証券ですから、株価(基準価格)は大きく上下します。しかし、インフラファンドの場合、まだ上場して日が浅いせいなのか、かなりわかりやすい価格変動の癖があるような気がします。私は、その価格変動の癖を利用して、なるべく安く買うことに成功しています。今日は、インフラファンドの価格変動の癖と買い時についてお話したいと思います。
インフラファンドはい使うべきか?買い時と価格変動
【インフラファンドの投資スタンス】
私の場合、インフラファンドは基本、Buy&Holdで中長期保有が原則です。中長期保有のため、なるべく非課税のNISA枠をめいいっぱい使い投資する予定です。NISA枠で足りなくなった分は、非NISA枠でも購入しますが、そちらは2〜3割上昇したら一旦売却するかもしれません。これも、価格変動の癖を利用してうまく行っていければなあと思っています。
【インフラファンドの価格変動の癖と買い時】
以下は6月からインフラファンドを保有しながら、値動きを見て感じ、わかってきたことをまとめておきます。
インフラファンドは、中長期的には原則、上昇していくと予想しています。インフラファンドは、景気に関係なく比較的に、安定して収益を挙げることができます。現在は、年間配当利回りが6〜7%ですが、私は配当利回りが4%前後まで落ちREITと配当利回りが変わらなくなるまで上昇するのではないかと予想しています。つまり、基本的には右肩上がりです。
しかし、インフラファンドも価格は上下します。大きく動く時は大体の場合、上昇ではなく、下落です。この6ヶ月に生じた主な下落は以下の4つが原因で、いづれも1週間〜1.5ヶ月程下落してから、上昇に転じ、戻り高値を更新しています。
2. 台風などの災害
3. 月次の発電実績の未達
4. 権利確定日
1の政府の方針転換では、以前から噂はされていたが、2019年6月13日に「経済産業省は太陽光や風力発電の事業者がつくった電気を大手電力があらかじめ決めた価格で買い取る制度を終了する。」と伝わったことから、私の保有しているインフラファンドは数日の間で3〜5%程度下落した。
しかし、その後は1週間もすると底打ちし、上昇基調に戻りました。ここでは、詳細には立ち入りませんが、現在上場しているインフラファンドの多くは、すでに固定買取制度に申請済みの物件を大量に保有しており、買取制度が終了しても収益に大きな影響は無いと思われます。また、日本の太陽光発電コストは20円/kwとまだ高く、世界のトップランナーの7円/kwと比べると3倍近い開きがあります。つまり、まだまだ合理化余地、成長余地があるということです。
また、太陽光発電の発電コストは既存の火力、石炭、水力などと比べても低い水準になっています。
合理化が進み、蓄電やスマートグリッド化などの技術が進展すれば太陽光は他の電力元と比べても十分に競争力があり、FIT終了後でも十分収益が上げられる発電事業だと思われます。太陽光発電の世界のトップランナーの7円/kwというコストは、原子力燃料処理のコストを含めない原子力の発電コストとも十分競争できるものなのです。
このことから、政府のFIT関連でインフラファンドに厳しい制度見直しがあったとしても、それは合理化と技術革新により発電コストが下がり、太陽光発電の競争力が上がったものと私は判断しています。そのため、FIT関連の厳しい制度見直しがあった場合、余程のことがない限り、発表直後に下落した場合、買い増していく予定にしています。
2の台風などの災害でもインフラファンドは全体的に下がります。
特に、どのインフラファンドを見ても1年のうちで9月〜12月は価格が落ち込みようです。
台風の前後は私の保有しているインフラファンドも3〜5%下落しました。
しかし、インフラファンドの中には太陽光施設の設置場所を地理的にリスク分散しているところが多く、そういうところを選べば台風のリスクはコントロールできます。
また、インフラファンドによっては災害に対する保険をかけているところもあり、台風による発電実績が下がっても配当が目減りしないようなしくみにしているところが多いため、余程の被害がない限り、私は買い増しの良いタイミングだと思っています。
10月12日に甚大な被害をもたらした台風19号ですが、被災者関係者の方々には改めてお見舞い申し上げます。この台風の被害が最も激しかったのは10月11日〜13日の間ですが、この前後でインフラファンド各銘柄の基準価格は大きく下落しています。下のグラフはタカラレーベンの基準価格ですが、10月中旬前後に3%弱下がりましたが、その後すぐに上昇基調に変わっています。
3の月次発電実績の未達についても、発電量が10%くらい未達すると基準価格が1〜2%下落することがあります。
下記はタカラレーベンの今期の月次発電量実績ですが、予定発電量より月によってはプラスになったり、マイナスになったりしています。太陽光発電は、天気に左右されますので月によって発電実績が上下するのは当然なのです。この傾向は、私の保有しているタカラインフラ、カナディアン・ソーラー、日本再生エネルギーの3銘柄ともに同様に見られる傾向です。発電設備の破損や故障などで月次実績が下がっていないのであれば、こういった月次発電量実績の発表後の下落も買いのよいタイミングだと思っています。
4の権利落ち確定日も基準価格が下落しやすい日です。銘柄によって違いますが、インフラファンドは権利落ち確定日が年間1回〜2回あります。
株価と言うものは分配金だけで上下するわけではないですが、その他の要素を排除して理論的に考えると、「権利落ち日」の株価が最も安く、「権利付き最終日」の株価が最も高いことになります。
インフラファンドの予定配当利回りは、だいたい6%前後ですので、権利落ち確定日が1回の場合、理論上6%、2回の場合、理論上3%程度下落することになります。
しかし、過去2年くらいの傾向では権利落ち日後は2週間〜2ヶ月くらい基準価格が下落する傾向があります。
例えば、下の株価グラフは過去1年間のタカラレーベンの基準価格の動きです。タカラレーベンの権利落ち確定日は5月、11月なのですが5月と11月下旬から1ヶ月くらいで基準価格が10%前後下落しています。
下落率の大小はあれ、これはカナディアン・ソーラーでも、日本再生エネルギーでも同様です。
インフラファンドは、上場して日が浅いせいか、権利落ち日に教科書どおりに株価が配当分+α下落し、その下落がしばらく続く傾向があるようです。そして、どのインフラファンドもその後は、値を戻し、上昇する傾向にあります。私は、権利落ち日後しばらくが、インフラファンドの最も良い買い場だと思っています。
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インフラファンドの買い時まとめ
以上、インフラファンドの値動きの癖と買い時について解説しました。アナリストやメディアはインフラファンドは政府の政策次第では成長余地が限定されると見ているようです。しかし、私は固定買取制度が終了しても、エネルギーミックスにおいて原子力や火力が今後シェアを伸ばす可能性は殆どなく、シェアを伸ばすだろう再生エネルギーでは太陽光発電が最もコスト競争力が高く、技術革新が進む分野だと予想しています。こういった前提から、1年を通して生じるインフラファンドの下落の癖は絶好の買い時だと思っており、その都度買い増しを進めています。インフラファンドは年間6〜7%の配当利回りが見込め、今後も長期的には上昇が期待できる高配当銘柄だと思いますので、この先30〜40%の値下がりがあってもHoldしていこうとNISA口座を利用しながら長期保有を前提に購入しています。みなさんも、将来の資産形成にインフラファンドをご検討してみてはいかがでしょうか?