2013年9月に放送されたドキュメンタリー「バブルがはじけるとき」を遅まきながら見ましたが、非常に説得力ある部分がありましたので、抜き出して紹介したいと思います。
リーマンショックはウォール街は起こることがわかっていた
100年に1度の暴落だったので、誰もわからなかったとか、米国の住宅が崩壊するとは夢にも思わなかったなど、サブプライム問題を端に発したリーマンショックからの経済停滞を予見できなかったと言っているものをよく見ます。
しかしここで出てきたヤン・アレン クレーゲル氏が言うには、「金融業界にいる人たちは、今、何が起こっているかはっきりわかっていた」と言うのです。
これは暴落が起こることが分かっていたので、MBS(住宅用ローン担保証券)やCDO(債務担保証)などのサブプライムローンを証券化した商品を次々と発売していながら、暴落したときに利益が得ることができるCDS(クレジット・デフォルト・スワップ)などの反対の商品を開発して販売していたことでわかります。
さらに経営が危機に陥っても、救済されることが分かったことから、リスクをとって、危険な金融商品を作っていくことも可能となりました。つぶれないことが分かったので、リスクはあるが儲かる商品を再び売ることができるようになったのです。
実際に2015年ごろから、またサブプライムローンを証券化した商品が売られています。
アメリカでは、25年までは、1%の上位の裕福なものが運用益の29%を占めたいましたが、5年前には1%の裕福なものが59%の運用益を占めるようになり、減税では、運用益の3分の2を受け取っていると言ってました。
これは金融業界の人たちが顧客たちではなく自分たちの利益を追い求めているからに違いありません。
リーマンショックは事前に起こることが分かっていたので、自分たちは、暴落にかけて設けた人たちもいたのです。
「バブルがはじけるとき」ヤン・アレン クレーゲル氏発言抜粋
「バブルがはじけるとき」の中のヤン・アレン クレーゲル氏の部分を抜粋して書き起こします。
大銀行の幹部や経済学者たちが、この住宅ローン業界の危機は500年に1度の洪水に相当すると言っているのかよく耳にしますよ。
誰も見ようとしなかったから危機に気づくのが遅れたのだという。しかしそれは誤りです。
金融業界にいる人は皆、何が起こっているのかはっきりと分かっていました。
どうしてそういうことを言えるかというと金融機関自身が暴落をあらかじめ想定した金融商品を作っていたです彼らは明らかに暴落を見越していたのです。ヴィクの街が購入したのもこういった種類の証券でわざわざ価値が下がるという想定のもと、破綻するという想定のもとで作られていました。
なぜそんなものを作ったのか、こうした仕組みを作ることで多額の手数料が入ってくるからです。そして暴落する方にかければさらに大きな額を稼ぐことができるのです。
暴落することが分かっていたというのは仕方ないとしましょう。
ウォール街の人間の大半はそれに気づいていましたから、要するに暴落を前提とした枠組みを作ることができれば、ある意味損失を出すリスクはないということになります。
ここでわかるのでは、バブルが崩壊することが分かっているのに、それで損をする商品を売りつつ、自分たちは暴落に備え、暴落の時に儲けれる商品を用意していたということです。
前述で出てきたノルウェーの小さな町のヴィクの街の元町長は、投資した商品は、多かれ少なかれ失敗を前提に作られていて、どう転んでも損をする商品だったと語っています。
そんな商品を売っていること自体が詐欺だと思いました。
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「バブル崩壊再び」金融市場は規制を解除すべきではない
「バブルがはじけるとき」の中では、大恐慌以来、しばらくバブルが起こらなかったのは、金融市場が規制されていたからだと述べています。
金融市場の規制緩和の始めてからバブルが起こり、崩壊していったと言っています。
リチャード・ヴィートー氏(ハーバードビジネススクール主席副学部長)は、「金融市場は規制を緩和するには欠陥があまりにも多すぎる」と語っています。
「金融市場に自動制御の機能があると過信したのが間違いである」とも語っています。
現在のトランプ政権は、ゴールドマンサックスからの政権入りが多く、金融規制法案のドッド・フランク法を規制緩和しようとしいています。
今のところは、バブルではないようですが、今後、金融規制緩和が進んでくるとまたバブルが訪れて、バブル崩壊することがあるかもしれません。
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