本日の日経平均は、300円超安の大幅下落でした。
その中で三菱商事の決算発表があり、丸紅を除く(8月5日予定)主な商社の決算が出揃いました。
主な商社の2016年4~6月期の連結決算(国際会計基準)
純利益 | 前年同期比 | 17年3月期予想 | 8/3株価 | 前日差 | 前日比 | |
三菱商事 | 1008億円 | 35%増 | 2500億円 | 1,843.50 | +92.0 | +5.25% |
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住友商事 | 226億円 | 72%減 | 1300億円 | 1,004.00 | -13.5 | -1.33% |
三井物産 | 611億円 | 37%減 | 2000億円 | 1,206.50 | +23.5 | +1.99% |
伊藤忠商事 | 730億円 | 40%減 | 3500億円 | 1,141.50 | -17.5 | -1.51% |
丸紅 | – | – | 1300億円 | 461.70 | -6.8 | -1.45% |
各商社の決算を見てみると前年同期比で増益なのは、三菱商事だけです。
三菱商事は、大きかったのが、ノルウェーやチリで展開するサケ・マス養殖事業が黒字に転換し非資源分野の利益が672億円と大きく増えたことです。
原油安などもあり、各商社は、資源部門が赤字になるなど、大きく前年同期から利益を減らしていました。
2016年4~6月期の利益が、通期予想の何%に当たるかを計算すると
- 三菱商事 40.3%
住友商事 17.4%
三井物産 30.6%
伊藤忠商事 20.9%
となります。
4半期ですので25%を超えていれば好調といえますが、三菱商事と三井物産以外はm25%を割り込んでいます。
資源がこれから回復していくとは限りませんので、住友商事と伊藤忠商事は、通期利益を出せるのでしょうか。
今後の株価動向と日経平均への影響
各商社の株価が今後どのように動いていくかの個別の判断は、難しいものがあります。
しかし、2つの要素によって、商社全体は、下落方向に向かう可能性が高いと思われます。
- 1、円高による海外収益の減少
2、原油安による資源部門の収益減少
本日、100円台に突入したドル円相場ですが、今後は、今年から来年にかけて90円に向かって下落して可能性が高いです。
今回の四半期決算でも円高による海外収益の収益減少が確認されていますので、今後、さらなる円高によって海外収益は減少していくものと思われます。
さらに原油安は、今後も続いていくものと思われます。
アメリカのドライブシーズンの7月、8月の一番石油の消費量が多くなる時期にWTI原油先物が40ドルを切ってきていますので、今後、消費が減ってきた場合に原油あまりになる可能性があり、原油の価格に下げ圧力がかかるものと思われます。
原油安が続けば、資源部門の収益を圧迫してきますので、これもまたマイナス材料です。
伊藤忠商事い関しては、個別の事情として、空売り専門の米運用会社グラウカス・リサーチ・グループから会計処理が適切に行われていないとするレポートを7月下旬に提出され、株価を下げています。
伊藤忠商事は、全面的に否定して、会計処理が適切に行われていたとしていますが、これが問題なれば、決算や経済状況とは関係なく大幅な下落になることでしょう。
日経平均への影響は、すべての商社が、日経平均の銘柄なので、業績による株価の下落は、日経平均に直接関係してきます。
ただし、日経平均の構成割合が、商社すべて合わせても1.9%とファーストリテイリングの1/4にも及ばないので、日経平均への影響度としては、そんなに大きくはないといえるでしょう。