株高トレンドのまま10月にはついに史上初の続伸16日を記録した日本株。一見絶好調に見える一方で、日本企業には不祥事が続出し、日本株が本当に評価されての株高なのか、疑問符がつきます。
この株高トレンドにあって、今後も順調に業績を伸ばし続けるかどうかを予測するための指標に、ROE(自己資本利益率)というものがあります。今なぜROEが重要なのかを説明し、ROEに優れた銘柄リストを公開します。
このページの目次
日本でなぜ株高が発生しているのか
この10月、日経平均株価が20年ぶり高値をつけたかと思いきや、そのまま史上最長の続伸記録を2日も伸ばす16連騰まで達成、市場では「ついに新しい地平に入った」「デフレ脱却への道が拓けた」と、前向きな声が出てきています。
株高要因としては、直近の大きな経済イベントとなった衆院選が引き合いに出されますが、実はそればかりが主な原因とは言えません。
日本だけじゃない、「世界同時株高」の発生
日本株の歴史を塗り替える株高を含め、現在は「世界同時株高」にあるとも言われています。つまり上がっているのは日本株だけではないのです。
米国株で史上最高値更新が続いているのは、日本でも多くの投資家が知るところと思われますが、実は韓国やフィリピン、あるいはインドなどでも過去最高値が更新されているといいます。なぜこのような世界同時株高が起こっているのでしょうか?
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景気が上がったから株高、ではない?
この世界的な株高の背景には、極端な金利の低さがあると言われています。
米国あるいは日本では極端な低金利が続いています。そのため、本来ならそちらに向かっていたはずのリスクマネーが運用先を失い、日本を含む各国の株式市場に流れ込み、その結果として形成された株高トレンドなのではないか、というのです。
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日本株に史上初記録続くも、実は・・・
日本の株高要因とされるものを再び見てみましょう。
アベノミクスの成果はグローバル投資家から一定の評価を受けており、衆院選での大勝がそれをさらに押し上げました。上向いた企業業績も続いて発表されており、以前に比べ楽観的な見通しが出てきています。
しかし、相次ぐ不祥事、低いままの金利、さらには今後控える日銀総裁人選など、不安定要素もいまだ存在しています。
つまり、日本は「前よりは状況が良くなった、しかし景気上昇にはまだまだ遠い」というのが本当のところでしょう。
しかも、株高といいつつ、実はPER(株価収益率)はようやく15倍が見えてきた程度で、世界標準にやっと追いついたか、という程度です。バブル期の日経平均高値は40倍にも達しており、現在はその半分の水準にもおよんでいません。
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景気の裏付けがない日本株の上昇トレンド
このように、日本株を取り巻く状況は、実はさほど楽観的ではありません。
株高は「行き先を失った」世界のリスクマネーが逃げ場所として流れ込んできただけで、それを支えるべき実体経済は、加熱しているというよりも「マシになってきた程度」ということです。
このような状況だとすると、今の株高が中長期的に堅調なトレンドを形成する可能性が高いとは言えません。
むしろ、今はリスクマネーの矛先として(他の国に対してと同じように)日本株にも投資しているグローバル投資家が、景気が悪くなったり、投資先を他に見つけたときは、比較的景気に勢いのない日本株を切り捨てる可能性があります。
そうなると、株価は再び下がります。
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海外リスクマネーの流入一服も視野に
個人投資家としては、この株高に乗る一方で、日本株の今後の見通しがけして明るいばかりではない、ということを頭に置いておくべきです。そして、いずれ海外マネーが途絶え株価が落ちる可能性を視野に入れ、そのときにも持ちこたえられる銘柄を選別する必要があります。
そのときに持ちこたえられる銘柄とは、高ROE銘柄のことです。
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ROEとは?/高ROE株に期待できるもの
ROEとは「自己資本利益率」のことです。
ひらたくいうと「株主からもらったお金(資本金)どれだけの儲けを上げられたか」をはかる指標のことです。
100円の資本金で利益を50円出せたら、ROEは50%です。100円の資本金で1円しか利益がでなければ、ROEは1%となります。このように、ROEが高いほど、その企業が資本金から利益を生み出す力が強いと言えます。
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株高収束局面に頼れそうな高ROE銘柄リスト
今の株高トレンドだけでなく、今後の相場の波にも耐えられそうな、ROEが高い企業の銘柄のリストが、次のものです。
コード | 銘柄名 | 株価 | 今期ROE(予) | ROE(上昇幅) | PER | 利回り |
---|---|---|---|---|---|---|
9769 | 学究社 | 1,593 | 43.1 | 6.95 | 15.8 | 3.77 |
3465 | ケイアイ不 | 2,161 | 30.7 | 2.3 | 9.2 | 3.24 |
1878 | 大東建 | 20,350 | 32.0 | 0.74 | 17.8 | 2.75 |
8035 | 東エレク | 19,070 | 25.1 | 5.95 | 19.2 | 2.61 |
2440 | ぐるなび | 1,708 | 26.2 | 1.11 | 17 | 2.58 |
3738 | ティーガイア | 2,192 | 34.5 | 4.76 | 12 | 2.51 |
今期のROE予想が高く、しかも前期からROEが上昇しているものを選別し、さらに利回りにも優れる銘柄を選びました。
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高ROE銘柄の選び方
ROEが継続して伸びているというのは、成長性、あるいは収益の持続性を図るうえで、高く評価すべき指標といえます。PERが20倍近いものも目立ちますが、ROEが高く、かつPERがこのあたり(10-20前後)の銘柄であれば、今後の事業成長性が期待できます。
ROEの高さは、グローバル投資家から注目される指標ともなります。これらのようにROEが安定して高い場合、今後海外の機関投資家から優先して買いが入ることも考えられるでしょう。
ROEはもちろんのこと、連続増配(配当が毎期上がっている)や高配当(4-5%の配当が期待できる)といった指標でも、国内株の選別をより確かなものにできます。こちらで様々なリストが公開されています。