ドルコスト平均法で日経平均インデックス投資シリーズの第3弾です。
前回は、ドルコスト平均法で日経平均インデックス投資―リーマンショックから投資でリーマンショックが起こった月の2008年9月から日経平均インデックス投資をすると儲かるかどうかをシミュレートしましたが、今回は、ITバブル(インターネット・バブル)崩壊の2000年3月からドルコスト平均法で投資するとどの程度のリターンになるかをシミュレートします。
ITバブル(インターネット・バブル)とは
ITバブル(インターネット・バブル)とは、アメリカで1990年代の末にインターネット関連企業の株が異常に上昇したバブル相場のことです。日本では、1999年1月から2000年11月までの景気拡大期のことを呼ぶ場合が多いです。
日本のITバブル崩壊は、もともと1989年のバブル崩壊から長引く景気低迷でIT投資も限定的だったのでアメリカと違い、影響は限定的だったという説が一般的です。
しかしアメリカのように失業や倒産こそ少なかったものの、株価で言うと日本のITバブルは、2000年3月に光通信の不正疑惑が報じられたことをきっかけに崩壊し下落しています。
このときの光通信の下落率は、99.1%と100分の1以下になっています。20日間連続ストップ安という記録も作っています。
ソフトバンクやトランスコスモスなどの株価も100分の1近くまで下落して、ITバブルは崩壊しています。
●ITバブル崩壊の2000年3月から約2年間の日経平均株価の推移
日経平均株価も2000年3月の終値の20337.32円から月の終値ベースではどんどん下がっていってます。1万円割れまで一直線で下がっています。
この長期低迷期間の最初の2000年3月から日経平均を買い始めるとどのような成績になるのでしょうか。
条件は、いつもと同じで
1、その月の最後の営業日の終値で1万円分日経平均を買う
2、手数料等は無視する
ドルコスト平均法でITバブル崩壊の2000年3月から日経平均インデックス投資
それでは、実際にITバブル崩壊後2000年3月から2016年3月まで買い続けるとどのような成績になるでしょうか。
実際には、2016年3月の時点では、
資産額:2,716,919円(140.8%)
になっています。
●ITバブル崩壊後からのドルコスト平均法で買った時の投資額と資産額
上記を見ると2007年7月のサブプライム問題での下落からリターンがマイナスになり、アベノミクスの開始で2013年2月からリターンがプラスになっています。
前回のリーマンショックから投資したのは、下落局面がリーマンショックしかないのに対して、今回のITバブル崩壊後からの投資は、ITバブルの崩壊とリーマンショックと2つの下落局面があります。
●投資額と資産額のリターンの割合
どの時期にどのくらいも受けているか損しているかが上記のグラフでわかります。
100%の太い黒線の上にグラフの線が行っていると儲かっていて、下なら損しています。
これを見ると当然ですが、株価の下落局面、ITバブル崩壊とリーマンショック(サブプライム問題)の時には、リターンが100%を下回っていて、損しています。
しかし株価の上昇局面では、リターンが100%を上回って儲けています。
リターンの割合は、リーマンショック後から買ったときの147%には及びませんが、140%となっており、かなりいい成績になっているのではないでしょうか。
ITバブル崩壊後からの投資結果
今回のシミュレーション結果も良好な結果になっています。
サブプライム問題での下落局面では、リターンが100%を下回りましたが、アベノミクスの株価上昇で一気にプラスになりました。
しかしドルコスト平均法を使ってインデックス投資をすると常に儲かるようなイメージがありますが、やはり株価の下落局面では損をしています。
ドルコスト平均法は、下落局面での平均価格を均す効果がありますが、逆に上昇局面での平均価格も均す効果があるのでリスクもリターンの抑える投資方法です。
ドルコスト平均法でバイアンドホールドを続けるのが一番いいのかどうかは、その人の価値観によると思われますが、もっといい投資方法があると信じて、いろいろと実験とシミュレーションをしていきたいと思います。