日経平均のPER(株価収益率)を理解しよう【2017年版】

日経平均のPER(株価収益率)を理解して暴落に備えよう!

株価の状況を判断する指標にPER(株価収益率)というものがあります。
通常は、個別株で算出するのですが、日経平均でも算出することが可能で、日本の市場の状況を判断するひとつの目安になっています。

今回は、日経平均のPERとその他の指標のPBR・EPS・BPSなどの関係を解説していきます。

参考:日経平均PERのチャート

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日経平均のPERとは?

PER「株価収益率」とは?

まず、PERについて簡単に説明します。

PERは、「株価収益率」と呼ばれ、「時価総額÷総利益」もしくは「株価÷一株あたりの利益」で計算し、株価が、利益の何倍買われているかという意味です。

ちなみに「時価総額÷総利益」と「株価÷一株あたりの利益」は同じ意味です。
時価総額を株式数で割ったものが株価で総利益を株式数で割ったものが一株あたりの利益です。

時価総額÷総利益=(時価総額÷株式数)÷(総利益÷株式数)=株価÷一株あたりの利益

株価が1000円で1株あたりの利益が100円なら、PERは、10倍となります。
つまり利益の10倍が株価になっているので、1株買った場合に10年で元が取れるという意味合いになります。
PERが5倍なら、元が取れる期間が5年ということです。

さらに先ほどのPERの計算式を見るとわかりましたが、分子の株価が高くなればなるほど、PERも高くなり、分母の1株当たりの利益が多くなればなるほど、PERは低くなります。

PERが高い銘柄は、1株当たりの利益に対して、株価が高くなっているか、株価の割に1株当たりの利益が少ない銘柄といえます。
PERが低い銘柄は、1株当たりの利益に対して、株価が安くなっているか、株価の割に1株当たりの利益が多い銘柄といえます。

1株当たりの利益が確保されていてPERが低い銘柄は、株価が割安と言えるでしょう。

PERは、「株価が、割安かどうかを判断できる指標」といえます。

日経平均のPERの求め方(計算方法)

日経平均のPERは、2種類あります。「加重平均」と「指数ベース」です。

日経新聞などに載っているよく使うPERは、「加重平均」の方ですので、こちらの数値で話を進めて行きたいと思います。

計算方法は、「時価総額合計÷予想利益合計」です。

日経平均のPER(加重平均)の計算式

難しく計算式を出しましたが、考え方は、日経平均株価の算出に使っている225銘柄のそれぞれの時価総額を合計して、それぞれの利益を合計したもので割ることで求められます。

225銘柄を1つの会社として擬似的に扱うことによって、日経平均のPERが求められます。

ここで重要なのが、分母の利益の部分が予想利益といって、確定した利益ではなく、今期の利益を予想して、それを当てはめていることです。

よって、決算発表の翌日から次の決算期の予想利益を元に算出しますので、企業の決算期には、株価と別にPERが変動します。

詳しい説明は、日経平均プロフィルのユーザーズ・ガイドで確認してください。

・日経平均プロフィル ユーザーズ・ガイド
https://indexes.nikkei.co.jp/nkave/archives/file/users_guide_jp.pdf

日経平均のPERの推移

UPDATE:2017年11月14日

●日経平均株価とPERの長期推移グラフチャート
2009年からの日経平均PERチャート

上記を見ると2010年4月頃までPERが30倍を超える水準ですが、その後急激に落ちて17くらいに落ち着いています。

PERの数値が変化するのは、計算式の分子の時価総額が上下する「株価の変化」と分子の純利益が上下する「予想利益の変化」の2つがあります。

「株価の変化」につられてPERが上下する場合は、日経平均株価とPERのグラフが同じ形になります。

「予想利益の変化」によってPERが上下するときは、日経株価株価との連動がなくなり、まったく違う動きになっています。

2010年4月頃のPERの大幅な減少は、2010年の決算期にリーマンショック後に低迷していた業績が、回復したことにより、利益が大きくなったためと思われます。
それまでの予想利益より決算発表後の次の期間の予想利益が大きくなったので、PERが急激に落ちたのだと思われます。

最近の2017年の日経平均とPERは、日経平均は上昇しているのに対して、PERは横ばいになっています

これは、企業が好決算で一株当たりの利益が増えてきているので、本来であれば、PERは減少します。
しかし、株価が上昇していることで、相殺されて、横ばいになっています。

なので、PERが低く、株価があっている今の状態は、企業の利益が出ている状態でそれが評価されて、株価があっているということができます。

2015年の時のようなPERと株価が一緒に上がるパターンではなく、企業利益に裏打ちされた株価上昇といえるでしょう。

さらに現在のPERは、15前後なっており、5年平均にPERとほぼ同じになっています。
PERの水準として、過去とほぼ同じなので、過熱感はないと思われます。

日本のバブル期のPERは、60倍程度といわれています。
今の状況と比べて、如何に異常な事態かがわかると思います。

参考:2004年9月からの日経平均PERのチャート

日経平均PERからみる暴落の可能性

日経平均の暴落時のPERから今後の暴落を考えて見ましょう。

バブル崩壊のときは、直前までPER60倍くらいでバブル崩壊の1989年12月のときは50倍前後でした。
ITバブル崩壊のときは、直前に100倍を超えるPERになり、2000年3月頃は、40倍前後になっていました。
サブプライム問題(リーマンショック)のときは、2007年4月の20倍前後から株価下落時の2007年9月は17倍くらいになっていました。

上記を見ると40倍を超える場合が続く場合は、バブルの可能性が高く、暴落することがあるようです。

PERが落ち着いてきた2003年以降では、サブプライム問題の時のように20倍を超えた場合に過熱感が大きくなり、株価が暴落するときが訪れる可能性があるようです。

それでは、現在は、どうでしょう?

直近の高いPERは、2015年の4月の18.19倍です。
その後日経平均が、8月を頂点に下落し始めています。

現在のPERが、2016年6月15日で13.28倍となっています。

リーマンショックのときの一番低いPERの値が、208年10月27日の9.53倍です。

暴落時のPERは、大体半分程度までの数値になっています。

今回もそうだとは限りませんが、直近のPERの半分になると仮定すると9.09倍になります。
予想利益が変わらない場合は、今の日経平均株価から31%ほど下落する計算です。

16000円から考えると約11000円に下値のめどがある計算になります。

日経平均PERのまとめ

日経平均のPERについて解説しました。
PERに関しては、この指標1つだけで判断すると間違う場合がありますので、複数の指標をからめて判断することがよいと思われます。

今回の日経平均PERからの暴落の考察は、1つの事例として受け止めてほしいと思います。

しかし、他の日経平均株価の騰落率から見る暴落の下値も11000円程度と同じ数値になりましたので、自分ではけっこう信憑性が高くなってきたのではないかと思っております。

本日の日経平均は、-431円と大幅な下落なりました、英国のEU離脱を控えて、来週いっぱいは、下落相場が続きそうです。

参考:日経平均PERのチャート

 

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