「リーマンショックでも下がらなかった株!?」　は残念ながらありません。リーマンショック直後には、ほぼすべての株が値下がっています。個別株は短期的にはどの株も急落しました。

しかし、期間を少し長めにとると状況は一変します。日経平均がリーマン・ショック後の終値ベースで大底を打った2008年10月28日に、その直前の高値（2007年7月9日の最高値）の時の株価を越えた株はあるのでしょうか？　驚くことに、日経平均が3分の1に下落する中で、下がらないどころか値上がった銘柄が79もあるのです。しかも、2倍以上になったのが4銘柄、3倍以上になったのが1銘柄あるのです。銘柄の詳細を説明する前に、調査方法を解説します。

「リーマンショックでも下がらなかった株」調査方法

上がった株ランキングは、日経平均がリーマンショック直前最高値を付けた2007年7月9日と、リーマンショック後の最安値をつけた2009年3月10日を比較し、上昇率が高かったものから降順にランキングしました。

〇日経平均株価　リーマンショック前後の最高値最安値

日経平均の最高値日と最安値日を比較すると、たった20ヶ月で61.3%もマイナスになっています。

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リーマンショック時に上がった株ランキング

下表がリーマン・ショック時に上った個別株のランキングです。最安値日の株価を100％とした場合、100％以上の株は79銘柄ありました。そのうち上場廃止、倒産、合併など、なんらかの理由で市場から証券コードが消滅したもの（25銘柄）は除外しており、最終的に残ったのは54銘柄ありました。

54銘柄中、最も上昇したのは古河電池の338.67％がダントツで、150％以上のものは上昇率が高いものからオンコセラピー221.90％、ツクイ200.59％、ウェザーニュース184.11％、ザッパラス169.35％、ぐるなび150.00％と続きます。150％以上の上位6社中の3社（ウェザーニュース、ザッパラス、ぐるなび）がサービス業と情報通信業に分類されていますがインターネット関連業になります。インターネット業には、この他にもソーシャルゲームのケイブ、モバイルコンテンツ配信のサイネックス、ネット通販の楽天などがランキングに含まれており、合計６社がランクインしています。この傾向は、ランク外の下落が低い銘柄にも見ることができ、インターネット関連業は暴落に強い業種と言っていいようです。

100％以上の業種別では、小売業13、サービス業８、卸売業５、情報通信業５、医薬品4などが多く、これら4業種で全体の約65％を占めました。反面、景気後退期に売られる銀行、保険などはありませんでした。

ランクイした株はどうして、日経株価が60％以上も下落する中で、上昇したのでしょうか？　暴落に強い業種として、交通関連、エネルギー関連、生活必需品関連、医薬品関連が挙げられますが、ランクインした個別株にこれらの業種が多かったということはなさそうです。つまり、上昇している理由が業種ではなく、個別の要因に起因しているようです。

〇リーマンショック前の日経平均高値2007年7月9日と日経平均安値2009年3月10日の比較

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