4月4日の空売り比率が今年最高を記録しました。
空売り比率と日経平均株価との関係を考察してみましょう。
空売り比率とは?どこでわかるの?
空売り比率とは、東証の取引の中で空売りが占めている割合のことです。
一般的には、その日の空売り比率が多いと取引の中で売りが積みあがっていることを示すので、株価は下落しやすく、逆に空売り比率が低ければ買いが多いことを表し、上昇することが多いです。
しかし空売りは、一定期間で買戻しをしなければならないので、将来的な買い材料が積みあがってると考えられ、短期的には上昇しやすい地合いになります。
空売り比率は、東証が毎日その日の取引の分を夕方に発表しています。
・東証HP 空売り集計
http://www.jpx.co.jp/markets/statistics-equities/short-selling/index.html
夕方5時ごろにその日の分がPDFファイルで更新されます。
下記のような形でPDFで発表されます。
東証で発表される空売り集計は、実注文と空売り(価格規制あり)と空売り(価格規制なし)の比率が分かるようになっています。
空売り(価格規制あり)と空売り(価格規制なし)を合わせて、空売り比率と呼ばれています。
空売り(価格規制あり)と空売り(価格規制なし)の違いは、機関投資家のような大きな額を取引するものは、空売りで直前の価格より上の価格でなくては取引できないというルールがあります。
・空売り(価格規制あり)=機関投資家・ヘッジファンドなど
・空売り(価格規制なし)=個人投資家
大雑把な分け方ですが、このようにイメージしておくとわかりやすいと思われます。
直近1週間の川売り比率を見てみると
日付 | 空売り(規制あり) | 空売り(規制なし) | 空売り合計 |
---|---|---|---|
2017年03月27日(月) | 32.80% | 8.40% | 41.10% |
2017年03月28日(火) | 29.40% | 9.70% | 39.10% |
2017年03月29日(水) | 33.50% | 6.80% | 40.30% |
2017年03月30日(木) | 34.30% | 6.60% | 40.80% |
2017年03月31日(金) | 34.60% | 5.80% | 40.40% |
2017年04月03日(月) | 34.90% | 5.10% | 40.00% |
2017年04月04日(火) | 35.30% | 7.90% | 43.20% |
川売り比率自体は、4月4日を除いて、そんなに上下はありませんが、空売り(規制あり)の割合いが多くなって、空売り(規制なし)の割合が少なくなっています。
機関投資家やヘッジファンドなどの空売りが徐々に多くなっていってるので、ここ1週間は日経平均が下落傾向にあると思われます。
空売り比率を見るときは、合計だけではなく、空売り(規制あり)の割合も同時に増えているかどうかをチェックすることが大切です。
空売り比率と日経平均の関係
空売り比率と日経平均の関係はどのようになっているのでしょうか。
基本的には、上記で説明したように空売り比率が高まると日経平均が下落して、空売り比率が低くなると日経平均が上昇するという傾向になります。
空売り比率を1日づつ見ていくよりも空売り比率が傾向として高まっているのか低くなっているのかをつかめると日経平均の上昇下落の傾向がつかめる可能性が高いです。
そこで空売り比率と日経平均の相関をとってみると今年1月4日から4月4日まででは、79%と高い相関が出ました。
さらに空売り比率の5日移動平均と日経平均の相関をとってみると81.5%とさらに高い相関が出ました。
傾向を見る場合は、株で有名な移動平均の考え方を取り入れるとより傾向が分かりやすということです。
○日経平均と空売り比率(5日移動平均)のグラフ
2017年1月から4日4日までの日経平均と空売り比率(5日移動平均)のグラフです。
青い線が日経平均でオレンジの線が空売り比率です。
若干わかりづらいですが、青い線とオレンジの線は、反対の動きをしているのが分かると思います。
日経平均(青線)が上昇するときは空売り比率(オレンジ線)が下落する、もしくはその反対です。
そして、空売り比率のオレンジの線が40%を超えると数日後には株価が反発しています。
直近のグラフを見るとオレンジの線が40%を超えて、日経平均は下落しています。
今まで通りですと、ここから数日間で反発して、19400円くらいまで上昇する確率が高いと言えます。
あくまで今年のグラフからの判断ですので、うまくいくかわかりませんが、日経平均と空売り比率は高い相関がありますので、空売り比率の傾向を押さえておけば、日経平均の傾向もわかってくるのではないでしょうか。