日経平均株価も上昇し、世界株高になり、アメリカの株価指数はS&P500もNYダウもどんどん史上最高値を更新し続けています。
好調な米インデックスに投資する場合に有名なNYダウと広範囲なS&P500のどちらに投資するほうがいいのでしょうか、検証してみましょう。
このページの目次
米国株式に投資する
米国株式市場に投資する方法としては、主に3種類あります。
1、日本で売っている米国の投資信託を買う
一番、オーソドックスなのは、日本で売っている米国株式に投資している投資信託を買うことです。
米国が投資対象な投資信託は、楽天証券だけで、374あります。
NYダウやS&P500に連動した投資信託から、リートやハイイールド債に投資するものなど様々な商品があります。
投資信託は、購入手数料が無料の場合が多く、小額からの積み立てに適しています。
今回は、わかりやすい米国のインデックス、NYダウとS&P500に投資することにします。
2、米国のETFを買う
2つ目は米国に投資しているETFを購入することです。
米国に投資しているETFは2種類あり、アメリカの証券市場で上場されているETFと日本の市場で上場されているETFがあります。
アメリカに上場されているETFの方が数が多いんで選ぶ選択肢が多いですが、ドルで買うことになるので、為替手数料がかかってしまいます。
日本に上場しているETFは、数は少ないですが、為替手数料がかからないという利点があります。
ETFは、信託手数料は安いのですが購入手数料がかかるので、小額の積み立てには向かず、ある程度の資金で一度(もしくは数度)で購入することに向いています。
信託手数料が安いので、長期投資にも向いています。
3、米国の個別株を買う
3つ目は米国の個別株を直接買うことです。
アップルやGoogleなどを直接買うことが可能です。為替手数料がかかります。
最近は、小額で買える証券会社なども出てきて、身近になりました。
・少額で米国株が買える「One Tap BUY 米国株」
1000円から米国株が買えるアプリで、amazon、アップル、アルファベット(Google)やNYダウの銘柄のキャタピラーやコカ・コーラなどの個別株を買うことができます。
売買手数料は、0.5%で為替手数料も別途かかりますが、少額から、アメリカ市場の有名企業に投資できる唯一のサービスだと思われます。
個別株自体が難しいので、おすすめはしませんが、自分の好きな会社がある場合は、小額を購入しても良いのではないでしょうか。
米国株式のインデックス投資 S&P500とNYダウ
有名な投資家のウォーレン・バフェット氏は、自社の株主への手紙で株式のプロでない人にはS&P500に連動した低コストのインデックスファンドを買うことを進めています。
さらにバフェット氏の妻への相続の信託では、「現金の10%を政府短期債で、残り90%はS&P500のインデックスファンドで運用」することを支持し、低コストで知られるバンガードの社の商品を勧めていました。
日本の著名なインデックス投資家の人やアナリストの人も米株式に投資する場合は、広範囲に投資できるS&P500を勧めています。
NYダウは、30銘柄からなるインデックス指数で、S&P500は、500銘柄からなる指数ですので、より広範囲に分散投資できるのがS&P500の方ですので、S&P500を勧めているのだと思われます。
では実際にそれぞれのインデックス指数のドルベースの成績はどうなっているのでしょうか?
過去の複数の期間でNYダウとS&P500がどのくらいの騰落率(ドルベース)になっているか見てみましょう。
S&P500 | NYダウ | |
---|---|---|
1年 | +20.01% | +23.52% |
2年 | +14.23% | +16.44% |
5年 | +69.16% | +58.35% |
10年 | +60.24% | +60.41% |
1985年~ | +1211.02% | +1528.44% |
リーマンショック前の高値 | +51.76% | +47.94% |
リーマンショック後の安値 | +251.10% | +220.06% |
リーマンショック時の下落率 | -56.78% | -53.78% |
※2017年3月6日を起点として計算
3月6日の終値から1年前、2年前という形で、どのくらいの騰落率になっているかが上記の表です。
直近の期間だと、5年前と比べた場合にS&P500が10%程度成績がいいのですが、他の1年2年10年では、僅差ですがNYダウの方が成績がいいです。
1985年からだと圧倒的に300%ほどNYダウの方がいい成績です。
リーマンショック前の高値の2007年10月9日とリーマンショック後の安値2009年3月9日と比べるとS&P500の方が成績がいいです。
ただし、リーマンショック時の最高値と最安値でどれくらい下落したかを出してみると3%ほど、S&P500の方が下落しています。
S&P500 | NYダウ | |
---|---|---|
1年 | 19.32% | 24.13% |
2年 | 23.55% | 31.49% |
5年 | 83.25% | 80.04% |
10年 | 75.86% | 76.57% |
11月10日に計算しなおした値が上記の値です。
NYダウもS&P500も史上最高値を更新していますが、直近では、NYダウの伸び率の方が高いようです。
1年と2年で比べると3月が3%~4%の差だったのに対して、11月では、5%~8%の差になっています。
5年でもS&P500の方が大きくリードしていましたが、3%差まで縮まっています。
まとめると
- ・直近の数年は、NYダウが若干成績が良い
・3月から11月にかけてはNYだの方が伸び率が高い
・リーマンショック時の下落率はS&P500がNYダウより大きい
・そこからの反発もS&P500の方が大きい
・1985年から見ると圧倒的にNYダウが良い
・5年前から比べるとS&P500が良いが、その差が縮まっている
ということでしょうか。
上昇相場になると、超優良企業だけを集めたNYダウの方が伸び率が良いようです。
結論としては、どちらも変わらないというのが私の考えです。
上記の表だけで見ると下落率はS&P500の方が大きく、そこからの上昇もS&P500の方が大きいという上下への振れ幅が大きいインデックス指数という評価です。
通常だと分散投資しているほうが振れ幅が小さい印象ですが、リーマンショックの時を見ると逆の結果になっています。
10年前から見るとどちらもほぼ同じ騰落率なので、どちらに投資しても誤差の範囲での結果になるのではないでしょうか。
実際は、評価をする時期によってS&P500が良かったりNYダウが良かったりということになると思われます。
ただし、実際に投資信託を買う場合は、NYダウがおすすめです。
それは信託手数料に差があるからです。
UPDATE:2017/8/23
「iFree S&P500インデックス」が8月31日から発売されることが決まりました。
信託報酬は、年率0.243%(税抜0.225%)とiFree NYダウ・インデックスと同じ低コストのインデックスファンドになります。
NYダウとS&P500は、どちらに投資してもよいという結論通りにiFreeのNYダウかS&P500の好きな方に投資していいと思います。
NYダウに連動する投資信託で一番信託報酬が安いものは、「iFree NYダウ・インデックス」で信託報酬は、0.243%です。
対して、S&P500に連動する投資信託は、i-mizuho米国株式インデックスしかなく、信託報酬は、0.6156%となっています。
単純計算で0.3726%差がありますので、10年では、約3.7%の手数料の差がついてしまいます。
iFreeでS&P500が信託報酬が同じで出ましたので、どちらを買ってもいいと思います。
「iFree NYダウ・インデックス」は2016年9月にできたばかりの投資信託ですが、順調に資産が増えています。
それまでのNYダウの連動投資信託の信託手数料の半額以下という安さが受けているのだと思います。
「iFree S&P500インデックス」は、当初は、5億円からスタートして、マザーファンド方式での運営になりますので、他のファンドに投資するわけではなく、実際に大和証券投資信託委託株式会社が運営することになります。
インデックスブログを書いていてS&P500に投資している人は、こちらに乗り換える方が多いのではないでしょうか。
投資信託 | 信託手数料 | 連動インデックス |
---|---|---|
iFree NYダウ・インデックス | 0.243% | NYダウ |
iFree S&P500インデックス | 0.243% | S&P500 |
i-mizuho米国株式インデックス | 0.6156% | S&P500 |
SMT ダウ・ジョーンズ インデックス・オープン | 0.54% | NYダウ |
eMAXIS NYダウインデックス | 0.648% | NYダウ |
インデックスファンドNYダウ30(アメリカ株式) | 0.6696% | NYダウ |
SMTAMダウ・ジョーンズ インデックスファンド | 0.7452% | NYダウ |
参考にほかのNYダウ連動の投資信託の信託手数料も載せておきます。
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