最高値更新の続いている、米国のNYダウ平均株価。
さて、暴落はいつくるのか?
暴落の先行指標として、NYダウのPER(株価収益率)、シカゴのVIX指数(恐怖指数)、REIT(DOW JONES EQUITY REIT INDEX)、ヒンデンブルグオーメンなどがあります。
危険サインが出たからと言って必ず暴落するというわけではありませんが、過去の暴落事例では暴落する前にこれらのサインが現れていることが多く、大事な資金を減らさないためには注目しておいて損はありません。
○指標の危険サイン
・NYダウ PER … 20を超えると危険サイン
・シカゴ VIX指数 … 30を超えると危険サイン
・REIT … 上昇し始めると危険サイン
・ヒンデンブルグオーメン … 点灯すると危険
今回はこれらのサインの中で、REIT(リート)に注目します。
REIT(リート)と景気の関係性
REITとは、不動産投資信託のことを指します。
REITは不動産の指数なので、金利の上げ下げの影響を受けやすく、不況下では「金利が低下するので、REITは利回りが上昇し、価格が上昇」しだします。
好景気になると「金利は上昇するので、REITは利回りが下落し、価格も下落」しだします。
低金利であればお金が借りやすくなり不動産も売れる=REITが上昇するというわけですね。
景気サイクルに対して、REITが株価に先行し、上昇下落するということになります。
「NYダウの暴落時期が分かる!REIT(リート)とNYダウの関係」
今回の場合は、米国ダウ・ジョーンズ社が運営するREIT指数と、NYダウの関連性を見ていきましょう。
DOW JONES EQUITY REIT INDEX(ダウ・ジョーンズリート)
アメリカの代表的なREIT指数。
ダウ・ジョーンズ社が運営する不動産投資信託で、米国株式市場ほぼ全ての上場不動産投資信託をカバーしています。
REITとNYダウの関係、2017年
2016年の「NYダウの暴落時期が分かる!REIT(リート)とNYダウの関係」記事では、このような説明を行いました。
チャートを見るとREITの最高値は、2016年8月1になります。
現在、米国は、年内利上げを見込んでいますので、今後、REITが上昇して、高値を超えることは難しそうです。REITの最高値が2016年8月1日だとするとリーマンショックの時の間隔をそのまま当てはめると、株価の最高値時期が7か月後の2017年3月で暴落時期がそれから約1年後の2018年3月~4月となります。
「NYダウの暴落時期が分かる!REIT(リート)とNYダウの関係」より
○リーマンショック前、NYダウとREITの比較チャート
その後、
今年に入ってからNYダウとREITの関係はどうなったか見ていきましょう。
○2016年から2017年にかけて、NYダウとREITの比較チャート
米国は好景気が続き金利も上昇を続けていることから、REITは2017年に入ってから±7%程度の間で小幅な上昇下落を繰り返していて、あまり大きな動きはありません。
2016年11月7日に安値をつけてからは、じわじわと上昇しています。
NYダウ予想
○2016年の記事内容の結果
1.「REITが、2016年8月1日(米国:7月25日)の高値 376.28を超えることはない」
→ 正解○
2.「NYダウ株価の最高値は、2017年3月になるだろう」
→ 間違い×
NYダウは、2017年2月末に一度山を迎えてやや調整しましたが、その後に再び上昇を始めています。
3.「次の暴落は、2018年3月~4月頃にくる」
→ まだわからない
リーマンショック前のNYダウとREITの動きを見ると、高値をつけてからは数カ月かけて徐々に上値を切り下げています。
現在は、NYダウは上昇を続け、REITはその場にとどまっていることから、株価はリーマンショック前のチャートとは異なる動きをしているといえそうです。
よって、景気後退からの暴落時期はもう少し先、予想した春よりも先となるかもしれません。
2018年の年明け以降、REIT指数が下がり始めることがあれば、動きを注意深く見守る必要がありそうです。
世界経済は連動していることから、NYダウが下落すれば日経平均も下がるので、日経平均の暴落を予見するにも、REITとNYダウの関係性をチェックするのは有用といえそうです。