日経平均株価を左右する日銀金融政策決定会合とFOMC(米連邦公開市場委員会)が終わり、今後の市場の関心が、11月の米大統領選へと移りました。
今回は、米大統領選が日経平均に与える影響を考察してみたいと思います。
過去の米大統領選の時の日経平均株価
過去の大統領選のあった年の11月以降の日経平均株価は、2000年以降だと大統領選以外の要因で上下していると思われます。
年 | 株価要因 | 株価推移 | 大統領 | 政党 |
2000年 | ITバブル崩壊 | 年末にかけて下落 | ジョージ・W・ブッシュ | 共和党 |
2004年 | 特になし | 500円程度上昇 | ジョージ・W・ブッシュ | 共和党 |
2008年 | リーマンショック | 500円程度下落 | バラク・オバマ | 民主党 |
2012年 | 安倍内閣発足 | 12月に上昇 | バラク・オバマ | 民主党 |
上記のように2004年以外は、株価の大きな変動要因があり、大統領選とは関係ないことで株価が上下しています。
2004年は、ジョージ・W・ブッシュ大統領の2期目なので、今回のように大統領が変わるわけではないので、あまり参考にならないのではないでしょうか。
2000年以降の過去の日経平均は、今回の大統領選後に株価予想には、あまり参考にならなそうなことがわかりました。
今回の2人の大統領候補の経済政策とドル円為替
今回の米大統領候補は、民主党のクリントン前国務長官と共和党のトランプ氏です。
この2人の経済政策によって、ドル円相場が動き、株価への影響が出ることと思われます。
それぞれの大まかな経済政策は、クリントン氏は、富裕層の増税と中小所得者の減税など労働者や中小所得者向けの内向き経済政策で、トランプ氏は、所得税・法人税の減税で企業・富裕層寄りの経済政策でさらにドル安をよしとしています。
TPPは、両者とも反対で、インフラへの投資も両者とも実行するということを発言しています。
クリントン氏の内向きの経済対策は、ドルに対しては、マイナスに働きドル安に動くと思われます。
トランプ大統領は、そもそもドル安誘導を行うと思われることから、ドル安になると思われます。
どちらの候補になったとしてもドル安=円高になる可能性が高いです。
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今回(2016年)の米大統領選の日経平均への影響
今回の米大統領選は、どちらの候補が大統領になっても当面は円高ドル安になりそうですので、日経平均は下落すると思われます。
クリントン氏の経済政策はムーディーズによりますと2016年~2020年までの実質GDPの成長率が、現在のままの政策だと2.3%増のところ、2.7%増になるとの試算が出ています。
この場合は、直近の2016年は、円高ドル安によって日経平均は下落しますが、その後に米の経済成長によってドル高円安になってきて、日経平均が上昇する可能性もあると思われます。
トランプ氏の場合は、今までの暴言などで大統領就任後にどのような政策をとるか不透明であり、実際に政策を発表するまでは、株価へ多大なるマイナスの影響を与えると思われます。
世界同時株安を誘発する危険性があります。
どちらにしても日経平均への影響は、マイナスになると思われ、クリントン氏の場合は、14000円程度までの下落で、トランプ氏の場合は、最悪1万円を切る下落になると予想いたします。