2007年8月、のちに世界的な株価暴落を引き起こす、フランスの大手銀行「パリバ」関連ファンドにまつわる金融不安、いわゆる「パリバ・ショック」が発生しました。
2017年8月は、このパリバショックからまる10年目となりますが、長い時間がたった今も、金融不安はいぜん市場をもやのように覆っています。
パリバ・ショックとは何か、この8月には何が起きるのか、本記事で解説します。
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パリバ・ショックとリーマン・ショック
2007年、フランスの大手銀行であるBNPパリバ系列のファンドが、突然解約を一時凍結しました。これにより、世界中の金融市場ではパニックが起こります。
パリバが凍結したファンドは、いわゆる「サブプライム・ローン」の関連商品であったため、他のサブプライムローン関連商品も買い手がつかなくなり、多数の解約が発生しました。
この解約の対応のため、商品の現金化はすぐに困難になりました。
そうすると、サブプライム・ローン関連商品を積極的に購入していた欧米の投資家は動揺し、次第に巨大な信用不安の渦が巻き起こりました。これが「パリバ・ショック」です。
パリバショックの混乱は、さらに大きな金融危機へとつながっていくことになりました。
それが、2007-09年の世界的金融危機である、サブプライム・ローン危機、およびリーマン・です。
パリバショックが8月に発生したのは偶然ではない?
パリバショックが起きた節目は、ファンド解約凍結が宣言された日、すなわち2007年8月9日とされています。
そのため、2017年8月9日には、パリバショックからちょうど10年目となります。
そもそも8月という時期は、夏枯れ相場や8月円高のほか、2011年には米国債格下げによる金融危機など、イベントリスクが高まる時期でもあります。
事実、数字のうえでも、8月には不安材料が見つかります。
例えば、8月に限って日経平均株価の下落幅平均を取ってみると、リーマン・ショック以降に限定しても、2009年以降では平均2.9%と、全12ヶ月のなかでも最大の下落幅となります。
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大幅安値見られる日経平均、8月の見通しに陰
8月9日、日経平均株価は大幅に下げ、5月末から数えて約二ヶ月半ぶりとなる安値をつけました。
終値は前日比256円安の19,739円で落ち着くも、昼過ぎには一時、前日比300円安を超えるさらに大幅な安値もつけています。
目に見える最大要因は地政学リスク、しかし…
原因としては、相次ぐ決算発表など複数要因はあれど、最も大きなものは北朝鮮と米国の緊張を警戒した地政学リスクと考えられます。
といっても、8日に新たな報道が警戒感をあおったとはいえ、地政学リスクも今日に始まったものではありません。
これは、言ってみれば、8月に入ってようやく、投資家の間でリスクに現実感がわきはじめ、ついに警戒感が上昇し始めた、と見ることもできるでしょう。
8月相場、パリバから10年で依然見通しに欠け
米・北朝鮮の緊張が高まるにつれ、今日は、いったん資金を引き上げる動きが出始めています。また、先物にヘッジ売りを出す動きが機関投資家のなかで見られる、との情報も入ってます。
それに伴い、大型株から中小銘柄までまんべんなく売りが目立つようになっています。
2017年8月が9日に入り、パリバショックが遠い過去のものとなっても、8月相場の見通しはいぜん透明感に欠けるものとなっています。
週次・月次の日経平均を、AIが予想した値が、こちらのページで更新されています。
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