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レバレッジと強制ロスカット/読めば怖くない先物取引

日経225先物やFXなど、レバレッジをきかせて少額で大きな金額のトレードを行うことができる投資で、必ず考えておかなければならないのが、ロスカットです。

通常の意味のロスカットは、単に損切りといった意味合いですが、レバレッジ取引に特有のロスカットは、いわゆる強制ロスカットのことです。

強制ロスカットは怖い?

強制ロスカットとは、追証(追加証拠金)が払えないときに、建玉が強制的に決済されてしまうことをいいます。

取引に大きな損が出ても追証が支払われなかったときは、そのままだと損を証券会社が負わなければならなくなってしまいます。そこで証券会社は、損を出している建玉を強制決済し換金し、それ以上の損失を出さなくて済むようにするのです。

追証が発生する金額イメージ(日経225ミニの場合)

例えば、SBI証券で日経225先物ミニを取引するなら、最低必要証拠金は1枚あたり78,000円となります。(※2018年3月27日時点、SBIサイトより)そのため、入れる証拠金は必ず、78,000円以上となります。

ここで、仮に日経平均株価が2万円のときに、証拠金を10万円入れて1枚を買いから取引したとすると、いくら日経平均株価が下げたら追証が必要となるのか(追証を支払えなかったときに強制ロスカットされるのか)、下記の表でイメージしてみましょう。

前提:金額 ※買いから入った場合
日経平均株価が20,000円 とすると、
日経225ミニ 1枚で動かす資産額は日経平均株価×100=200万円ぶん
追証ライン:金額
最低必要証拠金が78,000円 のとき、
入れた証拠金が10万円 とすると、
追証発生(or 強制ロスカット)ラインとなる損失額は10万円-7万8000円
2万2000円
これ以上の損失が出ると追証発生
損益計算:金額
損益計算方法は日経平均株価±100円あたり
±100円×100=の損益が出る
追証(or 強制ロスカット)となる日経平均の下落幅は-2万2000円÷100=-220円

このように、日経平均株価が2万円のときに、証拠金10万円でミニ1枚を取引する場合は、日経平均株価が220円よりも下がったら、追証が必要になり、支払えなかった場合は強制ロスカットとなります。

日経225先物ミニで追証(or 強制ロスカット)が発生する金額イメージ

つづいて、同じ条件のときの追証差入れ金額イメージは、次のようになります。

買いから入った場合各金額
追証が必要な日経下げ幅-220円
更に日経が10円下げ
(-230円)のとき
10円×100=追証1,000円
(ミニ1枚あたり)
更に日経が300円下げ
(-520円)のとき
100円×100=追証30,000円
(ミニ1枚あたり)

この表はミニ1枚の場合の金額を示しています。さらに枚数が増えればそれだけ倍になります。例えばミニ2枚なら2倍、3枚なら3倍です。その金額が払えなければ強制ロスカットとなります。

あるいはラージなら、動かせる金額は1000倍になります。これは、ミニ(100倍)に比べると10倍です。ラージ1枚で取引したら、この例の場合、日経が追証ラインより10円下がるだけで1万円の追証が必要となり、払えなかった場合には、直ちに強制ロスカットが執行されます。

強制ロスカット時の損失イメージ

強制ロスカットになったとき、損失がトータルでいくらになるのかをイメージしてみましょう。上記の例をベースに、追証基準額よりさらに10円下がった場合で試算してみます。

強制ロスカット時のイメージ金額/値
購入時日経平均株価2万円
ミニ1枚あたり日経換算2万円×100=200万円
差入保証金10万円
必要証拠金7万8000円
追証 or 強制ロスカットになる
日経平均下落幅
-230円/-1.15%
(日経が2万円→1万9770円)
ミニ1枚あたり損失-230円×100= -2万3000円
損益率10万円マイナス2万3000円なので
-23%

あくまで上記の例ではありますが、このケースだと、日経平均が-230円(-1.15%)動いただけで、金額にして-2万3000円(-23%)の損失が出ています。

「損を取り返す」機会が限定される

レバレッジをきかせない現物取引、しかも日経平均株価連動ETFなどの取引だと、わずかな間に-23%の損失が出ることは、考えにくいでしょう。
※参考まで、日経平均株価の過去日次最大下落率は-14.9%です。

しかし、先物取引の場合は、日経平均株価が1%前後動くだけで、-20%を超える損失につながりかねない、ということになります。

しかも、強制ロスカットや決済期日があるために、投資家が「損を取り返す」余裕も、現物取引よりもはるかに限定されてしまいます。

レバレッジや先物取引に注意するように、とよく言われるのが、この大きな損益幅のせいであるのは、言うまでもありません。

実際に動くお金はいくら?

では、強制ロスカットで取り返しのつかないことになりかねないレバレッジ取引は、けして手を出してはいけないものなのでしょうか?もちろん、そんなことはありません。

ここで大切なのは、自分が実際にはいくらのお金を動かしているのか、をちゃんと理解しておくことです。

実際に動くお金は、証拠金の金額「ではない」

例えば、差し入れ保証金10万円でミニ1枚を取引する場合を考えてみます。

これを「10万円の取引」と考えてはいけません。

この場合、実際に動かしているお金はあくまで、1枚あたり日経平均株価×100の金額、となります。つまり、日経平均株価が2万円なら、200万円を動かしていることになります。

自分は、資金がいくらあれば200万円を取引するか

さて、あなたは手元にいくら資金があれば、200万円の取引を始めようという気になるでしょうか?

例えば、手元に1000万円あれば、200万円の取引なら、余裕を持てそうです。

では、手元に400万円だとどうでしょう?
少し余裕がなくなりますね。

では手元に200万円ならどうでしょうか。
これで200万円の現物を買っても、全額失うことはなさそうですが、あまり余裕を持った取引はできなそうです。

では、手元に10万円だとどうでしょう?

この場合はそもそも、現物なら200万円分の証券を買うことはできません。もう余裕うんぬんの話ではありませんね。しかし、先物取引ならできてしまいます。

しかしそのぶん、より鋭敏で無駄のない投資行動が必要とされます。でないと、10万円の資金など、うかうかしている間に消し飛んでしまいかねないからです。

10万円で200万円の取引をする、というのは、そういうことなのです。

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レバレッジ取引における強制ロスカットとは

一般には、レバレッジにおける強制ロスカットとは、損失を無理やり確定してしまうなにか恐ろしいもの、というイメージがあります。

しかし強制ロスカットは、こうしたレバレッジ取引の損失を大きくしないためのセーフティガードの役目を果たしている、とも言えます。

少ない手元資金で巨額投資ができるからこそ、損失が膨らみそうになったら1も2もなく確定(決済)して、それ以上の損失を限定する、というのが強制ロスカットの存在意義です。

強制ロスカットに「頼らない」取引を

むしろ気をつけるべきは、強制ロスカット自体ではなく、強制ロスカットが間に合わないほど短時間で損が膨らんでしまった、というケースでしょう。

追証入金期限が追証発生日の翌日である場合などは、この1日の間に損が大幅に膨らむこともあります。

そうならないために、追証になる前に自分でロスカットラインを決めておき、すばやく冷静に損切りをしていければ、レバレッジ取引で損を限定し利益を伸ばすことができるかもしれません。

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