29日のドル円は、米緩和縮小期待が後退し円安一服ののち、108.80付近で底堅い。ドル買いに振れやすい地合いは変わらず、次の上値メドが関心を呼ぶ状況となっています。
なお前回配信のドル円有料レポートでは、FRBの米緩和継続観測による円高予想 (↓) を掲載しており、こちらが的中しています。
円安一服も買い地合いは継続
昨夜行われたパウエルFRB議長会見では、米経済回復がまだ途上であり「緩和終了は程遠い」との認識が示され、市場の緩和早期終了期待が後退、いったんドル売りが優勢となりました。
とはいえ、一昨日の米消費者信頼感がコロナショック前の水準を回復するなど、米経済指標に見る景気回復の強さは顕著であり、パウエル会見でも「米景気と雇用には強さ」との内容があったことから、ドル円市場はいぜん底堅さを維持。レートは108円ミドルで押し目買いが見られ、いぜん強含みの推移を続けています。
続く今夜にかけては、ドル買い復調ののち上値を切り上げられるかが焦点となりそう。なお、米時間の米GDPなど主要経済指標は大幅改善とみられており、これらの発表に前後してドル買いに拍車がかかり、109円を明確に突破する可能性も論じられています。
ユーロ円は年初来更新が続く
ユーロ円は昨日も年初来高値を更新。一時は131.80付近まで上昇しており、この数か月続く上昇トレンドの継続が意識される状況です。
ドイツでのワクチン接種拡大などで、欧州経済の回復ペース加速が期待されるなか、ユーロ圏諸国の長期金利に先高観が強まっており、ユーロはリスクオンの買い地合いが継続。さらに今週は、ドル円の反発鮮明化によるドル高・円安の流れがユーロ円にも波及し、円安・ユーロ高でユーロ円の上昇に拍車をかけています。
昨日も高値引けとなったことで買い意欲は厚いと見られ、ユーロ円は次の節目132円を目指す展開となりそうです。
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ドル円予想トピックス サマリー
【ドル高/円安材料】
・米消費の強さで景気回復ペース加速を意識 (↑)
・FOMCでの米景気見通し改善期待 (↑)
・米長期金利の上昇トレンド復調 (↑)
・円高展開への一巡感 (↑)
・米ワクチン接種拡大によるコロナ収束への期待感 (↑)
【ドル安/円高材料】
・日本国内での新型コロナ感染拡大 (↓)
・緊急事態宣言発出による国内景気停滞懸念 (↓)
・衆参選挙での自民党大敗による政局懸念 (↓)
・欧米と中国の対立激化懸念 (↓)
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