昨日の6月14日のFOMCで利上げが決定されました。FRBのバランスシートの縮小も発表され、今後のドル円為替は、どうなっていくか予想します。
このページの目次
6月FOMC利上げとバランスシート縮小発表の影響
今回のFOMCの発表とイエレンFRB議長の会見でドル円為替は、108円台から109円台に円安に動きました。
6月のFOMCの発表の影響としては、円安に作用しました。
FOMCの発表内容は大きく分けて3つありました。
1、FFレートを0.25%上げる(利上げ)
2、今後の利上げペースを維持(ドットチャート)
3、バランスシートの縮小計画発表
それぞれについて影響を見ていきたいと思います。
1、FFレートを0.25%上げる(利上げ)
今回のFFレートを0.25%上げる利上げのドル円為替への影響は、ほぼないと言っていいでしょう。
もともと6月に利上げが行われるのは予想されていましたので、利上げ自体の影響は、既定路線ですので、ほとんどないと思われます。
利上げがなければ、逆サプライズとして大きな影響がありましたが、予想通りの結果となり、為替を動かす要因とはならなかったと思われます。
2、今後の利上げペースを維持(ドットチャート)
2の今後の利上げペースを維持するとの発表は、円安に影響しました。
FOMCでは毎回ドットチャートと呼ばれる利上げの予想を示す表が公開されます。
参照:https://www.federalreserve.gov/monetarypolicy/fomcprojtabl20170614.htm
インフレ予想やGDPの予想などと一緒にFRBのメンバーによる今後の利上げ予想も表になっています。
今回発表されたドットチャートでは、2017年はあと1回、2018年も3回、2019年も3回の利上げ予定となり、3月発表時からほぼ変わっていない状況でした。
直前に発表された米経済指標の5月小売売上高や5月消費者物価指数(CPI)が予想に反してマイナスの値になったので、利上げペースが緩やかになるとの事前予想だったのですが、発表された利上げペースは、変わらずでしたので、ドル高円安になる要因となりました。
利上げすると日米金利差が開くとの思惑から円安ドル高になりやすいです。
今回は、利上げが緩やかになるという予想に反して、利上げペースが維持されたことで日米金利差が意識されて、円安になったと思われます。
3、バランスシートの縮小計画発表
3のFRBのバランスシートの縮小計画発表は、ドル高円安要因となっています。
FRBのバランスシートの縮小は、資産として持っている米国債やモーゲージ担保証券(MBS)の再投資をやめ、資産を減らしていくことです。
その過程で、米国債の再投資をやめるということは、米国債を買い入れることをやめるということですので、米国債の価格が上昇しづらくなります。
国債は、価格は下落すると利率が上昇するということになりますので、米国債の再投資をやめることは、米国債の利率が上昇しやすくなるということです。
よって、将来的に、米国債の利率が上がれば、ドル高になるので、円安ドル高要因となります。
ただし、今回発表された縮小計画は、緩やかなペースでの縮小となっていますので、大きな影響を与えるほどの要素とはなりませんでした。
小幅の円安ドル高要因といった影響になりました。
今後のドル円為替はどうなるか?円安・円高どっちか?
今回のFOMCでの発表がそのまま実行されるとすると中長期的には、円安ドル高になると思われます。
ただし、実際にFOMCが発表した通りに利上げが行われると市場は思っていないようで、利上げがあったにもかかわらず、米10年国債の利回りは、2.1%台と2017年で最低水準で推移しています。
市場の思惑では、短期的には、円高になりそうな模様です。
日本が0金利政策をしばらく続けると思われるので、アメリカが、想定通りに利上げをこなしていけば、日米金利差が広がっていき、円安になりやすくなります。
しかし短期的には、本当に利上げが予定通り行われるか見極めるまでは、円高になりやすい状況が続くと思われます。
短期的には、年初来安値の108円近辺が安値の目安になると思われます。
その後は、アメリカの経済指標次第でドル円為替が上下して行き、9月、12月のFOMCでの利上げの有無と利上げペースによって中期的なドル円相場が決まっていくものと思われます。
おすすめ記事