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トランプ大統領との日米首脳会談の株価とドル円為替への影響

日本とアメリカ

トランプ大統領と安倍首相の日米首脳会談が、現地時間の2月10日に開催されます。
フランスの政情不安などもありますが、日米首脳会談が株価とドル円為替にどのような影響をもたらすか考察してみます。

○2018年日米首脳会談

日米首脳会談 2018年

日米首脳会談の日程と日本時間-ドル円為替は円高円安どっち?2018年4月

2018年4月16日

トランプ大統領と安倍首相の過去の会談

安倍首相は、トランプ大統領が大統領選で勝利してから一番初めに会った世界の首脳です。

日本時間の11月18日朝にトランプタワーでトランプ大統領(この時はまだ大統領就任前)と1時間半ほど会談を行いました。
この時は、まだトランプ氏が就任前でオバマ大統領が現役でしたので、安倍首相は通訳と2人、トランプ大統領は、イバンカさんや夫のジャレット氏、マイケル・フリン氏などが同席しました。

この時の会見内容は明らかにされていませんが、安倍首相は、インタビューでトランプ大統領を信頼できると話しています。

「個別具体的なことについてはお答えできませんが、同盟というのは信頼がなければ機能しません。私は、トランプ次期大統領は正に信頼できる指導者であると、このように確信しました。」
参照:首相官邸HP 平成28年11月17日 トランプ次期米国大統領との会談

1月28日に日米首脳電話会談が行われています。
外務省のHPによると午後11時5分から約42分間トランプ大統領と電話会談を行いました。

この時に今回の2月10日の安倍首相の訪米による日米首脳会談の日程の確認が行われて、トランプ大統領と合意したと書かれています。

両首脳は経済や安全保障の課題等における日米同盟の重要性について確認するとともに、日米経済関係の重要性についても一致しました。
参照:外務省HP 日米首脳電話会談

と書かれていますので、今回の日米首脳会談は、日米の安全保障と経済に関する2本柱での会談になると思われます。

トランプ大統領と安倍首相の日米首脳会談の内容

今回の日米首脳会議は、安全保障と経済の2本柱の話し合いになると思われます。

日米の安全保障に関しては、トランプ大統領は、在日米軍の日本の負担割合を引上げる旨の発言をしています。

これに関しては、2月4日に稲田防衛大臣とマティス米国防長官が会談し、共同記者会見を行い日米同盟の重要性はゆるぎないものとの認識を示しています。
さらに在日米軍駐留経費負担に関しての議論はなかったと話していて、日本は経費の負担に関してお手本になっているとマティス国防長官が話していました。

参照:防衛省・自衛隊:日米防衛相共同記者会見概要 平成29年2月4日(11時10分~11時38分)

共同記者会見からは、在日米軍駐留経費負担は全く問題ないとの認識がアメリカにあるとうことですので、今回の日米首脳会談でも重要性を確認して、すんなりいくのではないでしょうか。

問題は、日米の経済の話し合いだと思われます。

トランプ大統領は、貿易の不均衡為替の円安操作に関して言及しています。

これに対して一部報道からの情報では、

「安倍首相が、安保・通商・マクロ経済政策協議する閣僚レベルの枠組みを大統領に提案」
「為替問題、新しい枠組みのマクロ経済政策のなかで議論される可能性」

などと伝えられています。

日本は、今回の日米首脳会談での手土産として、国会でも話題に上ったGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)による運用先のアメリカのインフラ投資を増やすとい話しがありましたが、国会答弁で安倍首相が、「私はIPGFに支持できない」と答えております。

安倍首相の国会答弁では、「新幹線の技術をアメリカに売り込む」と話しており、テキサス州の高速鉄道に新幹線のパッケージで投融資を行う計画を手土産にするようです。

WSJの記事よると安倍首相が、「日米の成長と雇用のイニシアチブ」と題する5つのプログラムで今後10年間で米国に70万人の雇用を創出し、4500億ドルの新規市場を創出する可能性があると話していると書かれています。

参照:WSJ Abe to Tout Japan’s U.S. Investment Plans in Trump Meeting(英語)

新しい貿易のルールについても話し合う予定で、トランプ大統領が日本の安倍首相の提言をどのように感じるかがカギになってきそうです。

ただし菅官房長官の記者会見では、「(経済の新たな枠組みは)何ら決まっていない」と発言していて、建設的な話し合いができればよいと話しています。
具体的な話をするというよりも安倍首相とトランプ大統領の信頼関係を深め、日本がトランプ大統領が問題にしていることを解決する姿勢があると見せることが狙いのようです。

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日米首脳会談の日経平均株価とドル円為替への影響

日米首脳会談の株価とドル円為替に関する影響は、先ほど安全保障と経済の2つの話でトランプ大統領がどのように発言するかによって変わってきます。

安全保障に関しては、トランプ大統領が日本の負担を増やす発言をしたことで日本の防衛関連の企業の株が上昇しました。

今回は、マティス国防長官との会談で日本の在日駐留費の割合を増やすということはなさそうですので、防衛関連の株が上昇するようなことはなさそうです。

経済に関しては、日本がアメリカにインフラ投資をするパッケージを提案する予定です。
貿易の新ルールについても話し合う予定で、その内容にトランプ大統領が満足しなければ、貿易不均衡に関しての話が記者会見で話されて、自動車株を中心に下落すると思われます。

記者会見でトランプ大統領から貿易不均衡に関する言及がなければ、自動車株を中心に上昇する可能性が高いです。
新幹線関連の企業の銘柄も上昇しそうです。

ただし直前にアメリカの貿易収支が発表され、予想より赤字幅が小さくなっていましたが、国別では、対日貿易収支が通関ベースで689億ドルの赤字となり、対ドイツの貿易赤字が縮小したことを受け、赤字額が2位になりました。13.7%

アメリカの貿易赤字は、中国が約70%を占めていて圧倒的です。日本は13.7%程度となっており、中国の2割にも届いていません。

この現状をみて、トランプ大統領は日本との貿易赤字については言及せずに2国間の貿易のあり方についての要望を述べるにとどまるのではないかと予想しています。

日米首脳会談の株価とドル円為替に与える影響は、

○円安株高になる場合

    ・共同会見でトランプ大統領が円安誘導や貿易不均衡に言及しない
    ・安倍首相からのインフラ投資などの提案をトランプ大統領が好感を持って発表

○円高株安になる場合

    ・共同記者会見でトランプ大統領が為替や貿易不均衡に言及
    ・トランプ大統領からの日本への輸入額を増やすなどのマイナスな要望がある場合


個人的には、日米首脳会談は、比較的穏やかに終わるのではないかと予想していますので、トランプ大統領の円安誘導発言やトヨタなどの日本企業への攻撃的な言及はしばらくなくなると予想しております。

ドル円為替は、日米関係の安心感から円安に向かい、112円後半から113円台になる可能性が高いと思っています。
日経平均株価は、円安を好感して19500円程度までは上昇するのではないかと予想します。

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