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明日の9月日銀金融政策決定会合の発表内容を予想する

日銀金融政策決定会合

今日、9月20日から明日の9月21日の2日間、日銀金融政策決定会合が開かれます。
明日のお昼くらいに決定した内容が発表されますが、この内容如何によって、ドル円為替や日経平均がかなり上下すると思われます。
今までの情報を整理して明日の日銀金融政策決定会合での発表内容を予想してみましょう。

現在の日銀の金融緩和

まず現在の日銀が行っている政策を整理しましょう。

現在日銀が行っている3次元金融緩和は、量・質・金利(マイナス金利)の3つで成り立っています。
日銀のHPでは、「マイナス金利付き量的・質的金融緩和」と呼んでいるようです。

・量的金融緩和策

日銀の量的金融緩和策は、マネタリーベース(日銀が市場に供給する通貨)が年間80兆円増加するようにお金を市場に流すことです。

基本的には、銀行などの民間金融機関から国債や手形の買い入れにより市場にお金を流通させます。

これによって、民間金融機関にお金が十分わたり、融資などが増えることで景気を上向きにさせる効果が期待できます。

・質的金融緩和策

日銀の質的金融緩和策は、様々な金融資産の買い入れを増やす策で主に長期国債の買い入れとリスク資産であるETF(上場投資信託)・Jリート(不動産投資信託)を買い入れすることです。

前回の7月の日銀金融政策決定会合では、ETF(上場投資信託)の買い入れを年間3.3兆円から6兆円に買い増すことを決定しました。

日銀がリスク資産を買い入れることにより金利の低下と物価が上昇する効果が期待できます。

・マイナス金利

マイナス金利は、金融機関が保有する日本銀行当座預金の一部に‐0.1%のマイナス金利を適用することです。

マイナス金利を適用することで金融機関が日銀に資産を預けると時間とともに減っていくことになるので、金融機関は、日銀に預けるのではなく、企業への融資などへ資金を振り分けることになります。

実際にマイナス金利が導入された2016年1月以降に銀行の住宅ローンの金利が下がり、住宅向け融資が増えています。
ただし、銀行の普通預金や定期預金の金利も下がっており、普通預金は0.02%から0.001%になっています。

マイナス金利は、金融機関が保有する日銀の当座預金の一部に適用されていますので、個人の預金とは別の話で個人の普通預金の金利がマイナスになることはありません。

マイナス金利は、上記のように金融機関が日銀に資金を預けるのではなく、市場に融資などで資金を流通させる効果を期待できます。

日銀の金融緩和は、上記の3つで成り立っています。
今回の9月の日銀金融政策決定会合では、上記の3つ金融緩和策を「総括的検証」で実際に効果がどれくらいあったのか、マイナスの効果はあったのかを検証することになっています。

この総括的検証の結果によって、追加の金融緩和が決まってくるのではないでしょうか。

9月の日銀金融政策決定会合の発表内容を予想する

現在の金融緩和策をおさらいしたところで、実際の明日発表される日銀金融政策決定会合の内容を予想してみましょう。

○現在の金融緩和策の拡充

    量:マネタリーベースの拡大
    質:国債、ETF・J-リートの購入
    金利:マイナス金利

現在の金融緩和の拡充は、一番考えられる金融緩和策です。
実際に7月の日銀金融政策決定会合では、質的金融緩和のETF(上場投資信託)を年間3.3兆円から6兆円に増やし、拡大しました。

量的金融緩和の拡大

まず、量的金融緩和の拡大は、ほとんどないと思われます。

マネタリーベースの推移グラフを見ればわかりますが、2013年より急激に増え、現在は、400兆円を超えています。

○マネタリーベース推移グラフ
日銀マネタリーベース推移グラフ

実際に指摘されているのは、マネタリーベースが増えているのに、銀行の預貸率が増えず、うまくお金が市場で回っていないのではないかと言われています。

今回の日銀金融政策決定会合では、マネタリーベースの拡大は効果が薄いと思われますので、あったとしても80兆円を90兆円にする程度ではないかと思われます。

質的金融緩和策の拡大

質的金融緩和策の拡大は、インパクトのある緩和策はないと思われます。
株価や為替にプラスの影響を及ぼすことはないと思われます。

7月の日銀金融政策決定会合でETF(上場投資信託)の買い入れ額を年間でほぼ倍にしたばかりですので、ETF(上場投資信託)を増やすことはあり得ないと思われます。

長期国債は、これ以上買い入れは無理だと思われます。
今以上のペースで国債を買い入れすると近い将来に買える国債がなくなってしまうので、買い入れ額を上げるのは難しいでしょう。

国債に関して発表があるとすると、現在より期間が長い超長期国債を中心に買い入れを増やすことでしょう。
下がりすぎた長期国債の利回りを押し上げる効果を期待できます。

Jリート(不動産投資信託)の買い入れ額増加はあり得ると思われます。
現在、年間900億円となっていますので、これを増やす可能性はあり得ますが、Jリート全体が時価総額12兆円程いしかないため、すぐ買えなくなってしまうので、あまり有効な施策ではないと思われます。

他のリスク資産の買い入れの可能性としては、上記の量的緩和でマネタリーベースを増やす発表があった場合は、社債や地方債・財投機関債などの債権の買い入れを増やす可能性があります。

質的金融緩和策の拡大は、調整程度でインパクトのある緩和策はないと思われます。

マイナス金利政策の拡大

マイナス金利の拡大は、十分あり得ると思われます。

上記2つの緩和策は、もうほとんど拡充の余地がないので、調整程度になると思われますので、一番可能性があるのは、マイナス金利の拡充だと思われます。

黒田総裁の講演でもマイナス金利を拡大する余地があるとの発言があったように現在の‐0.1%より拡大して‐0.2%にするという説が有力です。

さらに日銀から金融機関への貸出金利をマイナス金利にする案もあるようです。

ただし今回の総括的検証では、マイナス金利のデメリットも検証されているので、マイナス金利の深堀があっても大きなインパクトがある内容ではないのではないかと予想しています。(深堀しすぎるとデメリットも大きくなるからです)

マイナス金利は、現行の-0.1%を-0.2%に引き下げる案と予想します。

その他の金融緩和策

現在行っている3次元緩和以外の金融緩和策も可能性としてはありますが、今のところニュースにもなった外債の購入などは、法律的にNGとなっています。

結論としては、今回の日銀金融政策決定会合では、マイナス金利の深堀で金利を-0.2%に引き下げる策と量的・質的緩和は、調整的な緩和策になると思われます。

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日銀金融政策決定会合発表後の為替と株価

今回の日銀金融政策決定会合では、マイナス金利の深堀が主な内容になると思われますので、ドル円の為替は、1月の導入時と同じようにいったん円安に向かいますが、その後すぐに円高になり、100円を切る形になると思われます。

日経平均は、マイナス金利の深堀で銀行・保険株が安くなり、大きく下落すると思われます。

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