ブラジルレアル、今月中にダブルボトム形成で上げ基調へ?

この7月に入ってからのブラジルレアル円は、初頭から7月5日まで下落するも、5日の終値28円13銭を底に、11日現在までは上昇基調に入っています。

なお、視線をもう少し以前まで移すと、先月6月7日には直近底値の28円07銭を付けており、これとあわせてダブルボトムを形成しつつある状況です。

この7月に入ってからの下落の原因をふまえ、2018年7月のブラジルレアル円がどう推移するかを予想します。

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直近のブラジルレアルの谷形成

ブラジルレアルは、今月に入ってから、他の新興国通貨などと比べても大きな下落幅を示していました。しかし、今月の底値をつけてからの戻り幅も大きなものとなっています。

まず、直近のブラジルレアルのレートを、対ドルと対円のチャートで確認します。

レアル対ドル 7月初頭

まずレアル対ドルのレートを見ると、7月1日から5日まで、下落率はマイナス1.40%となっています。

しかし、その後7月11日までは、レートは既に6月末の値まで戻しています。7月5日からの上昇率はプラス2.99%と、断続的ながら大きな上昇となっています。

レアル対円 7月初頭

つづいてレアル対円のレートです。こちらも7月1日から5日までは下落で、下落率はマイナス1.47%となっています。

しかしこちらも、その後7月11日までは、レートは既に6月末の値まで戻しています。7月5日からの上昇率はプラス3.41%と、より大きな戻り幅になっています。

7月初頭の下げはPMI低下によるもの

まず、7月頭にブラジルレアルが下げた原因は、7月2日に発表された、6月製造業購買担当者景気指数(PMI)の低下のためです。

発表された6月PMIは、景況感の悪化と改善のさかいめとされる50を下回っており、これが悪材料としてレアル下落を呼びました。

PMIの低下の原因としては、5-6月の燃料価格高騰に対する大規模なストライキが代表的なものとして挙げられます。この際、広範囲にわたってブラジル国内の経済活動が停滞した影響が、今回のPMIで如実に現れたと言えます。

この際、ブラジルレアル円の下値は、7月5日の28円14銭です。

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7月第二週から景気上昇見込みから上昇

さて、この直近下値をつけた7月5日以降、6日からのブラジルレアルは上昇しており、すでに6月末の高値を取り戻しています。

ブラジルレアル円レートは、7月11日現在で29円10銭となっています。

リスク資産へ市場の資金が流れる

この上昇傾向の原因は、2018年の世界企業収益が上向いているとの予想に基づき、市場全体に底堅いリスクオンムードが広がっているためです。

他の通貨レートでも、ドル円はきょう7月11日時点で111円周辺まで上げており、つまりリスクオフ資産の円が売られて下げていることがわかります。

また、ブラジルレアル同様のハイリスク通貨とみなされるメキシコペソは2%高をつけるなど、2-3%高のブラジルレアルと軌を一にした動きを見せています。

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2018年7月のブラジルレアル予想

一般的な知識として言えば、ブラジルは、対外債務が比較的大きいことから、自国通貨が下落するとドル建ての債務が大きくなる特性があります。

そのため、ブラジルレアルの下落は、ブラジルの信用不安を呼び、結果さらなるブラジルレアル下落を呼ぶ「負の連鎖」につながる可能性がある、というのが一般的な考え方です。

しかし、経済の堅調さから、今回の下げが「負の連鎖」につながる懸念はない、と市場は判断したようです。

ダブルボトム完成までの見通し

ブラジルレアル円のチャートを今年5月からの2ヶ月半に引き伸ばしてみてみると、6月7日と今回の7月5日で、ダブルボトムを形成していることがわかります。

ダブルボトムを経てのトレンド底入れを示すネックラインは、6月中旬の29円70銭周辺となります。

これを踏まえ、順調に行けば7月中にはネックラインを突破すると予想します。

2018年ブラジルレアル予想/見通し解説とおすすめ投資方法

2018.06.28

 

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