【メキシコペソ】新政権期待に影さす上値重さの正体

政治の状況を如実に反映して動くという特徴のあるメキシコペソですが、7月1日に行われたメキシコ大統領選の結果を受け、ペソは大きく上昇しています。

とはいえ、直近の1-2営業日では、上値を追う勢いに陰りが見えてきてもいます。大統領選の結果を受け、メキシコペソ円の予想はどうなるのでしょうか。

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直近1ヶ月のメキシコペソ円チャート

まずは、直近1ヶ月のチャートを確認してみましょう。これによれば、大統領選を前にした6月から現在にかけて、チャートは右肩上がりで上昇していることがわかります。


次期大統領ロペスオブラドール氏とは

現職のペニャニエト大統領の任期満了に伴うこの大統領選で、結果としては、新興左派となる「国家再生運動(MORENA)」から出馬のアンドレス・マヌエル・ロペスオブラドール氏が勝利しました。

ロペスオブラドール氏はメキシコ市長を務めていた人物でもあり、事前調査でも勝利予想が立っていた候補でした。

新興左派大統領への期待

メキシコでは1929年から2000年までの71年間、現与党の制度的革命党(PRI)が政権を握ってきました。

しかしそんななか、新興政党出身のロペスオブラドール氏が次期大統領に選任されたことで、メキシコには、数十年ぶりに左派の大統領が誕生することになりました。

それに加え、ロペスオブラドール氏は財政再建や中銀独立といった金融政策改革に前向きな姿勢をとっています。こうしたことで、世界の金融市場からは高い期待が寄せられ、メキシコペソの上昇へとつながっています。

すでに横たわる難問

一方で、ロペスオブラドール氏の新政権には、すでに多くの課題が影を落としてもいます。

内政問題 – 治安、貧困

まず、これまでのメキシコが抱え続けてきた犯罪率の高さや汚職・麻薬の問題、貧困問題などが、大きな課題として山積みになっています。

これらは、前任となるペニャニエト大統領よろしく、これまでのメキシコ政権が課題として掲げてきながら、解決を果たせずに持ち越されてきたものです。

対米関係 – 民族主義、NAFTA交渉

そしてもう一つの課題が、対米関係です。

現在メキシコは、貿易相手国として米国の存在が欠かせないものとなっていますが、保護政策をとるトランプ大統領に対抗し、ロペスオブラドール氏は「メキシコ第一主義」をとなえ、内政不干渉や民族自決と行った民族主義を掲げてきました。

メキシコ大統領選任にあたり、ロペスオブラドール氏とトランプ大統領は互いに協調姿勢を打ち出しつつありますが、互いの保護主義的な立場からのかけひき、さらにはメキシコの経済に欠かせないNAFTA(北米自由貿易協定)交渉と、メキシコ新政権は対米関係においても山積みの課題を抱えていると言えます。

中長期的見通し

直近のメキシコペソ円動向としては、新政権への期待で7月初頭を堅調に推移したものの、第二週目にさしかかる7月6日から9日にかけて、上値が少々重くなってきています。

これは、ロペスオブラドール氏の新政権が、期待を集めつつも実積の少ない新興勢力であり、しかも彼らの掲げる政策でも目玉のひとつである対米政策において、アメリカ依存からの脱却が実際とてもむずかしい課題であるという、市場の現状認識が映し出されたものと言えます。

短~中期予想:年末までに6円を目指す

懸念されていた点のひとつであった米国とのあつれきについては、ロペスオブラドール氏とトランプ大統領の双方が歩み寄る姿勢を見せ、事前に高まっていた警戒感は緩んだと見られます。

短期的には油断はできませんが、今年18年1月につけた下値5.2円を底とし、2018年末までにはメキシコペソ円レート6円手前を目指し上昇すると予想します。

長期予想:1-2年で8円を目指す

また長期的には、メキシコは、根本的には人口ボーナス期を間近に迎える国であり、2020年あたりには上昇トレンドに乗ることが期待されています。

それまでは、新政権の打ち出す政策をどれだけ軌道に乗せられるかが、メキシコペソ円の当面のポイントとなるでしょうが、今後1-2年は上昇基調となり、2014年頃のレンジであった8円台をまずは目指す展開となると予想します。

 

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