次回の9月のFOMCでは利上げ確実と言われています。
FOMCの日程と日本時間とその後のドル円為替が円高・円安になるかを考察してみましょう。
このページの目次
9月のFOMC(米連邦公開市場委員会)の日程と日本時間
まず9月のFOMC(米連邦公開市場委員会)とパウエルFRB議長の記者会見の日程と日本時間を確認しましょう。
現地時間:9月26日午後2時
日本時間:9月27日午前3時
・パウエルFRB議長定例記者会見
現地時間:9月26日午後2時30分
日本時間:9月27日午前3時30分
FOMC(米連邦公開市場委員会)は、現地時間の25日と26日の2日間開催されて、終了後にFOMC声明や政策金利を発表します。
政策金利発表は、日本時間では27日の午前3時と真夜中になります。
その30分後にパウエルFRB議長の定例記者会見があります。
利上げは、ほぼ確実視されており、市場では織り込まれていると思われます。
現在の政策金利が、1.75%~2.00%ですので、0.25%利上げされて、2.00%~2.25%となると思われます。
利上げ確率は、9月12日時点で100%と予想されています。
ドル円為替への影響は、パウエルFRB議長の会見の内容にも左右されます。
3月は、パウエルFRB議長の会見がハト派ととらえられて利上げにもかかわらず円高に推移しました。
ジャクソンホール会議でもパウエルFRB議長の講演で緩やかな利上げという発言でハト派として捉えられて円高に推移しました。
さらにドットチャートの利上げ見通しが押し上げられるとするとドルが買われて、円安ドル高に推移します。
過去にドットチャートで利上げの見通しの中央値が上昇したときは、円安に推移しました。
今回は、直近の米雇用統計やISM製造業景況指数などが予想を上回り、米経済が堅調なことを示していますので、利上げも積極的になるFRBメンバーもいそうですので、タカ派的な発言になる可能性があり、円安に進む可能性も残されていますので、注目です。
過去のFOMCの利上げ後のドル円為替の傾向
では、過去のFOMCで利上げがあったときは、円高・円安どちらに傾向ていることが多いのでしょうか?
最近の利上げの時期は、
となっております。
2015年、2016年は1回、2017年は3回、2018年は2回の利上げが行われています。
円高:3回
となっております。
2017年と2018年3月までの利上げ後のドル円為替は、前回の記事で紹介していますので、直近の2018年6月の利上げ前後のドル円為替を解説します。
2018年6月 FOMC利上げ 円安
・利上げ前後のドル円チャート 1時間足
2018年6月15日午前3時にFOMCで利上げが発表されました。
直後のドル円の動きは、一時110.8円台まで円安が進み、その後、110.5円台でもみ合いとなっています。
FOMCで2018年利上げ回数が、前回の3月のときの3回から4回に引き上げられたことによって、ドルが買われて、一時ドル円為替が円安に進みました。
ただし、チャートを見ると次の午前4時台から円高が急速に進んでいます。
これは、4時台に米国で中国への追加関税のニュースが流れたことで急遽ドル売りとなり、円高ドル安が進んだという経緯があります。
チャートだけ見るとFOMCの利上げ発表後に円高が進んだように見えますが、実際は、中国への追加関税のニュースでリスクオフとなり円高ドル安となった経緯があります。
FOMCの影響だけを見ると利上げ回数の引き上げによって、円安ドル高が進んだと言えると思います。
利上げ後のドル円為替は、14日の夕方まで円高が進みましたが、ECB定例理事会の利上げ時期を2019年にするという発表を受け、ユーロが急落しドルが買われて、ドル円為替まで波及して、円安が進みました。
15日の日銀金融政策決定会合の金融緩和維持の決定後も円安が進み、110.9円台まで円安になりました。
2018年6月のFOMCの利上げの影響自体は、円安方向に影響を与えたと思われますが、米中貿易摩擦やECB定例理事会など別な要因で上下しています。
大きな傾向では、利上げ後の6月14日から6月25日まで109.3円台まで円高が進み、それから7月19日まで円安が進み、113円台になっています。
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2018年9月のFOMCの利上げ後のドル円為替は円安・円高どっち?
私の予想は、「円高」になるです。
今回は、FOMC(米連邦公開市場委員会)の利上げの市場に与える影響が小さく、6月のような利上げ回数の増加もなさそうですので、材料出尽くしと米長期金利の下落で円高になっていくのではないかと予想しています。
今回の日程は、13日にECB定例理事会が開かれて、19日に日銀金融政策決定会合で発表が行われますので、大きな金融政策会合は、FOMC(米連邦公開市場委員会)が最後となっております。
ドル円為替の要因としては、FOMC(米連邦公開市場委員会)の利上げと米国の通商政策と思われます。
直近の米経済指標は、強い内容となっており、予想を上振れしています。
しかし、トランプ大統領の米中貿易摩擦懸念や日米貿易摩擦懸念など通商問題でリスクを抱えており、プラスの材料が出尽くして、リスク要因がクローズアップされて、円高ドル安に進むのではないかと思われます。
6月と同じような推移のイメージで、直後は少し円安に動きますが、その後に円高に進んでいくと予想しています。
ドル円為替のレンジは、109円台までの円安になるのではと予想します。
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2017年、2018年FOMC利上げ後のドル円の動き詳細 過去記事より
2017年3月 FOMC利上げ 円高
・利上げ前後のドル円チャート
2017年3月のFOMCは現地時間の15日、日本時間の16日の深夜に利上げが発表されました。
チャートを見てみるとFOMC直前までは利上げ期待で円安になっていますが、FOMCが始まると円高になっています。
株や為替では、イベント内容を先取りして期待で上昇して、実際にそれが起こったら、利益確定で下落するというパターンが多いです。
2017年3月のFOMCの利上げもこのパターンと言えるでしょう。
2017年6月 FOMC利上げ 円安
・利上げ前後のドル円チャート
2017年6月のFOMCは現地時間の14日、日本時間の15日深夜に利上げが発表されました。
チャートを見てみるとFOMCまでは、トランプ大統領のロシア疑惑が5月下旬にあり、114円台から109円台まで大きく円高になっていました。
6月の利上げは、声明とイエレンFRB議長の会見内容で、バランスシートの縮小発表や2017年中の利上げがあと1回行われることが維持されたことなどから、タカ派だと捉えられて、ドルが買われて、円安になっています。
その後、米経済指標が上振れして、114円台に戻る円安になっています。
2017年6月のFOMCの利上げは、利上げ回数維持などで金融引き締めを続けるタカ派的な発言で円安になったと言えます。
2017年12月 FOMC利上げ 円高
・利上げ前後のドル円チャート
2017年12月のFOMCは現地時間13日、日本時間で14日の深夜に利上げが発表されました。
チャートを見てみると13日から円高になっています。
事前に2018年の利上げ回数が3回から4回になるのではという期待があり、それが反映されて円安になっていたのですが、FOMCの声明では2018年の利上げ回数を3回とすると発表され、ドルが売られて円高になりました。
発表直後にその日の安値を記録しています。
その後、トランプ大統領の税制改革法案が成立する見込となり、円安になっています。
2017年12月の利上げは、事前の期待を下回る発表だったことで円高になったと言えます。
2018年3月 FOMC利上げ 円高
・利上げ前後のドル円チャート
2018年のFOMCは現地時間21日、日本時間22日の深夜に利上げが発表されました。
発表されたあとは、円高になっており、22日23日と円高が進んでいます。
パウエルFRB議長の会見がタカ派的だったのですが、期待より抑えめだったことでドル売りが出ました。
その後は、米GDPの上昇修正や月末需要などでドルが買われて円安になっていきました。
2018年3月の利上げも事前の期待を下回る発表だったことで円高になりました。
過去のFOMC利上げ後のドル円為替のまとめ
過去のFOMCの利上げ後のドル円為替の動きを見てみると
2.事前の期待を上回り円安
と2つのパターンとなっております。
利上げ自体は、ほぼ織り込み済みとなっていることから、今後の利上げ回数やパウエルFRB議長のインフレや景気に対する発言が事前の期待を下回るか上回るかで円安・円高が決まっているようです。
ただし、FOMCでの利上げの発表は数日しか影響せず、その後は、米経済指標や政治情勢など通常の要因で上昇下落の推移が決まっていくという形です。
FOMCの利上げでは、事前に市場でどのようなコンセンサスがあったかを確認して、声明文やパウエルFRB議長の会見を聞いて、市場のコンセンサスと比較して、ドル円為替の推移が、円高か円安かが決まっていくので、FOMCの発表だけで決まるのではないということを覚えておきたいです。
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