絶好調の日本株が連日話題の一方で、「もう一つの日経平均」も、節目となる株価を上に抜けた、と注目を集めています。
それがドル建て日経平均、つまりドル換算した日経平均株価です。
今年11月7日、ドル建て日経平均は、21年ぶりに200ドルという節目の価格を上回りました。
実はこのことが、今後の日経平均株価の動きを予想する手がかりになっています。ドル建て日経平均と日本株の今後予想について説明します。
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バブル戻り高値以来の200ドル超え
この数年の間、ドル建て日経平均は140ドル~160ドル台のレンジに収まって推移していました。
しかし2017年1月には170ドルを突破、そのまま右肩上がりの勢いが続き、さらに10月の世界株高の流れでさらに急上昇、この11月には200ドルを超える日が出ました。
このドル建て日経平均200ドルというのは、21年ぶりの高値として報じられました。21年前といえば1996年7月、いわゆる平成バブル暴落からの戻り高値の時期を指します。
外国人投資家はドル建て日経平均で評価する
ドル建て日経平均のような外貨建指数は、日経平均をドル円レートで割って算出します。
現在のドル円レートは円安が進みにくく、かつ株価を見ても、大量の海外投資家の買いが日本株に向かっています。この、円底堅く+株高傾向、という2つが相まって、ドル建て日経平均の高値を形成しているという状況です。
株高+円高→ドル建て日経平均が高値圏へ
ドル建て日経平均の好調・急伸は、日本株に対する海外投資家の心象を、さらに好転させる可能性があります。
というのも、日本株投資を行う外国投資家、とくに中長期投資を行う機関投資家は、ドルベースで投資成果を評価する傾向があるためです。
単に円建て株価が上がっている時とくらべて、さらにドル安円高トレンドも重なった時は、ドル建て日経平均がより高値に乗ります。そうなると、外国人投資家の視点からはより高く評価され、結果、相場の潮目が大きく変わることになります。
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高まる日本株評価と軟調トレンドの関係
このたびの11月、ドル建て日経平均が200ドルという節目を超えてきたことで、外国人投資家からの日本株の評価は一段階高まったと言えます。
ただ、市場では、11月の高値から、いましばらくは軟調となっており、ときに乱高下の様相を呈しています。
日本株市場参加者の7割とも言われる外国人投資家が、ドル建て日経平均の200ドル超えにより、日本株買い意欲を強めていると考えられるのに、いま株価の強気トレンドに迷いが出たのは、なぜなのでしょうか?
株価乱高下は利確と期待のせめぎあいか
それは、このところの株価があまりに急な上昇を見せたために、反動で調整が入っているためです。
急上昇した株価は、短期筋の売りを受けて小規模・中規模な急落を見せることがよくあります。とくに海外ヘッジファンドによるきわめてスピーディな取引の影響は大きく、ドル建て日経平均も、先週の11月15日午後には、ほとんど反射的とも言える急落を見せています。
また、株価急伸から下落に向かう局面で、大勢の利確売りがさらに下落圧力を強めているとされていますが、それでも、海外投資家の押し目買いが株価の下支えとなっています。いま軟調トレンドに転じていても、日本株への期待は薄れていない、と、この株価騰落の攻防に透けて見えるのです。
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「200ドル超え」と好調業績で強まる海外の買い
バブル以後長きにわたり低迷してきた日本株ですが、このところの世界景気拡大や金融緩和、為替の安定などを受け、ようやく上昇ペースに入ってきたかのように見えます。
ドル建て日経平均の大台200ドル超えは、外国人投資家にとって、日本株の動向をうらなう象徴的な出来事として映ったようです。
さらに国内企業の業績も上向いており、日本株買いのベクトルは、短期的なものから、次第により恒常的なものへと移り変わっています。
ドル建て日経平均で読む国内株動向
株価はしばし調整を迎え、軟調トレンドが続くこともあるでしょう。しかし、それを下支えするのが、日本株を評価する海外勢の買いです。
海外の資金はいま、矛先を日本に向けていると考えられます。その論拠になりえるのが、ドル建て日経平均の高値トレンドなのです。