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信用評価損益率と日経平均の暴落

信用評価損益率と日経平均の暴落

2008年のリーマンショック前後から日経の動きを見ていくと、底値を試す展開になっているのが容易に見て取れます。
最近の株式市場の動きを見ていると、プラス材料には殆ど反応せず、世界で何かマイナス材料が話題になると日経はそのマイナス材料を世界のどの市場よりも早く、しかも敏感に反応しています。2015年8月に生じたチャイナショック、2016年年初に生じたアメリカ経済後退懸念やオイルショック、そして明日2016年6月23日に投票が実施されるUKのEU離脱問題と、いづれも日本が発信源ではないマイナス材料に、その発信源や関連する市場より株価がマイナスに反応しています。国際的なマイナス材料に、日経が反応する同一のパターンは、「日本株売り」+「円買い」で、この繰り返しがドル円にも、日経株価にも負の連鎖を起こしているのです。

現在、日経は2015年6月に付けたリーマンショック後のピークから2016年6月22日現時点で既に23%下落しています。皆さん、お考えになってるの疑問は、おそらく「そろそろ、底値なのかなあ?」ではないでしょうか?底値を探る指標として、よく信用評価損益率が使われます。信用評価損益率が-15%を超えると、市場の底打ち感が高まり、株価は持ち直すと言うものだ。現在の信用評価損益率の参考値を松井証券のサイトで見てみると-13.69%で日経が底値に近い際に値に近づいています。しかし、この指標に頼るのは要注意でです。景気には、回復→好況→後退→不況と4つの局面がありますが、信用評価損益率が底打ち時期を判定するのに有効なのは、回復、好況、不況の時期であり、株価がピークを向かえる好況時の最終ステージ以降は、信用評価損益率が―15%を大きく割り込むことがあるのを心得ておくべきでしょう。

リーマンショック後の景気回復期、好調期に生じた信用評価損益率の大きな落ち込みは以下の通りです。

1度目 2013年5月  -15.6%

2度目 2015年8月 チャイナショック -16.7%

3度目 2016年1~2月 米国景気後退懸念と石油価格下落 -15~-16.6%

しかし、リーマンショック直後は、信用評価損益率が優に15%を越し、-30%以下になっていた。つまり、非常時には、信用評価損益率も、日経PER、日経PBRと同様、適正株価を知るうえで、あまり当てになる指標にはなりえないのです。

現在、日経PERは13.47、日経PBRが1.11といずれも低い水準にあり、ファンダメンタルズ的に見ると全く日経が過大評価されているとは言えません。そういう意味では、2000年に生じたインターネットバブルや2008年に生じたリーマンショックの直前とは日本企業を取り巻く環境は全く違います。普通なら日経平均がここで踏みとどまり、再び上昇をしてもよさそうな市場環境です。しかし、今回は、一時的な日経平均の戻しはあるものの、明日の「UKのEU残留/離脱」を問う投票を織り込んだ後も、日経は世界から様々なマイナス材料を探してきては、下値を切り下げ、2016年の10月~2017年5月位までに、最終的には昨年のピークから40~50%、10,000円~12,500位まで下げるというのが、現在の我々の見方です。
日経平均株価チャート
・日経平均株価長期チャート
http://indextoushi.com/chart/

そして、いよいよ日経インデックス投資のスタート地点に立てる日が近づいてくるのです。現在の日経インデックス投資の方針についてはこちらの記事をご参考下さい。

上記の投資戦略をまとめた記事を今後アップして行きます。
あくまでも、日経長期予測アルゴリズム開発途中の現時点でのインデックス投資戦略です。

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