米国時間の26日のニューヨーク市場が閉まった後に3Qの決算を発表しました。
前年同期より減収減益の決算内容でしたが、アナリストの予想を上回り、時間外取引で株価が5%程度上昇しました。
Apple 3Q(第3四半期)の決算内容
主な決算内容をアナリスト予想と比べて見てみましょう。
3Q | アナリスト予想 | |
---|---|---|
EPS(1株当たりの利益) | 1.42ドル | 1.38ドル |
売上高 | 423.6億ドル | 421億ドル |
iPhone販売台数 | 4040万台 | 4020万台 |
iPad販売台数 | 995万台 | 870万台 |
Mac販売台数 | 460万台 | 420万台 |
EPSでも売上高でもiPhoneの販売台数でもアナリストの予想を超えています。
今回、Appleの株が決算発表後に上昇した理由は、上記のようにアナリストの予想を超える決算内容だったからです。
しかし普通は、アナリストの予想を超える決算内容と聞けば、前年同期比で大幅なプラスになったというイメージですが、今回は、前年同期比でマイナスの減収減益の決算内容です。
前年同期だけではなく今期の2Qとの比較でもマイナスになっています。
3Q | 2Q | 前期比 | |
---|---|---|---|
EPS(1株当たりの利益) | 1.42ドル | 1.9ドル | -25.3% |
売上高 | 423.6億ドル | 506億ドル | -16.3% |
iPhone販売台数 | 4040万台 | 5110万台 | -20.9% |
iPad販売台数 | 995万台 | 1020万台 | -2.5% |
Mac販売台数 | 460万台 | 400万台 | 15.0% |
・各地区別の売上高の前年同期比
- 米州売上高 -11%
- 欧州売上高 -7%
- 中国売上高 -33%
- アジア売上高 -20%
Appleの前回の2Qの決算は、13年ぶり減収減益となり、売上高が前年同期比13%減、純利益は22%減、EPSは1.90ドルで18%減、iPhoneの販売台数も前年同期比で18%の減少という散々な決算内容で、Apple神話崩壊やiPhone神話崩壊と言われていました。
そして、Appleは、iPhoneやiPadの販売台数増のために新商品としてiPhone SEとiPad Proの9.7インチ版を発売しました。
しかし、新商品発売にもかかわらず、iPhoneの販売台数は2Qと比べて-20.9%となり、当然、EPSも-25.3%と減少しております。
さらに成長市場とAppleが銘打っている中国での販売が-33%と大きくマイナスになっています。
13年ぶり減収減益だった2Q(第2四半期)よりもさらに悪い内容の決算が今回発表された3Q(第3四半期)の決算内容なのです。
結論としては、「決算内容としては悪かったが、アナリスト予想が悪すぎる予想だったので、それよりは良かったので株価が上がってる」ということです。
日本のApple関連株の動向について
Appleの関連株と呼ばれている村田製作所を筆頭に株価を上げています。
13:23時点 | 前日差 | 前日比 | |
---|---|---|---|
村田製作所 | 12785 | +585 | +4.8% |
TDK | 6410 | +330 | +5.43% |
ジャパンディスプレイ | 188 | +3 | +1.62% |
アルプス電気 | 2054 | +122 | +6.32% |
現在の日経平均株価が+1.98%となっていますので、ジャパンディスプレイを除いた黄色になっている村田製作所、TDK、アルプス電気が日経平均より上昇しております。
今日は、日経平均が昨日の下げの反発と経済政策の発表による1円ほどの円安で上昇しているところなので、普通の株も上昇していてもおかしくはない状況ですが、平均で5%程度の伸びとなっていますので、かなり株価が上昇しているとみてもよいでしょう。
ただし、Appleは復調しているという話ではありませんので、今後もApple関連株が上昇するとは考えづらく、中長期的には、マイナスの影響もあり得るのではないかと思われます。
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Appleの3Q(第3四半)決算と今後のまとめ
Aplleの3Q(第3四半期)の決算は、減収減益だがアナリスト予想より良くて株価上昇という通常の決算発表での株価上昇のように業績が良くて株価が上昇しているというわけではありませんでした。
Appleは、4Q(第4四半期)の売上高を455~475億ドルと発表しています。
アナリスト予想では、458億ドルだったので、アナリスト予想よりは、強気な発表となりました。
しかし中国での売り上げ減速など大きな懸念点もあり、さらにiPhone7の発売が9月にありますが、デザインがほとんど変わらないなどiPhone6の大画面化した時のような爆発的な販売増が見込めないと思われますので、iPhoneに頼った売り上げ構成では、一時的に売上高が増加しても、中長期的には減少傾向になっていく可能性が高いと思われます。
Appleは、NYダウの銘柄になっていますので、中長期的には、Appleの売上高減少がNYダウの下落につながる恐れがありますので、今後のAppleno決算にも注目していかなければならないと思われます。