最近、ドル円為替で昨日と比べて円高になりましたが、日経平均が上昇してという場面をよく見ます。
日経平均と円高、円安の基本的な関係を理解して、今回の円高なのに日経平均が上昇する理由を解説します。
このページの目次
日経平均は円安で上昇、円高で下落
日経平均と円高円安の関係は、基本的には、
円高→日経平均下落
となっています。
〇ドル円と日経平均のチャート
2005年からの日経平均とドル円のチャートです。
赤がドル円で灰色の細い線が日経平均です。
かなり近い形をしていることがわかります。
上昇と下落の形が近いです。
上記の結果は、主に2つの理由から説明できます。
1、日本の株式市場の7割が外国人投資家
日本の株式市場の取引の7割を占めているのが外国人投資家です。
なぜ外国人投資家が多いとそうんるうのかというと、基本的に外国人投資家は、ドルを持っていて、それを日本円に換えて株を買っています。
円安の時は、同じドルでも多くの日本円に換えれるので、株も多く買えることになります。
反対に円高の時は、ドルから円に換えると少なくなってしまいますので、株も多く買えません。
よって、円安の時に外国人投資家は、資金を投入することになり、日経平均は上がりやすくなるということです。
円高の時は、外国人投資家が持っている株を売って、ドルに替えると円安の時より、多いドルになるので、利益確定の売りも入りやすいので円高だと日経平均が下がるということになります。
2、輸出企業(海外売上高が多い企業)の株が売買される
ドル円為替が動くと、輸出企業や海外売上高が多い企業の株が大きく売買されます。
円安の場合は、輸出企業(海外売上高が多い企業)の株が買われます。
日経平均の構成銘柄はトヨタやソニーのような輸出企業(海外売上高が多い企業)が多いので、影響を受けて、日経平均が上昇するということです。
輸出関連企業は、海外の売上がドルですので、円安になると売り上げが日本円換算で大きくなりますので、儲かりやすくなります。
なので、円安になると輸出関連企業の株が買われやすくなります。
円高だとその逆です。
主に上記の2つの理由によって、円安=日経平均上昇、円高=日経平均下落という形になります。
円高なのに日経平均上昇?
しかし、最近は、円高になったのに日経平均は上昇していることも多くなってきました。
直近では、7月27日などは、日経平均は30円近く上昇していますが、ドル円為替は1円近く円高になっています。
27日の午前3時にアメリカのFOMC(米連邦公開市場委員会)の声明があり、弱気な内容だったことから、夜中に円高が進みましたが、次の日の日経平均は、続伸で30円ほど上昇しました。
本日、8月2日も昨日の夜の米指標の低調な結果により、一時109円台になったにも関わらず、日経平均は、始まって早々に100円以上上昇しました。
日経平均の上昇とともにドル円為替も上昇し、最終的には、110.7円台と昨日より円安になりましたは、スタート時点では、円高だったのですが、日経平均が大きく上昇していました。
なぜ、円高なのに日経平均が上昇するのでしょうか?
これは、アメリカの市場が好調なことと日本企業の決算が良かったことが原因でしょう。
アメリカのNYダウは、昨日までで5日連続最高値を更新しています。
普通は、ドル円為替で円高ドル安になっているこということは、アメリカの経済があまりよくなくて、安全通貨の円が買われているということです。
なので通常なら、アメリカの株価も下落する場合が多いのです。
しかし今、アメリカは、金融政策を緩和策から引き締め策へと変更しようとしている最中です。
金融政策が引き締め策になっていったら、株価は下落します。
そこにアメリカの経済が思ったほど順調に行っていないという経済指標などが出るとドルは売られますが、金融緩和政策が続くのではとみられて、株価が上昇しているということです。
今の円高なのに日経平均が上昇する状況というのは、アメリカの金融政策の切り替え時期で円高ドル安になっても、緩和政策期待でアメリカの株価が上昇するので、円高による下落圧力より、アメリカの株高の上昇圧力の方が勝っていて、日経平均が上昇しているということです。
日本企業の決算は、7月31日までの決算発表した528社の純利益は前年同期比+63%となっているので、日経平均が上昇しやすくなっています。
かなりの好業績ですので、もっと上昇してもおかしくないのですが、円高のマイナス効果で相殺されている部分があると思われます。
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日経平均と円高・円安の関係のまとめ
日経平均とドル円為替には大きな相関関係がありますが、当たり前ですが、ドル円為替だけで日経平均が動いているわけではなりません。
通常は同じような動きをしますが、アメリカの金融政策の切り替え時期など、特殊な時期には別な動きをすることが多くなります。
日経平均が影響を受けるものは、時期によって違いますので、その違いを認識して、日経平均を見てみると新たな発見があるかもしれません。
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