今週のトルコリラ円は、良好な地合いのなかで16日の米株高をきっかけに大きく上昇、レートはこの二ヶ月来の高値を更新し続けています。
先週の動きを振り返りつつ、今週のトルコリラ円レートについてまとめます。
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今週前半のトルコリラ円概況
今週 15日(月)からきょう17日(水)までのトルコリラ円は、高値19.795円から安値18.915円の取引レンジで堅調に推移したのち、16日のNY取引時間にはさらに大幅に上昇し、上値を広げています。
好地合いのなかリスクオン進み急伸
先週末、トルコに拘束されていた米国人牧師ブランソン氏が解放され、対米関係が大きく改善される見込みが高まっているところで、トルコリラ円レートは右肩上がりに推移しています。
この好地合いのなか、さらにきのう16日のNY取引時間には米国株が大きく上昇し市場のリスクオフムードを払拭、にわかにたちこめたリスクオンの空気のなか、トルコリラを含む新興国通貨が多く買われたことで、レートが急上昇しました。
2018年の下落トレンドがついに転換か
トルコリラ円レートは、2018年に入りほぼ一貫して軟調に推移してきました。およそ20円が下値抵抗線と見られていたものの、今年8月の急落で一気に20円を下抜け、最悪期には15円台まで下値を広げました。
しかしレートは8月中旬に底をうち、以降はほぼ堅調に推移、順調に戻し続けていたところで、さらに今週の上昇によって、週足チャートは20週移動平均線(MA)に近づいてきています。
・トルコリラ円 2018年 週足チャート(+20週移動平均線)
このまま20円台を回復し、さらに20週MAを上抜けることができれば、もとより経済成長性に期待が寄せられていたトルコリラが、ついに上昇トレンドに入ることも考えられます。
きょうから今週後半のトルコリラ円見通し
きょう17日(水)に入って、トルコリラ円レートは、上値圏で伸び悩み気味に推移しています。
NY取引時間を終え上昇圧力が一服したところで、先週から報じられているサウジ記者のトルコ内での行方不明事件も相場にやや陰を落としています。
とはいえ、当事者であるサウジアラビアと米国の関係が悪化した場合は、米国が中東での地盤固めのためにトルコにより接近する可能性もあり、トルコリラにとってはむしろ支えとなる、という向きも市場には出ています。
今週後半のトルコリラ円レート見通し
ほか、トルコに関して、今週後半には特段の経済イベントは予定されていません。
現在のトルコリラ円は好地合いにあるといえます。少なくとも来週から中期の見通しとしては、週足MA20へタッチする展開へ向かっていくと考えられます。
ただ、今日になってレートが伸び悩んでおり、短期的には上値が重くなりそうです。今週中に力強い堅調トレンドへ回帰するかはなんとも言えないところで、少なくとも金曜までは、このまま横ばいもしくはじり高の展開となる可能性があります。