英国のEU離脱問題は、実際に離脱するのが2年先など直近の問題としては、リスクとしては薄れてきていましたが、また「ハードブレクジット」なる言葉が表れて、世界経済のリスク要因として再浮上してきました。
先週10月7日の英ポンドの急激な下落
英国のEU離脱問題が再浮上したきっかけは、先週の7日金曜日の日本時間に英ポンドが急落した事件です。
「フラッシュ・クラッシュ」(突然の瞬間的暴落現象)と呼ばれる現象です。
対ドルで一時1ポンド=1.18ドル台と前日に比べて6%強の大幅安を付け、1985年以来の31年ぶりのポンド安を更新しました。
これは、英国のメイ首相のEU離脱交渉を強硬姿勢で対応すると報じられたことで起こったことと言われています。
メイ首相は、EUの単一市場への関税なしなど自由なアクセスより、移民の移動制限を重視する方向性を示しており、フランスのオランド大統領が、英国のEU離脱に強硬姿勢で臨むと報じられるなど、いわゆるハードランディングとブレクジットを合成して、「ハードブレクジット」という造語まで生み出しています。
英国がEUへの自由なアクセスが失われるようだと、ロンドンの金融センターとしての役割も遂げることができず、今後の英国の経済にも不透明感が漂うこととなり、ポンドの急落につながったと言われています。
今後、市場が思っているより、メイ首相が強硬姿勢を打ち出し、EU側が、対決姿勢を出すようだと、ますますポンドが下落して、英国発の経済危機に発展する可能性もあります。
英国がハードブレクジットでEU離脱する場合は、国内総生産(GDP)が9.5%落ち込む可能性があり、660億ポンド(約8兆5800万円)落ち込むとの試算を英タイズムがしています。
暴落のリスク要因として、英国のEU離脱問題が「強硬離脱」として問題になる可能性が出てきました。
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